フェルの試練?
城にたどり着く、フェアリーガーデンの城を見るとどうしてもあのオールモスキートの戦いを思い出してしまうな…。
そんな事を考えていたらフェルに城に入るように促されたので城に入るとフェルのお母さんが出迎えてくれた。
「…おかえりなさいフェル…成る程、随分強くなりましたね…今の貴方達なら良いかもしれませんね」
フェルのお母さんはフェルを見て何か納得したかのように言葉を紡ぐ…。
「良いかもしれない…て何がですか?フェアリーガーデンは今平和ですよね?」
「ええ、フェアリーガーデンは今は平和ですよ、何かしらの侵略者とかは居らず、皆のびのびと生活しています…私が良いと言ったのはフェルと貴方が妖精としてもう1段階上に行く為の試練を受けても良いと思ったのです…フェル、最近自分の限界を感じてませんか…」
「そ、それは…」
フェルの言葉が濁る…え、限界感じてたのか?
というか試練とかあるの??
「試練てどんな試練なんだ?自分も参加して良いのか?」
「どんなと言われても妖精によって内容が変わるので説明は出来ませんが…試練の場所を示す事ならば出来ます」
フェルのお母さんはそう言うと人間の片手の中に収まるくらいの大きさのコンパスを取り出して自分に渡してくれた。
「これは妖精の試練の場所を指し示す羅針盤です」
コンパスじゃないんだ、という言葉を飲み込み話しを聞く。
「己の強さの壁にたどり着いた妖精が持てばその強さの壁を越える為の場所を示す羅針盤です、フェルこれを使って試練を乗り越えなさい」
フェルのお母さんの言葉にひとまず羅針盤を見る、羅針盤はくるくるくると回っていて方角を示さない、自分だと使えないのかな?それとも人化解除したら使えるのかな?
「フェル持ってみてくれ」
「はい、わかりました………」
取り敢えずフェルに渡してみる、フェルは羅針盤を受け取ると、あっちにふわふわ、そっちにふわふわと飛んで、自分の体を一周してから羅針盤にしまった。
なにかわかったのかな?
「……お母さん、これって受けないと絶対に強くなれないの?」
「絶対と言う訳では無いけれど、最短の道よ、難しいと思うのなら暫く持っておくと良いわ、お母さんはもう使わないからね」
「ありがとうお母さん使わせて貰うよ」
「しかし妖精が慌ててレンナ殿達を呼んでたから戦いがあるかと思っていたよ」
フェルとフェルのお母さんの会話を聞いてそんな感想をこぼすナナサカさん、出来ればフェアリーガーデンで戦闘は勘弁して欲しいものだ、他の妖精が怪我する可能性もあるからな、本当に戦闘があって、ナンバークエストじゃなければナナサカさんの力で速攻で薙ぎ払って貰いたいくらいだ。
「それでフェル、今日は暫く居てくれるの?」
「え、それはー…」
フェルは言葉を濁らせ、ナナサカさんと自分を見る。
本来ならナナサカさんに前の日に失敗した必殺技を見せる予定だったのが、今はTTの都合で後ろ倒しになっているのだ、これ以上後ろ倒しにしたら良くないとフェルは思っているみたいだな。
「あー気にするなフェル殿、家族との時間は優先するべき事だ、その試練というのも気になるし、2人の必殺技体験は後日で構わない」
ナナサカさんもフェルの目線の意味を察したのかそう言うとフェルはありがとうございます!と頭を下げた。
「じゃあちょっとTTにひと声かけてくる」
「それはメッセージ飛ばせばいいだけの話では?フレンドなんだろ?」
「あ、そうだった…」
フレンド画面からTTにメッセージを送ると、じゃあ城に行きたいけど何処にある?と返事が来たので、迎えに行くから入口で待ってろと送る。
「ちょっとTT迎えに行ってくる、ナナサカさんは城でも見学してます?」
「ああ、城の中で滞在しておくよなんかあっても妖精達の味方であるから安心して迎えに行きな」
「ありがとうちょっと行ってくる」
フェルとナナサカさんを城に置いて、自分はTTを迎えに行くのだった。