次の依頼は…?
「勝負あり!」
雪合戦の受付の人が叫ぶと同時にシステム画面が現れて勝利の文字とプレゼントボックスが150個入手したという表示が出てくる。
よくよく考えたらなんで雪合戦でプレゼントボックスが手に入るんだ?気にしたら負けか?
「勝ったか…」
ひとまず一息つく、雪合戦なんて小学生の頃にした時以来だったが、上手く勝てて良かった。
「お疲れ様です、レンナさん」
「フェルもお疲れ様だ、相手が蹴り飛ばしてきた雪玉は痛くなかったか?」
「衝撃はあったけど痛くはなかったです」
「そうか…それなら良かった」
アースキーが出せないので、フェルのダメージを肩代わり出来ないのでそこら辺が不安だったが、特に問題はなかったみたいだ。
まあ、フェルもステータスは確認できなくても、最初から自分と旅をしているんだ、レベルが上がってるかわからないけど多分レベルも上がって、雪玉で怪我するほど軟な体にはなってないだろうから心配し過ぎもフェルに失礼かもしれない…気をつけよう。
「このまま雪合戦でプレゼントボックスを集めるきるか、ユリ?」
「うーん、それもいいけど、こればかりだと途中で辛くなりそうだから他の事をしよう!」
「わかった、また依頼を受けるのか?」
「そうね、ここはクラフト系の依頼をこなしていこう!」
「クリスマスでクラフト系てなんだ?料理作るのか…?」
ユリに引っ張られるままついていくと、そこには大きくて高級そうなレストランだった、明るくガヤガヤと活気だっている。
「ユリ、自分は料理出来ないぞ?フェルは出来るが」
ここでクラフト…作る依頼を受けるとなると、確実に料理依頼だ、あいにく自分は料理スキルを持っていない、フェルは持ってそうだが、この世界では実感はあんまりないが、異種族は珍しいらしいので、妖精であるフェルが堂々と料理をやってもらうわけにも行かない。
「それならお兄ちゃんはウェイター、私とフェルが厨房を担当する依頼をするよ!フェルは私の胸ポケットの中でテレキネシスでサポートしてほしいわ」
「待ってくれ、ウェイターとかもあるのか?」
完全にただの仕事じゃないか…ゲーム内で仕事をするのか…?というかこんなカジュアルな服装でウェイターしていいのか?高級そうなホテルだぞ?
ユリの料理に関しては問題ない、ユリ…友奈はリアルでも料理ができるし、ユリの胸ポケットにフェルが隠れて、テレキネシスでのサポートする分には問題ないだろう。
「大丈夫大丈夫、接客スキルがなくても今のお兄ちゃんは見た目がいいから対人スキルが無くても問題なくウェイター出来ると思うよ!」
「見た目極振りの理由かよ!……別に失敗しても賠償金とか取られることはないだろ?」
「外に叩き出されはするかもしれないけど、お兄ちゃんなら大丈夫だよ」
「何を根拠に…兄が接客あんまり得意じゃないの知っているだろう?」
接客スキルとか対人コミュニケーション力があったらTT…高田以外にも、もう少し現実で友達増やしているよ。
「レンナさん1回試してみましょうよ!」
「…わかった、まあウェイターならそんな話すことなく料理提供をするだけだろうから、1度試してみるよ」
悩んでいたらフェルに背中を押されたのでやることを決意する。
「それじゃあフェル、こっちに来て料理のサポートお願いね!」
「わかりました!」
フェルが自分の胸ポケットからユリの胸ポケットに入る…うーん、胸ポケットの軽さに違和感が生じるな…。
「それじゃあお兄ちゃんはあそこのスタッフウエイターの手伝いをしに来ましたーと言えばクエストが発生するから頑張ってね…すみません、厨房の手伝いに来ましたー!」
ユリはそう言うと指さしたスタッフの隣にいた人に話しかける、多分厨房の依頼を担当しているスタッフだろう。
「…どうなることやら、まあ案外楽しいかもしれないしな、すみませーん、ウェイターの依頼を受けに来ましたー」
自分も続けてウェイターの依頼を担当している人に話しかけるのだった。