友達の友達は気まずい?
「おー同行者てフェアリーパーティーの時に来ていた格闘家か、どうもナナサカです」
「ど、どうも…すみませんレンナをお借りします」
TTと合流するとTTは自分を引っ張り、ナナサカさんと距離を取ることになる。
「レンナ、なんであの人も来ることになっているの!?」
「別にいいだろ、悪い人じゃないよ、ナナサカさんは昨日も色々と助けて貰ったんだよ」
「え!?でも噂では色んな人に決闘を叩きつけては切り捨てている人だよ?本当にいい人なのか…?」
「いい人ですよ、少なくとも嫌という人を斬るような人じゃないですよ」
怪しげな眼でナナサカさんを見るTTにフェルが擁護する。
「あ!思い出した、あんた双極の絶対覇者で俺を羽交い締めしたガッツある人!」
そんな中ナナサカさんが大声をあげる…え、双極の絶対覇者てナナサカさんとリーダーさんが他のプレイヤーを相手にレイドバトルをしてたイベントだっけ、参加してたのTT!?
「うそ、覚えられているのかよ!?2秒しか拘束できずにバッサリ殺られたのに!?」
「ああ、レイドバトルで2秒も隙を生み出すかなりファインプレイされたからな、リダのフォローがあったから助かったが、装備とか変わってて気付くのに時間がかかった…」
2秒…戦闘では大きな隙だな、しかもハイレベルの戦いになるほど2秒隙は致命的過ぎるだろう。
「これはこれは…レンナ殿の友人ならあれから更に強…」
「駄目ですよナナサカさん、変な誤解を晴らす為には無闇に決闘したら駄目ですよ」
「わ、わかった…」
フェルに注意されてナナサカさんは引き下がる、さっきの言葉の続きが何となく予想できた、強いんだろ、決闘しないか?だろう…。
「装備も変わってレベルも上がったのに、勝てるビジョンが見えない」
ナナサカさんをみてそんな事を口にするTT、装備はともかくレベルに関してはナナサカさんもレベル上限上がる度に上限まで上げてそうだからレベルで差は生まれることは殆ど無い気がするような…?
「まあ、それよりもフェアリーガーデンに行くんだろ?ほら行くよ」
取り敢えずTTの頼みを終わらせる為に移動を促す、決闘の流れになったらTTの頼み所じゃなくなってしまいそうだからな。
移動中、特にトラブル無く…いや10人組のPKにあったけど、特に問題なくフェアリーガーデンにたどり着くことが出来た。
いや本来なら10人組のPKとか危険なんだけど…うん、全部ナナサカさんが1人で嬉々として片付けちゃった…しかも刀を抜かずに鞘と素手だけでフルボッコだった。
見ていたTTがやっぱり戦闘狂?と聞いてきたが自分は苦笑いすることしか出来なかった。
「うーん、ここに返ってくると何だ落ち着きます…」
フェアリーガーデンの空気を吸い背伸びをするフェル。
「それじゃあ早速写真を取らせてもらうよ」
カメラを取り出して花畑を取るTT。
「こっちはフェルのお母さんに会いに行ってくる、30分後ここの魔法陣前集合でいいか?」
「ああ、良いぞ」
TTを置いて、移動を開始する、ナナサカさんはこっちについてきた。
「うーん、相変わらず平穏だな…花が多くて、戦う気が無くなるな…」
「戦わないでください、ここは戦うところじゃないですよ、お花は私達の生活に必須なんですよ」
ナナサカさんの言葉に冷ややかな目でナナサカさんを見るフェル。
「生活に必須…でもユリのマイホームに花てあんまりなかったよな?フェルは大丈夫なのか?」
「ユリのマイホームには代用品になる物が沢山あるので、生活には困りませんよ…まあ、少しばかり物が大きいから取り回しが難しいですが…」
そんな軽い会話をしていると、1人の妖精が飛んできた。
「あ、本当にフェルが帰ってきたんだ!ちょっと城に来てー!」
少し慌てた様子で城に向かって飛ぶ妖精、なにかあったのか?見た感じ危機があるという感じはしなかったが。
「レンナさん、少し駆け足でお願いして良いですか?」
「ああ、なにかあったのかも」
「お?何事だろうな?レンナ殿、フェル殿念の為気をつけていこう」
なにかトラブルが起きてなければ良いが…そう思いながらナナサカさんと共に駆け足で城へと向かうのだった。