頑丈な刀を作ろう
刀のレシピは既に持っているやつを使わせてもらおう、今思えばナナサカさんが買ってくれたオメガコアの重刀、かなりレベルが低い初期に作ったけど、何故か度を超えたハイスペックだったよな、あれはビギナーズラックだったのかな?
あれ以降ステータスを参照にした装備制限とか発生してないし…。
まあ、考えた所で仕方ない、今は新たな刀を作らないと。
使う素材はさっき作ったメテオグラビティインゴット……
『刀製造時の最低要求素材
刃、金属×6
持ち手、布、革、皮のいずれかの素材×1』
「手持ちの鉱石全部インゴットにしたら足りない!!」
採掘したメテオグラビティ鉱石は10個、残り全ての鉱石をインゴットに精錬した場合メテオグラビティインゴットが5個になる…1つ足りない。
とゆうか持ち手の素材の事も忘れてた…。
「…ふむ、メテオグラビティ鉱石が足りないなら買うか?」
「売ってくれるのか?」
「ああ、鉱石を買うやつなんて殆ど居ないからどう値段つけるべきか悩むけどな」
そう言いながら値段を提示してくるタタンさん、結構高いが買えない額ではない、さっきの鉱脈に行くまでの手間とか考えたら安く感じたので購入する。
「後は布、皮、革か…なんか持ってなかったかな?」
アイテム一覧をゴソゴソ探す、すると魂竜の布を見つけた。
これは必殺技を放とうとして、壮大に自爆した際の防具の修理でナナサカさんから貰った物で余ったやつだ、ちょうどいい、これを使おう。
「フェル、刀を作る前にインゴットを作るぞ」
「はい、わかりました!」
カンカンカンと鉱石をインゴットに変えていく、鉱石でも刀は作れると思うが、わざわざ2つを1個に凝縮するインゴットにしたほうがより頑丈になりそうだからな。
「はあ、はあ…疲れました」
「お疲れ様だフェル…少し休んだら刀を作ろうな」
流石に何回も鍛冶をするとフェルが疲労を示す、こっちも疲れた為に休憩に入る。
「何度見てもいいコンビネーションだな、あの後他の人と君達がやっていた事を真似てみたが全然だめだったぞ」
「そうなのか?こっちは…フェルが完全に合わせてくれているお陰で上手く言ってるからな…ほぼフェルのおかげだな」
鍛冶を始めたら物に集中してしまうからフェルが何やっているかわかりにくいんだよな…でもフェルは補助魔法以外にも、作る物に魔力で干渉しているみたいなんだよな。
さっきのメテオグラビティインゴットの内容でも魔力で不純物を除去とか書いてあったし、あれは完全にフェルの行動が反映された結果だろう…なんとか視野を広くして鍛冶している時のフェルの行動を見てみたいものだな…。
「えへへ、レンナさんのサポートなら誰にも負けません!」
胸を張るフェル、愛らしいものだ、癒やされる。
「ああ、何時も熱いの苦手なのに協力してくれてありがとうな、MP回復薬はいるか?刀は大掛かりな作業になりそうだから万全な状態で行くぞ」
「あ、1つください!」
フェルにMP回復薬を飲ませて万全な状態にする。
「魔力回復しました!暑い感じも抜けましたし、いつでもいけます!」
フェルの言葉で作業を開始する、こっちの疲れも少し休めばすぐに回復した。
「おー若いから回復早いのか、じゃあ今度こそ見せてくれ刀作りを」
タタンさんが見守る中、刀作りを開始する。
メテオグラビティという名前からして今回は重量でも発生するのかなと想像をしつつ、レシピをセットして、素材を投入する、隠し味というか隠し素材として先程採掘前に手に入れた大粒のエメラルドも入れる。
呪血鍛冶の特殊行動である血を注ぐはオフにしてスタートする。
刀の形をした真っ赤に熱された金属が鉄床に置かれる。
「行くよフェル!とびきり頑丈な刀を作るぞ!」
「はい!」
ハンマーを振り下ろす、来いよ仮に重力が倍になろうが鍛冶をし続けてやる!
カン!といい音がなる……特に体が重たくなったりする事は無く、また体が無重力になるといった事はなかった、警戒しつつもう何度か叩く。
カンカンカン!と重力変化は起こること無く、普通の鍛冶作業が続く。
内心あれ?グラビティは?隕石みたいな重い重量とか降ってこないの!?となる、本当は口にしたかったが、フェルがびっくりするだろうから我慢した。
ガッツリと身構えていた物が来ない、そんな肩透かしを喰らいつつも鍛冶作業は安定して進んで行くのだった。