初戦闘、シャベルで叩くか突くか?
しかし気になることはもう一つ、先程掘り当てた鉱石だ、じっくり見ても、鉄鉱石だと思うのだが…?
システム画面には知らない鉱石と書いてある…あ、鉄鉱石という表記に変わった…システム画面には『鑑定眼スキルを1得ました』と出てきた。
「クラスを鍛冶屋にしたなら、まずはレベルを上げて、ステータスをあげないとね、戦ってレンナ!私が手を出すと、経験値獲得効率落ちてしまうからね」
「…シャベルで戦わないといけないのか?……その腰の剣とか貸してくれないのか?」
鑑定眼のスキルを得たおかげなのか、ユリの腰についてる剣の性能が、数値としてシステム画面で確認できた…シャベルの性能も確認できて、ユリの剣がシャベルより強いのはひと目でわかった。
「ごめん、この武器は装備条件があるから今のレンナには装備できないよ」
「…わかった、シャベルでなんとかしてみる」
シャベルで戦う事に覚悟を決める…サクッと武器を作るだけが、どうしてこうなった…。
近くにいる角の生えたうさぎに近寄る、シャベルの持ち方は槍の持ち方に近い、殴打武器としてではなく、刺突武器として使うことにした。
敵はこちらに気づいていて、既に戦闘態勢、先手と言わんばかりに自分は突きを繰り出した!
だが敵が黙って喰らうわけなく、大きく横に飛んでシャベルの突きを避ける、次こそ当てる為に、シャベルを横に薙ぎ払い、シャベルをうさぎに当てる。
シャベルに直撃した角の生えたうさぎが転倒したので、トドメと言わんばかりに、シャベルを振り上げ、全力で振り下ろした!
『角うさぎを撃破しました、3の経験値を得ました、うさぎの皮を得ました』
全力の振り下ろしを食らったうさぎは、四角形の大量の赤い箱状のエフェクトになって散っていった。
「友…ユリはいつもこんな事してるのか?」
「そりゃレベリングするなら沢山狩るよ?だけどシャベルでさっくり倒せるなんて、流石お兄ちゃんだよ、仕事で武器の知識をより精通するようにと、剣術や槍術をリアルで覚えただけあるね」
「で、これ後何体倒せばいいの?」
武器を作るのに何時間も生物と戦うのは、勘弁願いたいのだが…。
「後三体位?」
「わかった…頑張って戦うよ」
「待って、レンナが動けるならもう少し大変だけど、もう少し経験値効率がいい所にいこうよ!」
そういうユリ、待ってくれゲームあんまりやらなくても、こういうゲームのセオリーくらいは知っている。
「装備が初期装備なのに難しい所に行くのか?」
こういうのは装備やレベルを整えてから行くものなはずだ、初期装備でゲーム初心者が安易に身の丈の合わない事をすると、長生きは出来ないだろう。
「大丈夫、ピンチなら私が助太刀するから、安心してね!」
「あーそうか…ユリは高レベルなのか、なら今はユリの指示に従うよ」
わざわざ俺に武器の作成を依頼するくらいだ、かなりやり込んでいるのだろう、まあ今はゲームが得意な妹に任せよう。
歩き初めて10分、ユリに導かれるように歩き深い森のような所にきた。
「ここは初心者脱出の一つの目安になるダンジョンだよ、植物や虫モンスターが多いから虫嫌いの人からは鬼門と言われているよ」
「え、虫出るの……」
「あー………お兄ちゃんは虫だめだったね、虫は私が倒すから安心してね?」
多分顔が青ざめてるのをみて、ユリが安心させるようにいう。
「信じるからな!?頼むよ、妹よ!?」
そう言いながら、自分たちは、森の中を探索し始めた。