試練の妖精羅針盤の合成?
リオアが言うには、ウランさんとはすぐに連絡出来たらしく、すぐに工房で合流する事になった。
「チームゼロオーダーの皆さんて、フットワーク軽すぎないか皆連絡してすぐに応答してくれているような…」
「そうだね…私達は何時も思い思いに動いているから結構運がいいと思うよ、そもそもウランさんはそんなにログインしている人じゃないし、流石にログインしてないフレンド相手とはメッセージのやり取りは基本できないからね」
「基本出来ないということは出来る手段はあるんだね」
「うん、メールアドレスでメッセージ飛ばせる機能があるけど、基本的にハイフレンド…深い絆関係じゃないとしないけどね」
リオアと会話しながら工房にたどり着いて、少し待っているとウランさんが現れた。
ウランさんも寒い所で活動していたのか全身もこもこした防寒着を着ていた…なんというかふわふわの小動物みたいになっている。
「おまたせ…久々ね、リオア、縮んだ?」
「むしろ成長中よ!全く…私の身長よりも合成の話よ合成!」
「身長…そう言えばユリの身体計測の結果あったけど、身長ほぼ成長してなかったな」
「アサルトピアース!!」
鳩尾にリオアの拳が突き刺さる!?
「カハ!?」
ほぼノーガード故かHPの8割が消し飛ぶ!
「レンナさん!?リオアなんで!?」
「お兄ちゃんのバカ!変態!妖精フェチ!何処で見たの!?」
「うう、普通にリビングで保管してあったのを……」
膝をつく…足をタンスの角にぶつけた並にいてぇ…。
「えっとリジェネレート!なにはともあれやりすぎですよリオア!」
「あーフェル、ちょっとこっち来て、レンナが見た身体測定の結果て多分……」
ウランさんがフェルを側まで寄せて、フェルの耳に向かって何か言う…。
「あー…身長だけじゃなくて体重や胸の大きさ、お腹の太さまで記録されたのをレンナさんは見たと…ごめんなさい、ちょっとリオアの一撃に正当性がありそうで判断に困ります…」
「あはは…」
完全に失言していた事に気付いて、乾いた声を発するそう言えばの身体測定てそういった項目あったな…やばい、さっきの一撃で身長以外のリオア身体測定の内容が思い出せない…。
いや、思い出さなくていいか、また妹のリオアに変態と言われるのは嫌だ。
どちらにせよ現実の友奈はちっこくて…まあ、ぺったんこな妹なのは変わりない。
「えーとそれよりもフェル、羅針盤を合成して強化してもらう話だっただろ?」
「ああ!そうでした!」
話しを逸らすというか本題に入るように促すとフェルは試練の妖精羅針盤を2つ取り出して、ウランさんに渡した。
「え、これかなり貴重そうな物だけど私が合成して良いの?失敗したら壊れちゃうかもよ?」
「そうなった際はレンナさんに修理してもらいます!」
「え?」
待ってレシピ持ってないから修理出来ないよ?
「それなら安心して合成出来るわ、任せて、これでも錬金術ならトップレベルの実力はあるつもりだから」
ウランさんはそう言って2つの羅針盤を受け取った。
ウランさんは羅針盤の状態を確認したら、工房内にあった虹色に輝く液体に満ちた大鍋の前に立つ。
「それじゃあやりますか、オールブースト、テクニカルフォーム」
そしてポチャン!と2つの試練の妖精羅針盤を大鍋の中に放り込んだ!ポチャンと羅針盤は虹色の液体の中に消えていった。
「えっと、スピードは3.5、結構速いわね…」
ぶつぶつと呟いた後、巨大なヘラ?のようなもので大鍋の中身をかき混ぜ始めた。
「大丈夫なんでしょうか…?あの羅針盤は精密な道具のはずですが…」
「大丈夫だ、鍛冶でも割と脆そうな物をガンガン叩いたりするからな」
不安そうなフェルを安心させるように言って見守って3分後、大釜から試練の妖精羅針盤?が飛び出して、ウランさんの手元に到着した。
なんかあれだな、まだ見ているだけだとただかき混ぜているようにしか見えなかったが他に何かしらやっていたのだろうか…?