納得いかない理由
「不満そうだなレンナ、凄く渋い顔しているぞ」
「フェル殿もなんだか不満そうだな」
どうやらフェルもさっきの技に納得がいっていないようだ…でもTTはともかくナナサカさんにも見てバレるて相当顔に出ているのか自分達は…。
「うーん、さっきの技はなんていうか…新技ではあるんだけど……」
「個人技に見える?まあ、個人的な感想だが」
「そう、それ!」
ナナサカさんの言葉にピンとくる、さっきの攻撃はあくまでそれぞれの持っている武器の持っているスキルを同時に放った感じだ。
だって妖精火門と妖精地門が合体して、妖精氷門と妖精風門が合体した…つまりさっきのマグマ噴火攻撃は自分だけで出来るし、氷の針の雨はフェルだけで出来る技だ。
妖精火門と妖精氷門で放つ高出力レーザーみたいにフェルと自分がいて初めて放てる必殺技じゃない!これだと合体技だとは言いにくい…いや、言えないんじゃないか?
「つまりはあれだ!4つの魔法陣が1つに融合しないと合体技として完成しないと思うんだ!」
「ああ!確かに魔法陣の融合が中途半端です!」
頭の中で考えた結論を口にする、その言葉にフェルは納得したような声をだした。
「成る程、力をもっと一点に集中させれば、もっと凄い技になる可能性を秘めているのか…そりゃあ楽しみだ、もう一回試してみるか?」
「いや、何度も試すにはちょっとコストがきつい…それに現状もう一回やってもさっきの技が出るような気がする…」
妖精門を使った時点で全てのMPが消費されてしまう、それをMP回復薬で回復していたら、薬とお金がいくらあっても足りなくなる。
武器にMPを込められる影響でかなりMP量を貯蔵出来るが、回復に手間がかかるのがかなりの欠点だ…。
「そうか、まあいいや今回は中々楽しませてもらったし、また今度楽しませてもらおう、所で友人の写真撮影は終わったのか?」
「え、ああ…撮影は出来たよ、レンナ見るか?」
新たな必殺技をみて満足気味のナナサカさんの言葉に、TTはこちらに写真を見せてくれる。
今いる城と花畑が写った写真だ…名前はわからないが赤い花が白い城を引き立てている、さすがゲームだ、写真を撮ったらすぐに写真として現像できるんだな。
「おお、良いんじゃないか?花と城の色の組み合わせが可愛らしくていい線行けるんじゃないか?」
「おお、凄いな俺が取ると何時も若干ボケるんだよな…」
「レンナがそう言うなら安心だな」
自分とナナサカさんの評価にTTは満足したように写真をしまった。
すると城の入り口辺りがワイワイ騒がしくなる、他の妖精たちが帰ってきたのかなと思っていると窓から複数の妖精が現れた。
「試練終わったー?」
「フェル強くなったー?」
「あ、入口にいた格闘家だー」
「刀持った人足大丈夫ー?」
妖精達がワラワラと話しかけてくる、それぞれが話しをしているとフェルのお母さんが現れる、フェルのお母さんが現れると他の妖精達は空気を読んだようにスーとフェルから距離を取った。
「その様子だと…失敗したみたいね、フェル」
「ごめんなさいお母さん、せっかく色々と手配してくれたのに…」
「気にしなくて良いのよフェル、あの羅針盤をクリアしなければ死ぬという訳ではありませんし…暫く使えなくなるだけなので時が流れたら再び使えるようになるから頑張ってね、お母さんはともかくお爺ちゃんのアンモカもクリアするのに凄く苦労していたから…」
「あのーこの羅針盤て何の位時間が経過したら再使用出来るようになるんですか?」
自分の質問にフェルのお母さんは少し悩んでから答える。
「再使用出来るようになるには妖精によって異なるのでなんとも言えません、妖精によってはすぐに使えたり、半年くらい経ってから使えるようになったりしますので…」
なんだそれ?条件とかあるのかな?
「お母さん、暫く羅針盤を借りて良いですか?」
「ええ、予備はあるので持っていって良いよ」
こうして自分は試練の妖精羅針盤を借りることになった、試練をクリアしたら返さないとな。
こうして各々の目的を果たした…いや、フェルだけ果たせてないけど…自分達は妖精達と会話した後、フェアリーガーデンから出て、帰路に付くのだが…。
「そう言えばそろそろ年末かー」
「年末て何かあるのか?」
TTの独り言?に興味を示すとTTは答えてくれた。
「クリスマスの短期イベントあるし、年末年始の短期イベントもあるから楽しみだ」
そんなTTの言葉にふと思う…ゲーム内なら本物のサンタクロースとかいるのかな?
そんな事を考えながら今日の時間は過ぎていった。