依頼の吟味
夜でも街中は明るく、そんな中ユリについていくと、ユリは掲示板の前で止まる。
そこには色んな紙に依頼内容が書かれている。
「うーん、私達で効率よくプレゼントボックスを稼げる依頼は…」
ユリは依頼を吟味しているみたいだ…。
「そう言えば街の外には行けるのか?」
お知らせではそういったの書いてなかったんだよな…。
「透明な壁があるから行けないよ、去年のイベントで試したから間違いないわ」
ユリの言葉を聞きつつ、自分も掲示板を見る。
配達の依頼や雪かきの依頼、雪合戦や氷上戦闘訓練に付き合って欲しいという依頼、酒場で演奏してほしい等の色んな依頼がある。
「迷子の子供を探して欲しい…掲示板にはってる間には凍死するんじゃ…」
フェルは迷子捜索の依頼に興味があるみたいだ……うん?なんか迷子の依頼の紙だけ古いように見える…。
「あー、多分それは面倒くさいからおすすめしないよ、広い街から子供を探すのは大変だし…確率で幽霊出てくるよ」
「クリスマスで幽霊とかなんかやだな…」
「ゆ、幽霊…?そんなのあるんですか?」
ホラーはスキーイベントの時に経験したので暫くはホラーはいいかなと思う。
フェルは少し動揺している。
「うーん、あ!これが良いかも!テクニカルアタックパフォーマンス!」
ユリが1枚の依頼を手に取る。
「なにそれ?」
「これは球体の的に攻撃を加えて、宙に浮かせてアクロバットに攻撃を加えてパフォーマンスする依頼だよ、1人1人で参加する感じになるけど、これならお互いにいい感じにこなせると思うよ!1日に1回しかできないのが欠点だけどね」
「成る程、報酬は歩合制…一度やってみるか」
依頼の紙を確認した感じ、この依頼はすぐ近くにある室内ステージで出来るみたいだ、というかワンの街に屋内ステージとかあったのか…知らなかった、早速移動する。
屋内ステージがある建物に入ると歓声が聞こえた観客席には色んな人達がいた。
そんな中、視界の先には1人のプレイヤーがステージの上で空中ジャンプしながらも大きめの球体に片手剣で攻撃していた。
ピョンピョンと何度か空中ジャンプして攻撃していたがMPが尽きたのか、地面に降りると同時に球体の的も地面に落ちて弾けて消えた。
するとピョンピョン飛んでいたプレイヤーの頭上に得点と思われる数字が現れる。
成る程、打ち上げた球体の的に攻撃する程頭上の数字が増える感じかな?
「でも観客がたくさんいるとフェルの助力は借りれないな…」
「そもそもこの依頼は1人でしかステージに上がる事が出来ないからね、お兄ちゃんが出る時は私がフェルと共に居るよ」
「むー私は何も出来ないんですね…」
フェルは不満そうだが、こればかりはどうしようもない。
「それじゃあ早速参加登録して、交互に行ってみよう、私が先に行くね」
「ああ、わかった」
ユリは近くにある受付で参加登録を済ませる、待たされるかなと思ったが、すぐにユリの番が来た。
「それじゃあ行ってくるね」
ユリがステージに上がる、自分達はステージの端に立つ。
ステージの真ん中に球体の的が現れる。
「それじゃあいくよ!アサルトステップ、エアリアルステップ、アッパースラッシュ!」
レンフェルソードを取り出して、斬り上げ攻撃で球体の的を打ち上げる。
「ラッシュスラッシュ!」
ユリは跳躍して、球体の的に連撃を叩き込む!
球体の的はユリの連続斬りでステージ外に飛んでいく!
「エアサクション!」
だがユリの風魔法で球体の的はユリの側に引き寄せられる。
「風車!」
ユリが縦に回転して球体の的を打ち上げ、1度着地する、その間に球体の的は天井にぶち当たり、あたった反動で勢いよく地面に落ちていく!
「あ、アサルトピアース!」
天井に当たる事を想定してなかったのか、再び打ち上げようとするが、鋭い突きと同時に球体の的が地面について、球体の的は消失して、ユリの頭上に数字が現れた。
25点…これ高いのか低いのかわかんないな…。
「あー失敗した…本当はもっと連続攻撃決めるはずだったんだけど…天井に当たって落ちてくるのは計算してなかった…」
どうやらユリは失敗してしまって低得点らしい、なら自分は25点以上は取りたいものだな。
「次はお兄ちゃんだよ」
「わかった、フェル、ユリと一緒に見ていてくれ」
「はい、頑張ってください」
フェルをユリに預けて、自分はステージに上がるのだった。