最終奥義発動!?
「まさか開始直後凍るとは思いませんでした…」
氷漬けから開放されたフェルはため息をつく。
「熱いはずの鍛冶で氷漬けというのもギャグだけどな、ともあれ無事で良かった」
クスクスと笑いながらも安堵するナナサカさん。
まあ、端から見たらやばい儀式に見えてもおかしくはない、ともかく完成したネージュフラワーの性能を確認する。
『ネージュフラワー
属性:氷
ステータス:攻撃力+1、魔法力+51
特殊効果:MPタンク(450/450)、魔法のスピードアップ(中)、補助魔法強化(中)、歌上手(少)、装備制限:フェル、レンナ
特殊スキル:妖精氷門、妖精風門、ユキの魔術
レンナとフェルが協力して作った妖精門の鍵、形状は純白の杖、2つの記憶結晶が使われていて、かつてフェルに魔法を教えていた女性が持つ数多の魔術を扱えるようになる。
また、妖精の故郷に繋がる鍵となる。
妖精は強さを求める、どこにでも付いていけるように天でも地でも。
1回深化済み』
うん、かなり強くなったみたいだ、補助魔法強化が付き、ますますフェルの力が頼もしくなる。
数日前暇な時にシンクロスキルの効果でフェルの習得している魔法、汎用性の高さからお世話になっているオールアップを自分で使ってみたがフェルのスキルの影響か、アルカナカードの影響かはたまた両方か、かなり効果や効果時間に差があったからな…。
と、それよりも目玉なのは…妖精風門か…妖精門のスキルて1つの武器に2つ付くんだな。
「レンナさん、試し撃ちしたいです!」
「じゃあ俺が的役をしよう、暇だしな」
「暇で的役はやる物じゃないと思うんだが…」
「まあ、的役と言っても倒れる気はないからな、全部斬る」
「全部斬ったらフェルの試し撃ちにならないだろ…まあ、やりたいなら止めないけど」
ナナサカさんの的役発言に少し引きつつも、ネージュフラワーの試し撃ちの為に街の外に行く、勿論と言わんばかりにナナサカさんが付いてくる。
「で、本当に的役やるのか?」
「ああ、そこら辺の雑魚相手だとイマイチ試し撃ちのしがいないだろ」
ナナサカさんはそう言うと決闘の申請をする。
いつもの決闘条件だが、勝利条件に相手が降参するという項目が追加されている、本当に戦う気はないみたいだ。
取り敢えず知り合いとの決闘で失うものがないので気楽に受ける、それによって自分とナナサカさんを囲うように他者に干渉されなくなるバリアが展開される。
「ナナサカさん相手だと逆に格上過ぎて試し撃ちになるかわからないけど…やってみます!」
「おう、死んでも生き返るからありったけの技見せてこい、フェル殿!ついでにレンナ殿も新たな必殺技が撃てるなら撃ってきても構わないぞ、今回の決闘の間は絶対に攻撃しないから安心してな」
フェルがやる気を出す中、オメガコアの重刀を構えて飛んでくる攻撃に備えた迎撃態勢を取るナナサカさん、間合いに入れば斬られてしまいそうだ…。
というか自分も攻撃していいのか、なら…。
「フェル、妖精地門と妖精火門同時発動を試みてみる、せっかくだ、風門でも氷門どっちでもいいから同時に撃ってみて欲しい」
「わかりました、レンナさんに合わせてみます!」
フェルと相談して、同時攻撃をしてみることにする、普通の人相手ならやりすぎオーバーキルかもしれないが、相手はナナサカさん…仮にダブルアーツで2つの必殺技同時発動+フェルの妖精風門か妖精氷門が発動しても大ダメージを与えられるか怪しい。
それでも物は試しだ、ナナサカさんの胸を借りよう、えーとメニュー画面からスキル一覧を選べばわかるかな…あったあった、ダブルアーツの使い方は…成る程、ダブルアーツと叫んでから同時発動したいスキル名を2つ言ってからアクティベーションと言えば良いのか。
「フェル行くぞ!」
「はい!」
火光とアースキーを手にありったけの力を込めて叫ぶ。
「「ダブルアーツ!」キャスト!」
「妖精火門、妖精地門!」
「妖精氷門、妖精風門!」
「ア、「アクティベーション!」」
最後で思わず動揺した、フェルがまるで自分と同じスキルを使ったように動いたからだ、だがダブルアーツは二刀流の技、杖1本持ちのフェルは使えない、でもキャストて!?なんかリーダーさんから伝授された!?そう思った時、火光とアースキーから強烈な光が発せられた!