休憩と2人でレース
スキー板をパージして、休憩の小屋入るとあったかい空気が体を包み込む、さっきまで寒かったのが嘘のようだ。
「あ、やっほーお兄ちゃん、スキー頑張っているね」
声のする方を向くと、ロボットのアームのような物とチェスをするユリがいた。
「何やっているんだユリ?」
「NPC相手にチェスーあ、負けた」
温かいからか、ユリはいつもの装備で防寒着とかは着ていない…というか負けてるのか…しかもぱっと見た感じ結構な惨敗だ。
「それでどうしたの、お兄ちゃん?ここは休憩とフレンドのレース観戦するくらいしか出来ないけど」
「ああ、リーダーさんとナナサカさんとレースしてたけど、フルスピードだすとフェルに取っては寒いみたいだからな、ユリ暫くフェルと一緒にいてくれないか?」
「うん?いいよーフェルもチェスしよう、友達のレースを観戦しながらするチェスは楽しいよ」
ユリはそう言ってチェス盤の近くでシステム画面を操作するとユリを負かしたロボットアームが消える。
「えーと、私チェスというの良くわからないんですが…」
「教えるから知らなくても平気平気!」
「…それじゃあレンナさん、暫くユリと一緒に居ますね、レース頑張ってください!」
「ああ、ボロ負けしないように頑張るよ」
別に勝ち負けはあっても何かを失うわけではないので気楽だ…。
フェルをユリに預けて外に出る…。
これでフェルからオールアップ等の支援を受けられないがフェルに寒い思いさせずにすむ。
「お?フェル殿はお留守番?」
「ああ、観戦しながらユリとのんびりチェスするみたいだ…というかユリはどうして休憩室に?」
「最初は一緒に滑っていたけど俺とナナサカのレースに付き合いきれなくなって観戦に回った感じだな」
あースキーそんな得意ではないユリだと2人の速さについていけないのか…。
「じゃあ次のレースから魔法なしで行こうぜーリダだけ魔法使うのもなんだしなー」
「わかった、コースを変えて魔法なしのルールで遊ぼう」
こうして男3人のレース勝負が始まる。
何度もレースをしているとそれぞれ特徴がわかってくる。
ナナサカさんはコーナリングが得意でコーナーが多いコースほどスピードをあげてくる。
リーダーさんはコーナーは苦手だが鎧の分で重量があるのかストレート等の直進ではすごいスピードをだしてくる。
自分はこの体が軽い影響でスピードは出ないが、その分体が小さい影響で風の影響を受けにくく、加速がしやすいみたいだ。
コースも多彩な影響でレースは買ったり負けたりとかなり接戦が多く、勝負は白熱していった。
ステータス補正があるから中々勝てないかなと思ったがステータスの影響は少ないみたいで多少は不利かもしれないが実感しにくく楽しかった。
「ふう、すまん少しつかれたからちょっと休むわ」
数十回位レースをした後リーダーさんが休憩することを言い出した。
「もう疲れたのか?」
「おめーみたいに体力馬鹿じゃないからな」
「それだとこっちも体力馬鹿みたいになるんだが…」
まあ、鍛冶仕事は重労働だ、体力には自信があるので否定は出来ない。
「…ともかく数レースは休憩させてくれ俺も休憩室で観戦しながらコーヒーでも飲んでるわ」
そう言ってリーダーさんはユリ達が居る休憩室に入っていった……かすかにユリの負けたー!という声が聞こえたが…もしかしてチェスでフェルに負かされたのかな?
「じゃあせっかくだし上級者コースのランダムでレースしようぜ!」
「上級者コース…行けるかな?」
リーダーさんが言うには上級者コースはかなり難しくてゴールも難しいと聞く。
「なんとかなるなる、それじゃあ行こう!」
ナナサカさんに押されてさっきまで中級コースでレースをしていたが次は2人で上級者コースを滑ることになった。
まあ、死んでもデメリットないし、やるだけやるか。