メーチャの診断とフェルの料理
「診断の結果……少し寝不足の気配がするけど基本的に健康じゃん!」
メーチャの診断が終わる、少し寝不足て…テスト数日前に詰め込みで夜更かししたからその睡眠不足が残っているのかな…?
「しかし人間になったり妖精になったりすごいじゃん、しかも人間状態だと完全に人間の反応しか出ないし、妖精状態だと妖精の反応しか出ないじゃん」
「そうだな、こう切り替えが出来るのは便利だ」
メーチャには人化して人間状態と妖精状態の両方を見せている、人化した時はメーチャは驚きで目を丸くしたものだ。
「まあ、健康で良かった」
「でも暫くは睡眠時間を増やしたほうがいいじゃんよ」
「わかった気をつける」
というかちょっとスルーしたけど、現実の睡眠不足がゲーム内に反映されるんだな…今のゲームて凄いんだな…。
「所で…フェルとはどこまで行ったの?妖精になったと言うことは色々といちゃいちゃ出来そうだけど…」
「え、いや…まあ、さっきまで密着して飛んでたし…た、たまにキスしてもらってるし!」
「うーん、これがうぶと言うやつじゃん…まあ、フェルが待っているから合流したほうがいいじゃん」
「ああ、体見てくれてありがとう」
メーチャに別れを告げてフェルに合流するために飛行する、居場所は指輪の位置共有でわかるし…仮に指輪がなくても他の妖精に聞けばわかるし問題はない。
ただ他の妖精がこちらを見た時二度見されることが数回あったけど話しかけられる事は無かった…多分見知らぬ妖精がいてびっくりしたのだろうが…話しかけて来ないのはシャイなのか…そこまで興味を持たれなかったか…。
そんな事を考えつつ、指輪の導きに沿って移動していると、かつてオールモスキートが占領していた城にたどり着く、中に入るとフェルのお母さんが出迎えてくれた。
「まさか…本当に妖精になっているとはね」
フェルから事情を聞いていたのかそこまで驚いてはいないフェルのお母さん。
「どうも、妖精になったレンナです、今後ともよろしく」
「…何をどうしたら妖精と人間を行き来できるようになったの?」
「えーと、そういう特殊スキルに目覚めたとしか言えません」
結合進化とか話した所で伝わらないだろうし…そう説明するしか無い。
「そうですか…」
「そう言えばフェルは?」
「あの子なら料理しているわ」
なんで料理…?お腹すいたのかな?
そう思っているとお城のドアが開き、フェルが現れた…フェルの手には透明なゼリーが入った容器を持っていた、ゼリーの中にはカラフルな花びらが入っている。
「レンナさん、診断が終わったんですね!実はフラワーゼリーを作ったんです!ぜひ食べて欲しいです!」
フェルはそう言うとスプーンでゼリーを掬い、それを自分の口元に近づけてくる。
「あむ…甘いな…でも美味しいな…」
「えへへ…」
感想を述べると笑顔になるフェル。
「……仲が良いの良いけど…人が多い所では程々にね?」
フェルのお母さんに言われて気付く、周囲には他の妖精が複数居て、ヒッソリとこちらを見ていた。
「あ、あはは…」
「別にいいじゃん…」
なんも言えずにただ笑う自分とムスーとするフェル。
そんな中自分にメッセージが届く、ユリからだら。
『お兄ちゃん、まだファイブの街開放してないよね!一緒に腐れの峠攻略しない?』
『それはいいんだけど、ユリは腐れの峠で欲しいのあるの?』
ユリがただの善意で攻略を手伝うとは思えない、何か目的があるのだろう。
『実は道中で出てくる腐れの鎧が落とす穢れた結晶玉が欲しくて…』
『わかった、今からか?』
『うん、ダメ?』
『わかったわかった、今ユリのマイホームに戻る』
妹からの願いを断るつもりはないので承諾する。
「レンナさん?もしかしてユリから連絡が来たんですか?」
「ああ、腐れの峠の攻略しにいかないかと誘われたから受けたんだ、すまんな勝手に決めて」
「いいですよ、ユリの頼みでもありますし」
フェルは乗る気みたいだ、良かった。
「もう行くんですか?」
「はい、来て早々なんかごめんなさい」
「いえ、また来てくださいね、レンナさん」
頭を下げるがフェルのお母さんは対して怒ってないみたいだ、良かった。
「行ってくるお母さん!」
「気をつけなさいよね、フェル」
こうして足早に自分達はユリのマイホームに帰還するのだった。