必殺技大爆発
あれ?魔法陣じゃないのか!?と思った時には視界は真っ白になってから、吹き飛ばされる感覚と2度程ダメージを喰らい、視界が真っ白でも見えてた視界端に浮かぶ自分のHPバーが消し飛ぶ。
何がなんだかわからない状態で数秒したら、ユリのマイホームでリスタートしていた。
「…………え?」
状況が読み込めない、なんで自分は死んだんだ?
ナナサカさんに斬られた?いや、ナナサカさんは今回攻撃しないと明言しているし、それを破るような人ではないのは知っている。
「も、もしかして自爆した?」
妖精火門含めて妖精門の技は必ず魔法陣が展開される、それなのにさっきは武器が光り輝いていた、本来とは異なる挙動だ…。
「て、それよりもフェルは!?」
胸ポケットにはフェルが居ない、そうだ、フェルは死んだら生き返らない…。
いや、落ち着け、フェルの防具には1日1回ファイナルターミナルというHPが0になっても1だけ回復して数秒無敵になるバリアが展開される、し、死んではないはずだ。
でもファイナルターミナルが発動するということは死にかけていると言うことだ、もしもさっきの自爆でナナサカさんも死んでた場合…。
背中、背筋がゾッとする、すぐさま自分は駆け出す、さっきまで居た所に!
「ナナサカさん!ナナサカさーん!!」
街を出て、大声で叫んでいると、返事が帰ってきた!自爆した所から結構離れた所かつ、遮蔽物がある所から聞こえた!
「おーい、レンナ殿!こっちだ、彼女はファイナルターミナルで無事だから安心してくれ!」
聞いて思わずへたり込む、良かった自爆でフェルを死なせたら………もう想像もしたくない…。
精神的に疲れてこのままへたり込みたいが、自爆した件でフェルやナナサカさんに謝らないといけないので、2人の元に近付く。
近づいたらわかったが、ナナサカさんの和風で浴衣みたいな防具の所々が焼けたように黒くなっている、ナナサカさんにも自爆の影響があったのか…。
フェルの方はナナサカさんが薬を使って手当してくれたのか傷はないが、防具であるジャケットが半壊してインナーが見えている…。
「ごめんなさいレンナさん!せっかくの防具とネージュフラワー、駄目にしてしまいました!」
フェルはこちらを視認次第、泣きながら頭を全力で下げた!
その両手には真っ二つに折れたネージュフラワーがある。
「いや、それよりもフェルは大丈夫か!?痛くなかったか!?」
「そこは大丈夫ですが…装備が……」
「…装備は……まって、フェルの杖が駄目になったということは…」
慌てて火光とアースキーをアイテム一覧から探して取り出すと…見るも無惨な武器が現れた…。
火光は真っ二つに割れていて、アースキーは先端がバキバキにひび割れている。
「あーやっぱりそうなってたか、はい、折れた火光の先端、自爆地点においてたぞ」
ナナサカさんが折れた火光の先端を渡してくれる。
「自爆してしまったとはいえ…ど、どうしてこうなった…」
ショックで膝をついてしまう…今更気付いたが、自分の防具はズボンは無事でもコートがズタボロで鑑定すると中破と出て来た…。
火光とアースキー、ネージュフラワーは大破だ…やばい、ショックがでかい。
「どうしてこうなったかは推測になるんだが…多分本来は合体技として発動する予定だったが、レンナ殿が動揺してタイミングがずれた事によって合体技が暴発したと思われる」
ナナサカさんは真剣な顔で推測する。
成る程、確かに動揺してアクティベーションの言葉がフェルとあってなかった…それが原因か…。
ああ、今は落ち込んでいる場合じゃない!
「こ、これ直せるのか…いや、直せるとしても修理に必要な素材を取ってこれない…」
「素材に関しては俺に任せてくれ、ほぼ全ての素材は取ってこれるからな、ほらフェル殿も顔を上げな!」
落ち込んでいるとナナサカさんが元気づけてくれる。
「それでどんな素材が必要なんだ?」
「わからない…工房に行って鍛冶設備にセットすればわかるはず…」
「なら早く工房に行こうぜ!」
こうしてナナサカさんに引っ張られるように工房に戻るのだった。