鍵を奪え!
「レンナさん!まずは腰を狙え!ぎっくり腰だ!」
「ぎっくり腰!?え、あ!わかった!」
一瞬何言っているかわからなかったが、天使長ワンストの腰には鍵束がぶら下がっている、つまり鍵束を奪えば確実にナナサカさんの救助に使えるはずだ、おえらいさんの持っている鍵なら何処でも解錠出来そうだ。
「エンジェルフェザー!」
天使長ワンストは空を飛び、翼から羽が舞ったと思えば、羽1つ1つが弾丸のように飛んでくる!
「地門!」
「バリア!」
自身の目の前に大地の杭を生み出して、羽を受け止める!
ガガガ!と羽と大地の杭が激突する、羽の出す音じゃねぇ!?
ヴォルゲの方をみるとリーダーさんの生み出されたバリアで守られている。
「カマイタチ!」
次に攻勢に出たのはリーダーさんだ、風の刃がワンストに向かって飛んでいくが、白いバリアに防がれる!
「ち、見た感じ、デスペルが通用しない、ある程度攻撃を加えないと割れないタイプか……ヴォルゲは戦う気がないなら下がってて!」
「え、いや!戦う!ホーリースラッシュ!」
ヴォルゲは聖なる光の斬撃波を飛ばすが、バリアと衝突して霧散した。
「ふん、下位の天使の攻撃などこのバリアの前には無力!」
「ならこっちはどうだ!エンチャントブースト!風の刃、火の刃!」
火光を振るうと、何時もよりも太い炎の斬撃波が天使長ワンストに飛んでいく!
天使長はバリアを過信しているのか回避せず、バリアで受け止める!
「な!?バリアが!?」
「へぇ、やるね!レンナさん!また強くなったんだな!」
貫通までとは行かなかったが、バリアに大きな亀裂を入れることが出来た!
「続きます!アイスランス!」
「ふん!マジックリフレクト!」
フェルが氷の槍を放つが、バリアの上に貼られたキラキラなバリアが氷の槍を反射する!
「危な!?」
「ごめんなさいレンナさん!反射されました!」
「いや敵の力だから気にするな!」
フェルとやり取りしていたら天使長ワンストの高笑いが聞こえる。
「見た所魔術師ばかり!ならば我の勝ちだ!」
「魔術師ばかりだと思うなよ!」
まだリーダーさんの飛行魔法が自分にかかっている!地を蹴り、一気に飛んで接近してアースキーを振るう!
ギィン!と何処からともなく現れた本に攻撃が阻まれる。
「ホーリーバースト!」
「マジックリフレクト!スタンガード!」
天使長ワンストの攻撃に合わせてフェルが反射魔法を使ってくれるが、本から放たれた光までもが反射されるわけではなく、光で目眩ましされてしまう!
「ぐう!?」
視界不良のなか頭に痛い一撃が入り、地面に叩きつけられる!3割ほどHPバーがなくなる!
「リジェネレート!」
「くう…フェル、ありがとう」
フェルのサポートですぐに立て直す!
「愚か者め!裁きを下す!カルマジャッジサンダー!」
轟音が鳴り響き、ビリビリと体が痺れる痛みが入るが、そんなに痛くなかった…HPは1割削れた程度でさっきの見えない状態で殴られた一撃のほうが痛かった…。
「あれ?しょっぱい?」
「ぐう…エクスヒーリング!」
技名からしてしょぼいなと思っていたら、リーダーさんが回復魔法使う、後ろを振り向くと至る所に焦げ目をつけたリーダーさんがいた、目に見えてダメージを食らっている。
なんで!?リーダーさんのほうが高レベルで重装備だから自分よりダメージを食らうはずないんだが!?
「1人は不法侵入のみでも善人だったか、だがもう1人はこれでまともに戦えまい」
「ぐう、カルマ値で決める割合ダメージか…舐めるな!レンナさん!サポートする!突っ込め!ダークランス!」
「わかった!」
リーダーさんが闇の槍を撃ち出す中、再び天使長ワンストに向かって走り出す!
「ふん!マジックリフレクト!」
「デスペル!」
天使長ワンストは再びこちらの魔法を反射しようとするが、リーダーさんの魔法で妨害されて、闇の槍は天使長のバリアのヒビを更に大きくする!
「ブレードスロー!」
更にヴォルゲは剣を投げて支援攻撃をする!
「ふん!馬鹿め!天界の剣ではこのバリアに干渉は…」
パリーン!とヴォルゲの剣が天使長ワンストのバリアを砕いた!
「何!?」
「流石ドワーフ製!今だ!レンナ!」
「わかった、行くよフェル!日暮れ斬!」
「わかりました!」
神速の速度で天使長ワンストの背後を取った自分達は火光で強烈な一撃を叩き込んだ!
「があ!?!?」
「テレキネシス!ゲット!」
更にフェルはテレキネシスで天使長ワンストの腰にはつけた鍵束を千切るように奪い取り、ナナサカさんを救うのに必要な鍵をゲットするのだった!




