強さを追い求めて
晩御飯、デザートの6個入りのアイスチョコを妹と半々で分けるつもりが、妹に4個持っていかれた(代わりに開けた際に出て来たレアな形のチョコアイスは譲ってくれた)という小さくも微笑ましい?事件があったが、自分は再びファンタジーフリーダムの世界に戻って来る。
1日中ファンタジーフリーダムに入り浸るのは本来は親に怒られてしまうが両親は仕事の関係で明日の昼までお出かけしているので許されるのだ。
「フェルは…まだ寝ているか」
フェルのベッドを見ていると、フェルがぐっすりと眠っていた。
早いうちから寝ているけど、これ深夜に起きてしまわないかと一瞬考えたが、寝ているフェルを起こす気にはなれなくて、自分はリーダーさんにナナサカさんに修行をお願いしたいからナナサカさんと連絡が取りたいとメッセージを送ると比較的に早く返信が返ってきました。
『ナナサカを工房に向かわせたから、工房に行けば会えるぞ、ついでに広いスペースを用意しといたから決闘スペースとして使って欲しい』
……ふと思ったが双極の覇者のお2人はいつお昼ご飯、晩御飯を食べたのかな?
そんな疑問を興味本位で聞きたい気持ちが湧きつつも、工房に移動する。
「我は刀神、いわゆるゴッド、我のおっぱいを借りに来たのか?我が信者よ」
「すまん、やっぱり帰っていいですか?」
「あーごめんごめん!流石に言い方が悪かった!だから帰らないでくれレンナ殿!?このまま帰られたらリダになに言われるかわかったもんじゃない!?」
胸を借りるという意味があるが、同じ意味とはいえ単語を変えられるとこうも本能的に距離を取りたくなるものなんだな…。
「コホン、Take2だ、レンナ殿が修行を所望するということは何かしら壁にぶち当たったと見て間違いないかな?」
わざとらしく咳をして仕切りなおすナナサカさん。
「ああ、壁は夢幻のレンナと夢幻のフェル…自分達のコピーで、同じ火光とアースキーを使い襲いかかってくる、幸いその戦いで負けたとしても自分とフェルに命の危険は無いとはいえ…1度アッサリ手酷く殺られたから、夢幻のレンナにしっかり勝ちたくて修行をお願いしにきました」
「ふむふむ………成る程レンナ殿達のコピーとの戦いか、しかも再チャレンジ可能で殺られた際のペナルティが無いという事はかなり難易度が高い物と見た、少し準備するから待ってて欲しい」
ナナサカさんはそう言うと移動用魔法陣を使って何処かに行ってしまったが、1分ほどで戻ってきた…アースキーと同じ形をした普通のシャベルを手にして。
「ミラーマッチというにはあんまりミラーしてないけど、多少は目を瞑って欲しい」
「ナナサカさんて道具術持っているのか?」
「いや、持ってないよ、刀神のパッシブ効果のお陰で刀どころか素手の時よりも大幅に攻撃力が落ちますが…」
ナナサカさんは片手にただ頑丈な緑星、もう片方にただのシャベルを手にして、チームゼロオーダーの工房にある、決闘を想定した広い場所の中心地点に立つ。
「今の単独思考のレンナ殿なら大幅に火力が下がっても問題ない」
挑発をしてくるナナサカさん、挑発に乗っても乗らなくても決闘するのは変わらないので敢えて挑発に乗る。
ナナサカさんから申請された決闘の申請に速攻で、はいのボタンを押して、ナナサカさんの 近くに立つ。
「こっちだって結構強くなったんだ、勝てる可能性はゼロでもHPをある程度は削ってみせる!」
沢山ナナサカさんと決闘して、AI操作のナナサカさんと戦い、理解した事はナナサカさんの強さの大部分はプレイヤーの技量に依存していることだ、いやカタログスペックも高く、そこも驚異的だけどね!
というかあの天使長戦後に高級な肉と米を送ってきた時に剣坂流師範代七坂と書いてあったから、多分リアルでも刀を使った武術を体得している可能性が高い。
リアルの刀術とファンタジーゲームの物理法則を無視した刀術が合わさった結果、あの超速の刀術になったのだろう。
刀術を模倣する事は出来ないけど、それでも見切れるようになればその見切る技術は必ず夢幻のレンナ戦で役に立つはずだ!
「「決闘!!」」
周囲に決闘のバリアが張られた事を確認した自分はナナサカさんに切りかかった!