VSサンダーバード
サンダーバードは起き上がると、雄叫びをあげる、それが魔法を唱える行為だったのか、辺りに落雷が落ちる。
結構でかい成人男性並みの大きさだ。
「レンナさん!天の風大輪を!」
フェルがテレキネシスで天の風大輪を手元まで引寄てくれる、それをキャッチしてアイテム一覧にしまう。
「逃がしては…くれなさそうだな」
サンダーバードは完全にこちらを見ている、捕食者の目つきだ。
「レンナさん!戦うしかありません!」
「フェルのスピードじゃ振り切れないか…」
「流石に雷の速度で動きそうな鳥は振り切れません!来ます!」
キン!と風を斬る速度でサンダーバードが雷を纏って突撃してくる!
アースキーで防ごうとするが、空中なのと体格差でアッサリ吹き飛ばされる。
「きゃあああ!?」
「ぐうう!?」
視界が高速回転して、キュッと止まる、フェルが踏ん張ってくれたみたいだ。
HPは4割位は減ってしまった…体当たりを防ぐだけでこれだけ食らうとは…直撃だけは避けなければいけない…。
「オールアップ!リジェネレート!ブレイブハート!スタンガード!」
フェルが支援魔法をかけてくれる。
「フロートシューズて空を歩けるようにはならないのか?」
「フロートシューズは地面から僅かに浮く魔法です、地面がないこの状況だと意味ありません」
そんな甘くないか…飛翔薬を飲んで人化して戦った方が良さそうだが…サンダーバードがそんな隙を許すとは思えない。
考えていると、再びサンダーバードが咆哮する、するとサンダーバードの周囲に魔法陣が現れてこちらに向かって雷が投射される!
「マジックリフレクト!」
フェルの魔法で雷はサンダーバードに反射されるが、サンダーバードは回避せずにその雷を受け入れる、ほぼ…いや、ダメージはないみたいだ。
「火の刃風の刃!」
火光から火の斬撃波を放ち攻撃する、だが足で地面を踏ん張れない影響か弾速が遅い!
案の定サンダーバードは火の斬撃波を回避して再び突撃してくる!
「2度は喰らいません!」
フェルが気合を入れてギリギリで回避してくれる、それによって限りなく近くサンダーバードと接近する!
「ここだ!」
このチャンスを逃すわけにはいかない、もう一度火の斬撃波を放つと、火の斬撃波はサンダーバードに直撃する!
「よし!上手く行った!」
「でもまだ倒せてませんよ!」
「ああ、何度も叩き込んで勝つぞ!」
火光の一撃を喰らい、苦しむサンダーバードを見て手応えを感じる。
それと同時に再びサンダーバードが咆哮する、また雷が飛んでくると思ったら、暴風が吹きすさび、自分達は吹き飛ばされる!ダメージは無いが、満足な飛行が出来ない…これじゃあ戦闘所ではない!
「フェル無事か!?」
「な、なんとか…でも風が強くなって移動しにくいです!」
フェルが満足に飛べない状況…フェルのサポートがなければ自分は何も出来ずに暴風にもみくちゃにされてただろう。
「サンダーバードはこんな暴風でも飛べるのかよ!」
「飛べるみたいですけど…スピードが落ちている感じがします!」
サンダーバードのスピードが落ちたとしてもフェルのスピードが落ちるから意味は…いや、上手く立ち回れば攻撃のチャンスが増えるかもしれない!
「フェル、サンダーバードから距離を取ってくれ、突進を誘発したい」
「はい!わかりました!」
フェルがサンダーバードから距離を取ると、再びサンダーバードが咆哮する、嫌な予感がする!
「フェル!横回転!」
「はい!」
ギュン!とフェルが回転して、運ばれている自分の体も回転する、それによってサンダーバードが見えたのだが、サンダーバードの眼の前に巨大な魔法陣が出てきている!
「アースキー!」
もう一回転した時にはアースキーをサンダーバードに向かって投げる、それと同時にサンダーバードの魔法陣から巨大な雷が放たれる!
だがアースキーは巨大な雷を打ち破り、サンダーバードの翼に深々と突き刺さった!
……まさかアッサリとアースキーが打ち勝つとは思わなかった、そう思っていると、アースキーは激しく苦しむサンダーバードから抜けて、妖精の祝福の効果で自分の手の中に戻ってきた。
成る程、そう言えばリーダーさんとの修行の時も雷魔法を防いでいたな…あんまり意識したことないけど属性的な有利というやつか!
空だと地面に突き刺す必要がある地門とかが使えなくて、アースキーは不利だと思ったが、きっとサンダーバードを倒す鍵はアースキーだと確信した!