おまけ2、ヒートウィングは危険な羽!
ある日、ユリのマイホームにて。
「そう言えば精神世界といえば良いのかな、天使長戦の時にフェルはヒートウィングを使っていたよな、今も使えるのか?」
「どうでしょう…?いえ、使えるはずです!」
「いや、無理に使って火傷したら大変だし…」
「いえ、使えると分かれば今後火の魔法と使える可能性が出てくるので、やってみます!カギロイみたいに!ヒートウィング!」
フェルの言葉に反応してフェルの妖精の羽に炎が纏う…最初は問題なく行けたか?と思ったが、すぐにフェルの表情は歪んだ。
「あっつ、あっちゅ!?ああああ!」
「ちょ!?フェル!?」
急いでHP回復薬を取り出して、フェルの羽にかけて回復と火の消化を試みる、するとアッサリと火は消えてくれた。
「うう、リジェネレート…」
自分に継続回復の魔法をかけて回復するフェル、焦げた羽がじわじわと綺麗になっていく。
ひとまず一安心かな…。
「全く、そんな体張らなくても…綺麗な羽をしているだから大事にしなよ…焦がれた羽を見ると悲しくなるよ」
「…ごめんなさい」
しょぼんと落ち込むフェル…ちょっと言い過ぎたかな…と思ってしまう、注意するて難しい…。
「うー…どうしてあの天使長との戦闘時はヒートウィングを使っても痛くなかったのかな…?」
「うーん、あの時と状況が違うからじゃないか?」
あの時は精神世界と言うか良く分からない空間に居たからな…精神状態というか実際の肉体はヒートウィングを使った訳じゃないからな。
「むー…火の力を完全に体得できればもっとサポートの幅が増えるんですが…」
「でも一番苦手な力なんだろ、ただでさえ鍛冶する時火の側でいて暑い思いさせてるのに…今まで通り氷の魔法の力を磨いていった方がいいんじゃないか?練習の度に火傷していたらこっちは悲しいよ」
「……そうですね、もう少し得意な分野で頑張ってみてみます、でも念の為にレンナさんもヒートウィングを使ってみてもらっていいですか?」
「うん?いいよ、人化解除、ヒートウィング!」
妖精の姿になり、ヒートウィングを使い、背中の羽に炎を纏う、ふと近くにある鏡を見るとそこには白銀の羽に炎を纏った妖精と同じ大きさの自分…レンナがいた。
「背中に熱を感じるけど熱くない…」
飛行してみると予想以上に体が浮かび上がり、少し体勢を崩すがすぐに立て直す。
「あぶな…もう少しヒートウィングを使いこなせるように頑張らないとな…」
「むー……リジェネレート、スリップガード、ブレイブハート、オールアップ、ヒートウィング!」
「フェル!?」
次は強化魔法を使った後に再びヒートウィングを使うフェル。
「む………くう………」
先程よりダメージは減っているみたいだが辛そうだ。
羽もじわじわと黒くなり始める。
「フェル、無理は駄目だ!というかそんな無理して発動しても戦いじゃ使えないだろう!」
「うう……」
なんとか浮かぼうとするが、限界を感じたのか羽の火を消して膝をつくフェル。
「あーもう、無理するから…そういえばアイスウィングとかはないのか?」
「ヒートウィングはカギロイの得意な技で氷バージョンは少なくとも見たことありません…」
うーん、ヒートウィングの氷バージョン、アイスウィング、もしくは比較的使いやすい属性のウィングがあればフェルが無理してヒートウィングを習得しようとしなくなるんだけどな…。
いや、火の力をコントロールしたいから結局ヒートウィングを習得するのかな。
「……ヒートウィングの習得は諦めます…やっぱり火の力を振るう才能はないみたいです」
「そうだな、長所を伸ばしていこう」
良かった、無理して不得意な力で大怪我したら悲しいからな…得意な分野を伸ばしていこう。
こうして日常の1日は過ぎていった。