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上級コースはトラブルいっぱい

上級コースに移動すると雪山の頂上に転送される。


「うわ、絶景!人の手が一切入ってない大絶景!」

「まあ、人の手で作られた世界だけどな…しかし斜角やばいな…現実ならプロじゃなきゃ禁止されそうなコースだな」

「それにルートを示す看板はあってもゴールの魔法陣は見えないな…」


いつもは目に見えてわかるように設置されてたが…。


「それだけ長いコースなんだろう、早速滑ろうぜ!」


そう言って、ゲートに入るナナサカさん…ナナサカさんは絶景をしっかり見るという考えはないみたいだ、まあ頂上の絶景はまた後で見ればいいかとゲートに入る。


「2人でも正々堂々勝負だぜ」

「お手柔らかにたのむよ?」

「やだよ、決闘ならともかくレースならレンナ殿にも十分勝ち目あっただろ?」


ナナサカさんは手堅く来るみたいだ。

スリーカウントがされてゲートが開く、3人でやっていた中級コースとは違い、角度が急なのであっという間にスピードがでる…更に減速もしにくく、スピードを維持しながら上手くコーナリングする技術がなければ曲がりきれず木とかに激突するだろう。


「うお、怖い!?」


滑ってるじゃなくて落ちてるような錯覚を覚え身震いする。


「はは、恐れず先に行かせて貰うぜー!」

「ま、待って!」


グングンとスピードを上げてコーナリングもキレのある動きでこなしていくナナサカさんに食らいつく。

そして右左の分かれ道が現れるのだが…。


「え、どっち!?」


どっち行くべきか示す看板が劣化か雪の重みで壊れたのか、地面に落ちていて情報がわからない…僅かに見える矢印の形と傾き的に矢印は地面を指していて情報にならない!


「右だ!」

「右なの!?」


直感か経験則か右に進むナナサカさんに追走する自分、右に進み一分もしないうちにコースはガタガタになり始める。


「あの!?コースあってる!?」

「上級者コースだからこういうコースも…あるだろ!多分!」


そう言いながらもガタガタコースに苦戦して失速するナナサカさんに追いつく。


ガタガタコースを抜けたと思ったら次は風が吹き荒れ、吹雪いてきて視界が悪くなる。


「まって、上級コースこんなやばいの!?」

「うわー、ちょっとこれは現実であったら死を覚悟するね!」


吹雪で先がかなり不透明になりお互いにブレーキを可能な限りかけてかなり失速する…こんな状況で無理に加速したら木に激突するか崖からの落下の二択だろう。


というかナナサカさんはなんかちょっと楽しげにこっちの声に返答してないか?


「これ大丈夫なのコース本当にあってる!?ナナサカさん!?」

「……最悪事故死したら戻れるから安心してくれ!レンナ殿」

「安心できない!?出来れば死にたくはないんだが!?」


視界不良に慣れたのか再び加速するナナサカさん、ナナサカさんにについていけば少なくとも木に激突はしないだろうと思いこちらも加速するが…。


次の瞬間、自分が装備しているスキー板は地面から放たれた…つまり崖からの飛び出しだ。


「やっちまったぜ!」

「うわあああああ!?」


頭の中は完全にパニックになる、人化解除して飛行という手段を取れば落下死することはないはずだが、パニックになった自分の頭の中に飛行の手段は出て来ず、大ダメージと共に地面に転がされるまで自分は体のコントロールする権利を失い、ナナサカさんと共に数秒?数十秒?の自由落下?自然落下?をする羽目になった。




「うう…い、生きてる?」


地面に激突してグチャグチャになった視点が収まりなんとか起き上がる。


視界端のHPは1割以下のレッドゾーンだ…普通なら死んでるが生きているのはゲームだからとしか言えないだろう、現実なら骨折とか発生しているだろうからな…ゾッとする。


「リ、リジェネレート…」


シンクロスキルでフェルの回復魔法を行使して自分自身に施す、じわじわと回復するHPバーをちらっと確認してから周囲を見渡してナナサカさんを探す。


「いた…」


HPの低い自分が生きてたんだ、ナナサカさんも生きているだろう。

まあ、ナナサカさんの体は腰から下が雪に埋もれているが。


「う、ん…レンナ殿…ちょっと助けて欲しい…体が半分埋もれて脱出に時間がかかる…」

「今手を貸す!」


ナナサカさんを引っこ抜いて気付く、自分達のスキー板とスノボーがなくなっている。


「……もしかして弁償なのか?」

「いや、俺のスノボーは自前だから問題ない、レンタル品も安物だからレンナ殿の財布でも問題なく弁償できると思うぞ、というかロストしたらメッセージでて、お金があるなら自動的に引き落とされるはず…?」


ナナサカさんに言われてメニュー画面とか呼び出して色々と操作してみると、スキー板を失ったメッセージと自動で弁償したメッセージを見つけた。


ちょっと申し訳無さを感じたが、すぐにこの状況を把握しないとという気分になり辺りを見渡す。

辺りを見渡しても10M先が霧と言えばいいのかわからないが見えない。


「これレース所じゃないよね?」

「まあ、遭難したな…こんなイベントあるんだな」

「嘘だろ…」


お気楽にいうナナサカさんに自分は天を見るしか無かった…どうすんだこれ?




■■■


一方その頃


「ユリ、次はそこに動かしたほうが良いんじゃない?」

「そうだね、次はここで…」

「はいチェックメイト」

「「あ!?」」


ユリ、フェル、リダは2人のレースを観戦せずにユリ&フェルVSリダのチェスに没頭するのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 肝心の場面を見ていなかった!?これ、救助が遅れるのでは…?最悪死に戻りすればいいだけの話ですが。
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