平日の夕方の一時
放課後、高田が教師にやって欲しいと言われてた頼みを溜め込んでたせいで、職員室送りになってるのを見送り(助けてと言われたが溜め込むなと警告したし、自業自得速攻で見捨てた)俺は帰路につく。
「帰った後は軽く勉強して、ご飯食べてからファンタジーフリーダムをやるか」
平日は勉学に集中しろと父親に言われているので、鍛冶屋の修行や手伝いは出来ない、勉強もほどほどにして、早めにファンタジーフリーダムをやるか、前のテスト78点だし、多少勉強時間を縮めても問題はないだろう。
「おかえり、お兄ちゃん」
「友奈、先に帰ってたのか、ただいまだ」
帰宅後、サクッとご飯を食べて、勉強をしていた所に友奈が話しかけてきた。
「お兄ちゃん、レベルどれだけ上がった…?」
「11レベルにはなったよ」
「早いね…初期装備のシャベルでそんなに戦ったの?」
そう聞く友奈に、勉強の片手間に洞窟を冒険した話、リーダーさんに会った話、新しいシャベル…アースキーを作った話、山を超えてツー街に行った話、地魂の遺跡でレベル上げる作業をした話をした。
「…装備が充実だとしても、かなり駆け足でツー街に来たのね…」
「そうなの?」
「本来の適正難易度は10レベの三人位で攻略する感じだからね…シャベルの性能がかなりいいのかお兄ちゃんのバトルセンスが良かったのかな…」
まじか…結構危ない橋を渡ってたのか…確かに毒でHPが無くなりかけたが…もう少し気をつけないとな、勉強はこれでいいか…。
「さて、勉強は終わり、ゲームするか」
「私もログインする…フェルにお土産あげたいからね」
お土産?なにそれ?と聞こうとしたら友奈は部屋に戻っていった為、聞くことが出来なかった…まあ、フェルへのお土産ならすぐわかるか。
そう判断して、VR装置を頭につけた。
「はい、フェルちゃん!これお土産!」
ユリのマイホームに降り立つと、ユリがフェルに本の山をプレゼントしていた、ジャンルは恋愛にファンタジーに日常物など多彩なジャンル本があった。
「凄い数の本だな…何処から手に入れたんだ?」
「色んな街で買い漁ったんだよー!お兄ちゃんが居ない間、良い時間つぶしになるかなーてね」
「ありがとうございます!ユリさん!」
喜ぶフェル、ユリが言うにはこの世界は比較的治安が悪い為、自分たちが学校にいる間はこの世界では珍しい存在であるフェルは、悪いやつにさらわれない為にずっとユリのマイホームにいる必要がある。
それなのにフェルの暇つぶしとか、用意してなかったな…配慮不足か…。
「ありがとうな、ユリ…フェルの為に本買ってきてくれて」
「気にしなくていいよ、私がやりたくてやってるだけだからね、それで今日はなにするつもりなの?」
そう聞かれたので答える。
「今日はお金を稼ぐために物を売りに行く感じだな」
昨日がレベルアップなら、次は財布を満タンにすることを目指そうか!