TTのお願い
次の日、ファンタジーフリーダムにログインする前にスマホに連絡が入る、高田からの連絡だ。
『すまん錬那、ファンタジーフリーダム内で助けて欲しい事があるんだ、力を貸してくれないか?』
『なんだ?武器を作って欲しいのか?後日でいいならやるけど…』
『いや、武器じゃないんだ、ともかく頼む!最初の町の入口に来て欲しい!』
『…わかったわかった、行くから待っててくれ』
数少ない友達の誘いは断れない、ひとまず受ける事にする、時間がかかるならナナサカさんに待ってもらったりする必要があるが…時間のかかる用事じゃないことを祈りながら、自分はファンタジーフリーダムにログインするのだった。
「おーい、こっちだレンナ!来てくれてありがとうな!」
フェルを胸ポケットに入れて、高田…TTと合流する。
「どうかしたんですか?TTさん、レンナさんが急に呼び出されたと行ってましたが」
「実は絶景写真を取る必要があって、それでフェアリーガーデンに連れて行って欲しいんだ、あそこは現状レンナしか行く手段を持ってない所、そこから誰にも被らない絶景が取れるはずだ」
「なんで絶景写真を取る必要があるんだ?」
「クエスト…依頼だよ、写真を取る大会に出ているんだ、他のプレイヤーも参加しているからしっかりやらないと入賞も厳しいからな、だからレンナの力を借りることにしたんだ」
フェルの質問に答えていくTT、そんな中気になった事を聞く。
「絶景てお前は龍の力を使えば空飛べるだろ、その状態で高所から写真取ればいくらでも絶景取れるんじゃないのか?」
「飛行は別に俺専門特許じゃないからな、中級レベルの魔法使いなら飛行魔法使えるから、戦闘しないならそこそこの人数のプレイヤーが上空から写真を取ることが出来るんだよ、だから俺は殆どの人がこれなさそうなフェアリーガーデンで写真を取りたいんだ、あ、勿論妖精は取らないよ、妖精が写った写真を出したら確実にトラブルになるからな」
うーん、そう言う事ならフェアリーガーデンに案内してもいいかな、TTは長い付き合いでわかっているが、口は堅い男だ、他の人に下手なこと言って、フェルや妖精達に危険が及ぶ可能性はかなり低いだろう。
「わかった、その前に先約に少し遅れるとひとこと伝えに行ってきていいか?」
「え、先約いたの!?」
「ああ、ちょっとナナサカさんに少し送れると行ってくる」
「え、あのそれなら先約優先した方が良いじゃねーか…?あの決闘狂いの機嫌損ねたくないんだが…」
ナナサカさんと聞いて慌てているTT、別にナナサカさんは待たされただけで機嫌を損ねるような人じゃないから、そこまで慌てなくて良いのにな…。
「じゃあ伝えてくる!そこで待っててくれ!」
「え、まっ」
近くにあった移動用魔法陣を使い、工房に移動すると、既にナナサカさんが待っていた。
「やっほーレンナ殿、必殺技の準備は出来たか?」
「あ、ナナサカさん、その事に関して何だが…」
ナナサカさんに事情を説明する、するとナナサカさんはこう答えた。
「なら俺もついていくよ、暇だしなー」
ナナサカさんもついて来ることになった、確かに一緒に行動したほうが効率的かもしれない。
「わかった一緒に行こう、でも同行者はナナサカさんを誤解というか警戒しているから決闘とか仕掛けないでね?」
「わかった、警戒や誤解をといて仲良くなったら決闘を仕掛ける……冗談だからそんな目で見るな2人共…」
「冗談に見えなかったです」
フェルの言葉に同意するように思わず頷いてしまう。
「あはは、似たような状況でリダにも同じようにいわれたな…まあ、うん、大人しくするから安心してくれ」
ナナサカさんは気まずそうにしながらも同行することになった、ひとまずTTの所へ向かおう。