天誘う万年鍵の修理
リーダーさんの協力でどんな素材が要求されてもリーダーさんが代わりに払ってくれるようになったおかげで、見知らぬ素材を要求されてもすぐに修理が出来るようになった。
「賢者はこの世のアイテムの全てを収集しているのか…?」
「俺だけじゃないよ、レンナさんの妹やウランに他のチームメンバーとついでにナナサカが集めているんだよ、皆意外と貯めるタイプだからチーム倉庫に潤沢にあるのさ」
ヴォルゲの質問に答えるリーダーさん。
それを横目に自分達は鍛冶設備を操作して天誘う万年鍵をセットする、リーダーさんから融通してもらった修理に必要な素材を投入する。
「フェル準備はいいか?」
「はい!」
フェルの準備完了を確認して、スタートボタンを押す、すると真っ赤な天誘う万年鍵が金床に流れて来たんだが…。
「ち、小さいな…」
形状がペンと言うか万年筆なので小さい、そもそも万年筆を鍛冶設備で修理というのは明らかにおかしいのだが、もうそこはゲームだからでスルーしたほうが良いだろう。
「補助魔法行きます!」
フェルの沢山の補助魔法を受けて、このまま棒立ちするわけにもいかずにハンマーを振るう。
カン?とあんまり手応えのない音が鳴り響く。
「おーい、大丈夫か?レンナさん、俺も補助魔法使ったほうが良い?」
「いや、大丈夫だ!なんとする!」
手応えのない音にリーダーさんが協力を申し出てくれるが、こっちも鍛冶屋としてのプライドがある、ゲーム内の鍛冶とはいえ助力はフェルだけでなんとかしたいという気分がある。
カンカンカン、カン!
「ここか!」
全体的に叩いていい音を探る、ゲーム内だから出来る方法で万年筆を叩いていく!
すると叩く事にピカリと万年筆が光を放ち、視覚妨害が発生し始める。
「本当!鍵系は厄介な効果多いな!」
火光はめちゃくちゃ熱かったし、地板鍵はリーダーさんの協力必須だったし、天誘う万年鍵は叩きにくいし眩しい!
「目がチカチカします…」
「きついなら目をそらしといたほうが良い」
「大丈夫です、この位でサポートは途切れさせません!発光を弱めますのでこのまま続けてください!」
「わかった、サポートを頼む!」
フェルのサポートがどういう感じなのかはわからないが発光を弱めてくれるらしい。
数回叩いて見る実感する、1回叩く度に強烈なフラッシュから数回叩く度にちょい眩しいフラッシュという感じになった。
「ナイスだフェル、このまま維持を頼む!」
「はい!でもあんまり長くは出来ないので気をつけてくだい!」
フェルの言葉に作業スピードを早める。
視界がチカチカする中、作業を進める。
「これサングラスとかで防げるのかな!」
今更感あることを言いながらも作業を進めていくと完成ボタンが出て来た!
「これで完成だ!」
ポチッと押すと、天誘う万年鍵の修復が完了した。
「……序盤上手くいかなかったからか特殊効果が付与されたりはしなかったな」
「レンナさん、修理で特殊効果て普通つかないからな?」
リーダーさんからツッコミを受けるが、ともかく修理は完了した、天誘う万年鍵をヴォルゲに返す。
「ありがとう、これで天界に行ける!」
「あ、天界に行くのは待ってくれないか?流石にヴォルゲ1人で天界には行かせられないレンナさんの準備が整うまで待って欲しい」
ヴォルゲを止めるリーダーさん。
「え、でも…」
「天使長ワンストの企みがわからない以上、準備は万全にしたい、不意打ちとはいえナナサカが捕獲された以上、油断は出来ない」
「そう言われると…わかった、レンナさんのタイミングに合わせるよ…」
リーダーさんに説得されるヴォルゲ、準備を待ってくれるのはありがたい…アルゴンからもらった隔離結界の杖、真実の鏡、神結の楔を今のうちに作っておきたい、特に神結の楔は名前からして天使とか神様に有効そうだ。
隔離結界の杖は…防御用に使えそうだ、とかにかく3つとも作っておこう…今なら材料はリーダーさんが持ってくれるからな。