ナナサカさんを説得せよ!
「ナナサカさん!ナナサカさんは誰からナンバークエストを受けたんですか!?」
「え?天界の偉い天使がヴォルゲという堕天使候補が人間界に何度も入り浸っているから連れ戻してこいという感じのクエストだ」
天界!?ナナサカさんは天界に行ける手段を持っているのか!
ここはこっちのナンバークエスト隠すのは悪手のはずだ、こっちの依頼主を明かそう。
堕天使候補と言っていたがもしかしたら人…天使違いがあるかもしれないし!
「こっちはヴォルゲという天使から天界に戻る為に力を貸して欲しいと頼まれたんだ、別にナナサカさんが捕まえなくても天使は戻って来るぞ!」
「え?戻って来るの?なんか天界を壊すとか企んでないのか?」
「うん?そういう感じは全くしなかったぞ?」
「そうですよ!ヴォルゲさんはナナサカさんの事すら知らない善良な普通の一般天使ですよ!」
フェルがフォローしてくれる。
「うん?どういう事だ?天使…えっとヴォルゲに騙されたというわけじゃないんだよな?」
「それはない、初対面時は人間に襲われて死にかけていたし、好きなドワーフのために死力を振り絞ろうとしていたから堕天使とか悪人の可能性は0に近い!」
「おおう…ドワーフ?え?どういう事?そのヴォルゲはドワーフに会うために人間界に来ているのか?」
…ナナサカさんの質問に考える、ヴォルゲはエアデの料理を食べたことある…つまり何度かあっている可能性が高い…しかもエアデも鍵を持っていたということはヴォルゲに会いに来た可能性が高い。
「そうだな!なんで人間界?というかこの世界で会ってるかはわからないけど、この世界てドワーフと会っているみたいだな」
「………因みにどういう構造のシステムかわからないが、天使は人間界を飛ばして直接ドワーフの世界に行くことは出来ない、逆にドワーフは天使の世界に直接はいけない、必ず人間界を経由していかないといけないシステムになっている、多分人間が住む世界が中心点になっているんだろうな」
リーダーさんが補足してくれる。
どこで知ったのそんな情報?気になるがそれどころじゃない。
「うん?つまりヴォルゲに堕天する要素はないのか?悪い事してないなら堕天する要素ないよな?でも偉い天使は悪いやつと言ってたし…どっちだ…?」
ナナサカさんは完全に混乱している。
「……………あー!わかった、ちょっとナンバークエストをこなすのは保留にする!その天使が善悪どっちかわかるまで俺はナンバークエストをやらない!というか一旦この拘束解いて欲しい!この姿勢結構きつい!」
「わかった…拘束解除」
リーダーさんがそう言うとナナサカさんを拘束していた物が綺麗になくなる。
「安心してくれレンナさん、フェル…こいつは1度言った事を破る男じゃない」
「それはなんとなくわかるけど…」
それはそれとして中々に怖い状況だ、下手したらナナサカさんと対立していたとかとんでもない…。
「なあ、俺もついて行っていいか?ヴォルゲという天使が善悪かしっかり見届けたい」
「うん、いいよ…でもすぐに切りかかったりしないでくれよ…?」
断る事はできない、ナナサカさんも完全に当事者だ、なんかダンダン事が大きくなっている気がする。
「本当に悪と判断するまで斬らないよ…刀神の名にかけて」
「そこは信じるよナナサカさん」
こうして、リーダーさんとナナサカさんを連れてフェアリーガーデンに向かうことになるのだった。
どうなってしまうんだこれ…?
「レンナさん、大丈夫ですかね…?」
「…大丈夫だ、ナナサカさんは善人を斬るような人ではない」
もしも善人でもお構いなしに斬るような人ならばリーダーさんとの仲が良好ではないと思うし、自分達とも仲良くなっていない。
事情がわかればすぐに引き下がった夏のイベントを思い出し、大丈夫と思いフェルを安心させるのだった。