リーダーリダの酷な提案
『レンナさん、依頼メールありがとう、コートとジャケットを作る為の布が欲しくて、予算はコートとジャケットを作れる量で150万…その予算ならそこそこの布は作れるけど、どうせならもっといい布が欲しくないか?…まあ、君にとっては少し酷な提案になるが…
スリー街の近くにある迷路森で花蝶の芋虫という敵から花の糸がドロップするんだ、それが20個あれば、他の素材に予算を回せるようになって、より質の高い布が作れるようになるんだ、虫を嫌ってるレンナさんにこんな提案をするのは酷いかもしれないが、この提案を受け入れる、受け入れないにしても、どうするかメールで返事を送って欲しい』
比較的早くリーダーから返事がくるが、虫を倒して糸を集める提案をみて、空を見る。
因みにセクシードレスを作る布は頼まなかった…それを書くのは恥ずかしかったし、先に実用性のある装備を作りたかったのだ……まあそんな些事よりも…。
虫かー…虫かー…芋虫かーあの緑の皮膚質感といい、這うように動く姿が気持ち悪い…近寄りたくないが、より質の高い布が手に入るなら嫌でも無理をする価値は十分ある。
リーダーさんに花の糸を集めるからもう少し情報が欲しい、ツー街から迷路森への行き方や迷路森で気をつけるべきこと、後は虫の情報があればショックに備える為に予め教えて欲しい、とメッセージを書いてメールを送ると、数分もしないうちにメールが送られてきた。
『ツー街から道なりに進めば風の渓谷があって、そこを通り抜ければスリー街に行けるよ、マップの情報もメールに貼付してあるから道に迷ったら確認して欲しい。
風の渓谷にはボスがいるが、火属性に弱いから参考にして欲しい。
迷路森は迷いやすいから、迷った際はとにかく一方向に突き進めば迷路森から脱出できるから、有効活用して欲しい。
芋虫以外の他の虫は居ないが、兎が首などの急所を食い千切る確率即死の攻撃をしてくるから、兎に気をつけてね、もしも強さが追いついてないならゆっくりレベルアップ頑張ってね、別にこっちに急ぐ理由はないからね』
「風の渓谷か…参ったな、自分のレベルじゃ多分…いや、確実に推奨レベルが足りない…」
「大丈夫ですか?」
「…大丈夫、なんとかする」
心配するフェルと言葉をかわしつつ、自分のステータスを確認する、刀と杖を作った影響でレベルは11から12にレベルアップしているが、最大HPが70から68に下がっているのだ、杖と刀を作った結果、呪鍛冶のスキルが上がっている影響だろう…。
そしてユリが言うには、ワン街からツー街へ行く壁となるジテン山の推奨レベルが10レベルだ、ならツー街からスリー街に行くのに20レベルを要求されてもおかしくない…。
レベリングを怠ったつもりはないんだが…それ以上にハイペースに進んでいるのかもしれない…普通のクエストとか受けたこと無いし…幸いリーダーからはゆっくりレベルアップを頑張れと言われてるから、受けるか普通のクエスト、確かギルドという所に行けばいいんだろ…?
ツー街のギルドて何処にあったけ?マップを確認しているとPL達の声が聞こえた。
「ツー街の近くでレイドボス、巨大なタンク亀が現れたぞ!皆行くぞ!!」
へ?レイドボス?