山の山頂には予想外のやつ?
ドレスを着たフェルと共に山の山頂にたどり着く、教会から山頂まではもう敵は居なかった…。
代わりに凄く地形が悪く、危険な崖や飛べなきゃロッククライミングする必要なエリアもあったが…飛べる自分とフェルはラクラクと地形が悪いエリアを通り過ぎる。
「ここが山頂か…」
「殆どなにもないですね」
「まあ、わざわざ山頂に建物を建てたいという人はほぼいないだろうな、立地も最悪だし、隠し事をしたい悪い組織の人か人と関わりたくない人位しか建物を建てたいという気持ちにならないだろう」
フェルの言葉にそう返す、飛べる力がある人ならともかく、飛べない人からしたら立地が最悪すぎる。
その影響は自然にも出ているのか木とかほぼなく、あるのは雪と岩のみである。
唯一目を引くのは石で作られた墓石…いや記念碑?慰霊碑?みたいな物だった、文字が刻まれており、調べてみるが自分が読める言語ではない。
「フェル、読めるか?」
「えーと…氷将軍の怒りを鎮める為にここに鎮霊碑を立てる…みたいです」
え、氷将軍…?と思っていると、風が吹き始め、雪や風が一点に集まったかと思えば、それは自分達と同じくらいの小さな人の形へと姿を変えて氷の鎧を纏い始めて…見たことある姿になった。
「あ、貴方は!?」
「おお!愛しの妖精フェルよ!再び会えるとはこれぞ運命!それになんと麗しいドレスを着ているんだ、ますます惚れ直したぞ!」
フェルが驚きの声をあげる、そう出てきたのは夏イベントであったことのある氷将軍だ、夏イベントであった時と違う部分は妖精と同じくらいの大きさになっていることだけだ。
「愛しの妖精フェルよ!故郷を襲った悪い化け物を倒す事は出来たか?」
「え、あ!はい!倒しました!このネージュフラワーとレンナさんの力で!」
フェルが戸惑いながらも返答する、そう言えばネージュフラワーを作るために氷将軍に頼んで特大の氷の結晶を作って貰ったんだったけ?
「そうかそうか!それは良かった……所で1つ聞きたいことがあるんだが………そこの妖精は君の何なんだ?」
氷将軍が喜んだのもつかの間、こちらに威圧的な圧力をかけてくる。
「レンナさんですよ、私の相棒の!前もあっていますよ?」
「以前見た時は人だったと記憶しているが…」
「オールモスキート…フェルの故郷を襲った化け物を倒す際に妖精になったんだよ」
変な物をみる目をした氷将軍に答える。
「………本当にただの共闘云々だけの相棒なのか?」
完全に疑いの目を向ける氷将軍、指輪嵌めている手は背中で隠しているが、フェルの手と同時に見られたら…まあ、荒れ狂いそうだよな…。
明らかにフェルに恋慕を抱いているが…絶対に届かぬ想いだよ…。
どうするべきか悩んでいると、氷将軍が言葉を紡ぐ…。
「…結婚しているわけではないよな?」
「いや、話飛躍しすぎだろ?そこは付き合っているかとかじゃないのか?」
思わずツッコミを入れるポーズと言葉を発してしまう。
あ、やば、指輪している手でツッコミしてしまった。
人間の時ならともかく、妖精状態だとペアリングに見えてもおかしくないというか実際にシンクロの効果を高めるペアリングだし。
「な、お前!?その指輪は!?フェルと同じ指輪!?」
氷将軍が大きな声をあげる、やばいなこれはもう友好的に行くのは不可能なのでは?
「こ、これは自分とフェルの連携を高める指輪だよ、始めて作った指輪だからなんだかんだ愛着があってな」
「ペアリングを作っただと!?実質結婚指輪じゃないか!それにもしかしてフェルのそれはウエディングドレスと言うことか!?」
氷将軍がそう叫ぶと、フェルが急に真っ赤になる。
「う、ウェディングドレス!?そういうのじゃないですよ!そ、それは…何時かレンナさんと一緒に作れたらな…と思います」
「はああああああああ!?」
「フェル!?ドレス作りたいの!?でも今言う事じゃないと思うよ!」
フェルの赤面して答えた言葉と同時にガシャァン!となにか…多分恋心が破壊されたような音と共に周囲の気温が一気に下がるのを感じる、視界端のHPバーの下に耐寒装備をしないと弱体効果が入るよ、という警告のアイコンが出てくる、素早くエレメント·アールヴに着替えて環境変化に対応する。
「レンナ!貴様を殺す!」
「えええ!?」
フェルが驚く中、予想通り氷将軍が殺意むき出しで襲いかかってきた!