投げろ、アースキー!
サンダーバードは何度も咆哮をすると、風が強まり、自分達の頭上に沢山の魔法陣が展開される。
「フェル、頭上注意だ!」
「わかりました!」
フェルが素早く動き、魔法陣から放たれた雷を自分を抱えて回避する!
だがサンダーバードの攻撃は止まらない、頭上の雷を開始している自分達に突撃してくる!
「フェル急上…」
フェルに指示を飛ばす前にサンダーバードの突撃が自分達に激突する!
「ぐわああ!?」
「きゃあああ!?」
なんとかアースキーで防御しようとしたが、体格差で殆ど効果を実感出来ず、吹き飛ばされてHPが4割ほど削れる、それと同時に背中から抱きついていたフェルが衝撃に耐えられなくてバラバラに吹き飛ばされる!
「フェル!?ぐう!?」
なんとか自力で飛行しようとするが、風が強すぎて満足に飛べない、多分自分の空中姿勢制御のレベルが暴風吹きすさぶ現環境だと不足だからだろう…。
「レンナさん!」
フェルがなんとかこちらと合流しようと飛ぶが、暴風で自分がその場にとどまれずに流されている為にすぐに距離は縮まらない!
そんな中サンダーバードが雷を放たんと咆哮する、風に流されながらもサンダーバードの展開した魔法陣を確認する、その魔法陣の角度的に狙っているのはフェルだ!しかもフェルはこっちを見ていて、サンダーバードに狙われているのに気づいていない!
アースキーのダメージ肩代わりは確か3メートル!この距離だと……く、妖精状態での距離感がわからない!
「アースキー、フェルを守ってくれ!」
一か八かのアースキーを投擲、空中なので上手く投げれた気はしないが、投擲術の力かアースキーはフェルの真横を通り過ぎて、フェルの背後を貫かんとする雷を打ち消してくれた!
凄いな暴風で変な所に飛ばずに飛んでいった。
「レンナさん!」
妖精の祝福でアースキーが手元に戻ってくると同時にフェルが自分の背中に抱きついて運搬してくれる。
「すまん、助かった…自分だけだと暴風に流され続けてしまうな…」
「こっちこそ助かりました、さっきアースキーで守ってくれてありがとう!」
「ああ、無事で良かった」
さっきの投擲の意味を把握してたみたいだ…というか自分ながら危ない賭けだった、暴投してたらフェルが危なかったぞ…。
早く決着をつけないと!あ、そうだ!日暮れ斬を使えばサンダーバードの背後を取れないか?
「日暮れ斬!」
火光とアースキーの二刀流状態で使うが、サンダーバードの背後に移動できない…距離があるからか?
「フェル、なんとかサンダーバードに近づけないか?」
「やってみます!」
スピードを上げて、自分をサンダーバードへ運んでくれるフェル、ある程度近づいたらサンダーバードが咆哮する!
「日暮れ斬!」
魔法の雷が放たれる前に日暮れ斬を使う、すると効果範囲内だったのか一瞬でサンダーバードの背後に移動する。
「これで終わりだ!妖精火門!だりゃあ!」
妖精火門を使い、更にアースキーを投げる!アースキーはサンダーバードの背中に突き刺さる!サンダーバードが背後を振り向く頃には日暮れ斬の効果は終わり、自分達は居ない。
「燃えろー!」
妖精火門で現れた赤い魔法陣から炎が吹き出しサンダーバードを燃やす、その間にアースキーが妖精の祝福で戻ってきたので、再度投げる!
アースキーは炎の中に消えていったが、なにかがぶつかった音がした為にヒットしたはずだ…。
妖精火門で生じた炎が消える頃にはサンダーバードは消えていた…。
それに伴って暴風が止んだ。
「な、なんとか終わったか…助かったフェル」
「いえ、力に慣れて良かったです!」
移動がフェル頼りになるというのは中々大変だな…でも自分だけだと暴風の影響で満足に動けずに雷を浴びまくって負けてただろう。
「あ、サンダーバードの羽手に入れた…」
『レンナのスキル二刀流と加速がレベル10になりました、結合進化が可能です』
かなり危うい戦いだったが、色々と実入りはあったな…。
「目的の天の風大輪も手に入ったし、帰ろうか」
「はい、レンナさん!このまま運びますね!」
「え、まっ」
止める間もなく自分は転送用の魔法陣までフェルに運ばれるのだった。
止めたかったけど、フェルが楽しげに飛んでいたので止めるに止めれずに自分は運ばれるのだった。