ワチャワチャな出会い
リーダーさんとナナサカさんを連れてフェアリーガーデンに行く…フェアリーガーデンまでの道中で自分はナナサカさんに自分が受けたナンバークエストの詳細を教えていた。
対立しかけている現状で教えて良いか悩んだが、下手な隠し事をしたらすれ違いが生じて大惨事になる気がしたので教えた。
因みに道中の敵は襲ってこなかった…高レベルの2人が一緒にいるからなのかな…?
「地底に天界…リダ、もしかしなくても今回のナンバークエストの規模てでかい?俺のナンバークエストと食い違い起こしているし…」
「さあな、ナナサカのナンバークエストも成功報酬と失敗ペナルティが書かれてないからなんともいえないが…」
ナナサカさんのナンバークエストも教えてもらった、クリア条件は堕天使候補ヴォルゲの捕獲、失敗条件はヴォルゲの撃破、天使長の前でクエスト放棄の宣言だ。
少なくともナナサカさんはヴォルゲを殺すつもりがないとわかり一安心だ。
ナナサカさんは刀神のデメリットで他者のナンバークエストのNPCと物理的に接触できないが、ナナサカさんにナンバークエストが出ている時点でヴォルゲと接触できるはずだ、故にこの一安心はでかい。
「ともかくお前は天使とあった時にバカ正直に捕獲しに来ましたとか言うなよ?」
「わかっているよ、俺だって事を荒げるのは不本意だしな」
そんな会話を聞きつつ、自分達はヴォルゲとエアデがいるフェアリーガーデンの城にたどり着く。
「ヴォルゲ、エアデ、君達の家に帰る為に力を貸してくれる高位の魔術師と刀神を連れてきたよー」
ヴォルゲ達がいる部屋に入るとそこにはご飯を食べているヴォルゲとエアデがいた。
「あ、食事中か…」
流石に食事中の所を邪魔するのは良くないかなと思い、一旦退出しようとするがリーダーさんに止められる。
「レンナさん、マナーは良いと思うけど待つ気なのか?」
「なんなら俺達もご飯食べるか?味噌汁なら持っているぞ」
「それは現実でくれ」
味噌汁を出したナナサカさんにリーダーさんがツッコミをしているとヴォルゲの声が響く。
「すまない今食べ終わった!」
「はや!?」
あれ?さっき見た時そこそこ残っていたよな?食べるの早くないか?
「ともかく食べ終わったのなら自己紹介だ、俺の名前はリダ…まあ、皆からリーダーと呼ばれている賢者だ、そして隣りにいるのがナナサカ、凄そうに見えないが刀神で俺の相棒だ、ついでについてきた」
「凄そうに見せたら誰も決闘に応じてくれなくなるから弱く見せてるだけだしー」
「今じゃ知名度高くて変装しても意味ないけどな」
「なんで俺の変装レベル上がらないんだろうな…才能ないのかな?」
そんな2人のやり取りを見てエアデの反応はポカーンとしていた。
ヴォルゲの反応は椅子から立ち上がり、ナナサカさんの前で片膝を地面について祈るように手を合わせた。
「その力溢れる神力、間違いなく神の力…まさか本当に刀神様が変わっていたなんて…始めましてナナサカ様、ワタシは天界中央管理所で働くヴォルゲと申します、以後お見知りおきを…」
「あーそんなかしこまらなくていいよ、呼び捨てで構わない…と言っても聞いては…」
「わかったナナサカ、貴方の力が借りられて心強い」
速攻で呼び捨てに変更して、ナナサカさんは驚愕の表情を浮かべる。
「柔軟性高すぎないか!?他の天使は頑なに態度変えなかったのに…まあいいや、呼び捨てで良いと言ったの自分だし、そのくらいの方がやりやすい、ともかくよろしく」
「よろしく」
ナナサカさんとヴォルゲが握手を交わす。
ナナサカさんのナンバークエストがなければ仲良くなってよかったーと呑気に思えるんだが…。
「アタシはエアデ…あの、鍛冶屋のレンナさんと賢者のリーダーさんならこの鍵を修理できますか?」
話を切り替えるようにエアデが出したのは破損した地板鍵とそのレシピだった。
2つを受け取り、レシピをリーダーさんと一緒に見てみるが見知らぬ名前の素材があった、更に必要魔法としてフレイムウォール、マナコントロールという魔法が必要みたいだ。
「なにこれ?妖精門の鍵の時には魔法とかの必要とか書いてなかったのに…」
「別物と考えて良いだろう、1つの鍵でいろんな世界に行けたらトラブルの元だろうからな…複数の作り方で区分分けしててもおかしくない、でも修理に使う素材なら俺が持っているし、魔法もどっちも使えるから、俺がそこら辺やって、レンナさんはいつも通り鍛冶に専念してくれれば行けると思うぞ」
「え、でも流石に素材まで用意してもらうのは…」
断ろうとしたが、リーダーさんは小声でこちらに話してくる。
「いや、今回は相棒が敵対仕掛けただろう?その詫びもある素直に受け取ってほしい…フェルも怖がらせてしまってすまないな」
「いえ、私は気にしてませんが…レンナさん、好意を受け取ることでリーダーさんの気が晴れるなら貰っておきましょう」
「ああ、そうだな…」
変に受け取らずにいる方がぎこちなくなると思った自分は受け取ることにした。
「それじゃあ修理する為に一旦街に帰還させてもらう…ナナサカいくぞ」
「え、別に俺は鍛冶も魔法も出来ないしここに残っていい?」
リーダーさんが工房に戻ろうとするが、なんとここでナナサカさんは留まろうとし始めた。