ウェイター業終了
アッシュルさんが来店せるというトラブルはあって、料理提供時はちょっと緊張したけどなんとか問題なく提供出来た、因みにユリが言うにはレストランの料理は数時間単位の長期間、魔法などで解除されない強化バフが入るか為、人によってはこまめにレストランで食べたりするらしい、聞いてみたらアッシュルさんも強化バフ目的で入店だった。
本来ならスタッフとお客さんが会話するのはあんまり良くないが、ゲーム故にそこら辺は問題はないみたいだ。
アッシュルさんが退店して数分後、給仕の仕事が終わりを告げる、少しつかれたが皿を割ったりというミスはしなくて済んだ。
「よし!終わった!」
報酬はプレゼントボックス250個、長時間頑張ったお陰か、それとも迅速に料理を運んだおかげか、目標の半分も貰えた。
「へぇ、ちびにしてはやるじゃないか、いや助かったよ、ありがとよ」
あの嫌な受付店員も見直したのかお礼を言ってくる、フフンとドヤ顔をしているとレンタルの服が消えて何時もの防具になった、依頼が終わり、レンタルの服が返却されて、何時もの防具になったのだが何時もの防具だと防寒効果がなく寒いので、ユリから貰った服に着替え直す。
「ふう、久しぶりに料理スキル使ったけど、フェルのサポートが逸材だったよ…」
「褒めてくれてありがとうございます」
着替えているとユリとフェルが厨房から出て来た、言葉からしてフェルは活躍していたみたいだ、自分の事みたいに嬉しくなる。
再びフェルが自分の胸ポケットに戻ってきた、うん、この胸の重み、しっくりくる。
「へえ、料理の提供が早かったのはフェルのお陰だったか」
「うん、3品以上を短時間で作成となると、私1人だときつかったからね、個人的にはお兄ちゃんがウェイターの才能があったとは思わなかったよ、良く腕の上に皿を乗せるとか出来たね」
「ああ、見様見真似で出来るものなんだな…」
てっきり腕が短すぎて無理かなと思ったけど、上手くいくものだな、現実だと使わないテクニックなのが少し残念だが…いや、食器片付ける時に使えるか…?
……落として割ったら怒られるからやめとこう。
「レンナさんすごかったです、ヒョイヒョイとお皿運んでいて、隠れてみていましたが周りのお客さんおお、といった感じで見てましたよ」
「そうなのか?それなら頑張ったかいがあったな」
褒められるのはやっぱり嬉しいものだ。
「よし、お兄ちゃんの新たな才能を見つけた所で次の依頼に行ってみよう!」
「なにするんだ?」
疑問に思っているとドン!と誰かがぶつかってきた、ローブを纏っている相手だ。
「いった…」
ぶつかった相手は何も言わずに去っていこうとする、こっちは止まって居たので100%あっちが悪いのに、謝罪1つもないのか…。
「お兄ちゃん!アイテム一覧を見て!」
「腹が…え?」
走り出すユリに理由もわからず条件反射でついて行くように走りつつ、アイテム一覧を開く、そこで気付いた!今イベントの収集品であるプレゼントボックスが大幅に減っているのだ!
「プレゼントボックスが減っているんだけど、まさかスリ!?」
「やっぱりスリね!集団でサンタから盗難しているみたいよ!」
「そうなのか!?イベント説明に書いてなかったぞ!というかいつの間にそんな情報を!?」
「リーダーの情報網よ!何時も情報の売り買いしているからね!とにかく追い詰めるわよ!」
うん、最強の情報網出されたら納得するしかない!
「オールアップ!」
「サンキューフェル!」
フェルからサポートを貰うが、スリ犯追いつけない。
「アサルトステップ!アサルトピアース!」
ユリが瞬間速度を高めて一気に近付き、スリ相手に攻撃を放つが、スリ犯は背後に目でもついているのかギリギリの所で回避される。
「くう!ごめんすぐに追いつくから追いかけ続けて!」
「わかった!」
攻撃を放った影響か硬直で動けなくユリ、その間にスリ犯はどんどん走っていく、ユリの言葉に従い止まらず走り続ける!
「フェル、魔法で攻撃できる?」
「駄目です、素早いユリの一撃を回避する相手に当てられると思いません!あと街中でも攻撃魔法を放つのはリスクがあります!」
「あ、そっか!すまん、考えが浅かった!」
そうだよな…攻撃魔法は外したら街の建物に当たってしまう、そうなってしまっては周りから見たら悪いのは自分達になってしまう…。
とにかく今は追い詰めないと…でもこっちのスタミナが持つかな…。