天使とドワーフのこれから
まあ1人で考えても答えは出ない、2人に聞こう、そう思ったら先にフェルが提案してきた。
「レンナさん!高位の魔術師ならリーダーさんの力を借りるのはどうですか?あの人以上の魔術師て殆ど居ないと思います!」
「フェルも思いつくよな……なあ、2人共…人間の力を借りるのはありか?」
「「…………」」
2人に聞くと嫌そうな顔をしつつ黙ってしまう…。
「自分の知っているリーダーさんは情報収集が好きなだけで悪人ではない…種族に関して根掘り葉掘り聞かれるかもしれないけど…ほぼ最高位の魔術師だからこれ以上の適任者は居ないと思って欲しい…」
「種族の事に関する情報て何を話せば良いんだ…?」
「あー住処とか種族の歴史とか話せば満足すると思うよ…変なことは聞かれないと思う」
フェルもリーダーさんに色々と妖精の事を教えて魔法を教わっていたりしたからな…。
天使やドワーフが絡む話ならば確実に乗ってくるだろう。
だが2人の反応は良くはない…。
どうしたものかと頭を悩ましているとピコンと名案が閃いた。
「そうだ、ヴォルゲは神様に関して詳しくないか?」
「え?まあ、天使として基礎知識は持っているが…」
そうだ、ファンタジー世界で天使と神様は切っても切れない関係だ、ならば知っている可能性はあるはずだ、リーダーさんの相棒を!
「刀神の名前て知っているか?」
「アメノカズチ様がどうかしたのか?刀神様は暴れまわった結果、はるか昔に人に封印されたはずだが?」
旧情報だー!だめだ、刀神の相棒ということで信用を増やそうとしたけどヴォルゲ情報が古くてだめだ。
「待って、今の刀神はナナサカという名前の神だったはず!アメノカズチはナナサカに決闘で負けて亡くなって、代わりにナナサカが刀神になったて最近聞いた!父親が火の神の神官でそういう話を聞いたことがある!」
そこで待ったをかけたのがエアデだ、よし!ナナサカさんの名前も知っているなら話が早い…かも!
「そうなのか!?天界では聞いたこともないんだが…偉い神様が変わるなんて大事だから普通全体に知れ渡るはずなんだが…おかしいな…」
難しそうな顔をしているヴォルゲ…なんだろうさっきフェアリーガーデンを移動中にヴォルゲが言ってた偉い天使は飛べない種族を下に見ているという言葉を思い出す、多分だがナナサカさんは空を飛べない…天界ではナナサカさんの存在は偉い天使に隠蔽されたのか?
こう、空も飛べない人間が神様になるて偉い天使からしたら認めたくないし…隠蔽とか…なんかめんどくさい匂いがしてきたな…。
とりあえず変な考えはやめておこう今は2人がリーダーさんと協力してもいいという考えにさせないと。
「ともかくリーダーさんはとても情報通で高位の魔術師で、刀神であるナナサカさんの相棒だ…もしかしたら刀神のナナサカさんを通じてヴォルゲの故郷に行く手段を知っているかもしれない」
「そうなのか!?というか人間なのに神様の相棒とかあり得るのか!?それに僕の故郷に行く方法も見つかるのか!?」
自分の故郷に行ける手がかりがあると知って詰め寄ってくるヴォルゲ…。
「ヴォルゲ、最初に言っておくけどあくまで可能性だけどな、他に手がかりがあるなら教えて欲しい…」
多分だがリーダーさんやナナサカさんの力を借りなくてもエアデやヴォルゲの故郷に行く方法があるはずだ、そうじゃなきゃ無理ゲーが過ぎる。
「ヴォルゲ…ここは妖精と人間の力を借りよう」
「エアデ良いのか?人間のせいで死にかけたのに…」
「確かに人間には良いイメージわかないけど…少なくとも妖精が信用している以上信じていいと思う、それに刀神という存在に会えるならあってみたいし、後は妖精の力を借りて泊めてもらわないと、今日野宿だよアタシ達」
別にフェル達なら借りる云々無くても泊めてくれると思うけど、まあそれは言わなくていいか。
「…それもそうだな、わかった……レンナ、フェル、力を貸して欲しい」
「ああ、勿論」
「ええ、お母さんや皆に事情は伝えるのでゆっくりしていってください!」
ヴォルゲが手を出してきたので、その手を握る。
すると眼の前にシステム画面が現れた。