境界を超えて紡ぐ絆
ヴォルゲの家に戻るとそこには誰も居なかった…。
「エアデ?」
ヴォルゲが困惑の声を上げていると、ヴォルゲのベッドの下からエアデが出てきた。
「お、おかえりなさい…」
「エアデ!?なんでベッドの下に!?」
「料理している時に知らない天使が入って来そうになったから怖くて隠れていたの…ドアとかガンガン叩いていたし…ある程度したら帰っていったけど…」
狼狽するヴォルゲにエアデが説明する…ドアが破られなくて良かったな…もしかして天使長に洗脳された天使が来ていたのかな?
「………この家のドア凄いな、試しに刀で攻撃しても傷付かないとか何で出来ているんだ?最強の盾ななるんじゃないか?」
ナナサカさんがオメガコアの重刀でドアを斬りつけるが、ドアには傷はつかない。
「ぐっすりと寝る為に最高のセキュリティの部屋にしたけど…予想以上のセキュリティだったんだな…」
「ナナサカさん何やっているんだ…」
「刀しまえ馬鹿刀神!ピコハン!」
味方の部屋のドアを攻撃する必要あるのかと思っていたらナナサカさんはリーダーさんにピコン!と叩かれた。
「刀神様は放っといても自力で脱出出来てたのではと思うくらいに元気ですね…」
「まあ、こいつなら最悪時間をかければ脱出しそうだけど、そうなった場合、堕天した天使長が暴れまくって天界がボロボロになってしまうからね…取り敢えずお前は宴の材料買ってこい」
エアデがナナサカさんを冷ややかな目で見ている。
リーダーさんはさり気なくフォロー?しつつナナサカさんを買い出しに出させる。
「へいへい…一通り買ってくるよそれじゃあ行ってくるよ」
刀神の権能を使ってその場から人間界にワープするナナサカさん、そんな中エアデはおずおずと料理で作ったのかフルーツケーキを取り出す。
「なにはともあれ捕まっていた刀神が呑気にヴォルゲの家のドアを斬りつける程度には完全解決したんですよね?これ、フルーツケーキ作ったんだヴォルゲ…あげるね、2人にもどうぞ」
ヴォルゲに大きなフルーツケーキを渡した後、そこそこの大きさのフルーツケーキをこちらに渡してくれた。
「こんな大きなケーキ作ってくれたのか!?凄いな、うちにあった材料だけでこんな凄いのが出来るなんて!流石エアデ!」
ちょっと贔屓を感じるが、別にそこそこの大きさのケーキでもフェルと分け合っても十分なので目を輝かせているヴォルゲを温かい目で見る。
リーダーも同じ気持ちなのかヴォルゲを温かい目で見ている。
そんな中ナナサカさんがヴォルゲの家のドアを開けて帰って来る。
「高級な肉に新鮮魚介に野菜!一通り買ってきたぞ!リーダー料理を頼むぞ!」
色々と買ったのかハイテンションなナナサカさん、散財したからテンションハイになっているのか?その場にドサリと沢山の肉や魚が置かれる。
食い切れるか?と思うくらいの量だが、ゲームだから食材腐らないのかな?もしくは料理したら小さくなるとか?
「あー料理なら今は料理人のエアデがいるからエアデ任せるぞ」
「え、えーとこれを料理に使っていいの…?」
びっくりしつつも大量の食材に料理人の血が騒いだのか、少しウキウキした声で確認する。
「ああ、使ってくれ、君にも迷惑かけたみたいだからな」
「わかりました!」
ナナサカさんに言われてウキウキで料理するエアデ、するとあっという間に大量の食材に見合った料理を完成させた。
するとリーダーさんはオレンジジュースの入ったコップを全員に配る。
「よし、それじゃあ乾杯しようぜ、刀神救助と…天界にいた堕天使を撃破して天界が平和になった記念に…カンパーイ!」
リーダーさんの声に人それぞれに乾杯の声を上げる。
すると目の前にシステム画面が現れた。
『称号:境界を超えて紡ぐ絆を得ました』
驚いて居るとリーダーさんの眼の前にもシステム画面が現れていた。
「もしかしてフェアリーガーデンでお前が手に入れた称号てこれか?習得条件は4種族以上で友好的な状態で遊びか娯楽を行うか…成る程、人、神、妖精、ドワーフ、天使で条件を満たしたのか…これ俺等以外で習得出来なくないか?」
リーダーさんが興味深そうに言葉にする。
…やっぱりナナサカさんは自分と同じく人外カテゴリになっているのか。
「お、よかった…称号獲得出来たんだな、宴を開催してよかった」
自分達を見て満足そうなナナサカさん、もしかしてこの称号の為に宴を主催したのか…。
そんなナナサカさんに感謝しつつ宴の料理を味わうのだった。
「楽しいですね!レンナさん!」
「そうだな…これからも楽しい時間を過ごしたいものだな」
そうフェルと言葉を交わした時、眼の前にも紫色の石が現れた!
称号:境界を超えて紡ぐ絆
パーティーメンバーに自分とは異なる種族が居る時に全てのステータスが僅かに上がる。
世界の創生者の想定を超えてゆけ!