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鍛冶屋の息子、MMORPGにはまる  作者: リーフランス
冬の物語

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神刀と選択肢

体は勝手に日暮れ斬を放つ前の所に戻る。


「リーダーさん、これ鍵です!」


フェルがテレキネシスで浮かしていた鍵束がリーダーさんの手に渡る。


「ナイスだフェル!敵の服の紐をちぎって鍵を奪うとは、随分テレキネシスの力が強くなったじゃないか!」

「レンナさんと沢山冒険したお陰です!」


エヘンと胸を張るフェル、かわいいけどフェルにもレベルとかあるのだろうか?どちらにせよ成長しているのは確かみたいだ。


「くそ!くそ!良くも我が純白の羽に傷をつけたな!」

「いや、幻術かけているだけで真っ黒だったろお前の羽」

「うるさいうるさいうるさい!!!殺す!てめーらは殺す!!!」


天使長ワンストはなにかを取り出す、それは大きな刀だった………まって見たことないけど心当たりがある…咄嗟にリーダーさんを見ると、その表情は物凄く嫌そうな顔をしていた、まるであの刀に斬られたら経験があるみたいに…。


「神刀…ナナサカから権能奪ったということは神刀も使えるわな…」


リーダーさんが刀の名前を呟く、それで確信した、あれがナナサカさんの本気の刀だと…その刀の効果はナナサカさんから聞いたことがある、ファンタジーフリーダムはゲームの設定で痛覚の大幅な緩和や痛覚オフの設定が出来る…だがあの刀で斬られたら痛覚オフの設定なら、ダメージ判定=確定即死、痛み無くリスポーン、痛覚あり設定ならなら即死はしないが痛みがダイレクトに来る…対人戦では禁じ手として使わないようにしているてナナサカさん言っていたっけ…。


「あれって斬られたらダイレクトに痛みが来る刀だよねゲーム的にはいいのか?ショック死とかしない?」

「告知なしとかなら良くないけど、ゲームの利用規約でそういうのは知らない場合は警告してくるようにはなっているよ、その警告を無視して進む場合は自己責任…俺等もそれで問題ないゲームプレイ時に同意しているからな…文句は言えんよ…」

「そ、そうだったな…」


……利用規約良く見ないで同意しちゃったとは言えない……。


「神刀…抜刀!」


次の瞬間、まるで世界の時が止まったかのように全てが止まる、それと同時に目の前に赤文字の警告画面が現れた。


『警告

天使長ワンストは神刀を持っています、神刀は痛覚設定を貫通して痛覚オフの場合は触れただけで痛み無く即死します、痛覚オンの場合は痛覚軽減無しで痛みが発生します。

利用規約に則り、以下の選択肢が与えられました、選択してください


1、神の力で撤退する味方NPCも全員撤退可能です。

2、痛覚設定をオフにして戦う、一撃貰えば即死の戦いになります。

3、そのまま戦う、痛みに耐える戦いになります。』


「ちょっと待って、これ体が動かないんだけど!?」

「落ち着け、強く念じて選択するまでは世界は動かないからひとまず冷静になってくれ」


フェルもヴォルゲもワンストも動かない中、リーダーさんの声が聞こえる、リーダーさんは何度か経験したことあるかのように冷静だ。


選択肢はこのまま戦うのを諦めてシステムでワープして逃げる、痛覚設定オフにして戦いオワタ式で戦うか、痛覚設定そのままにガチで痛みを耐えて戦うかの3択だ。


「リーダーさんはどうするんですか?」

「そりゃあ3だ、何度か経験しているから問題ない…だがレンナさんは痛いの嫌いなら1選んで逃げたほうが良い、マジで痛いから無理に一緒に戦って貰うわけには行かない、それにフェルの命もあるからね」


リーダーさんは優しい声でそう言ってくる。


「………なあ、ハンマーで手を叩くのと刀で斬られるてどっちが痛いのかな?」

「え…?威力にもよるけどどっちもどっちじゃないか?ハンマーで手を叩い事ないから断言出来ないけど…」


ふと思ったことを口にするとリーダーさんが困惑するように答えてくれた。


「なら…多分だけど3で戦えると思う…リアルで何度か手をハンマーで叩いてめちゃくちゃ痛い目には会ってるから痛いのにはそれなりに耐性はあるはず」


「…無理はするなよ、精神的にやばかったら緊急ログアウトと念じれば緊急ログアウト出来るはずだから…その場合はデス判定になるけど、フェルとヴォルゲの命は俺が責任持って守り通すよ…死なない限りは」

「いや心配しないでくれ…1度決めた事だ、逃げずにやってる!」


こうして自分とリーダーさんは3を選択する。


すると両者が3を選びましたとアナウンスが流れたと思った瞬間、再び世界は動き始めた!

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― 新着の感想 ―
[一言] 脳の錯覚とはいえダイレクトに痛みが来るのはゲームとして欠陥なのでは…。
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