フェルと共にアルカナクエスト
双極の絶対覇者というクリア不可能なクエスト…いや特訓を終えた後日、自分はアルカナクエストをプレイしていた。
予定無く、フェルに何したいと聞いてみたらアルカナクエストに参加してみたいということでアルカナクエストをタロットの館で受けたのだが、前回とは違い比較的簡単なクエストだった。
簡単といっても倒すべき敵が弱い敵でも良かっただけで、制限は自分の半径3メートル以内にいる味方は魔法、装備による魔法が使えない…つまり魔法は支援してくれるフェルが戦力外になるキツイ制限をうけるクエストだった。
まあ、フェルが3メートル以上自分から離れれば良いだけだけど、そうなると庇えなくなるので、安全の都合上そんな手は取れないし、倒す敵は格下相手でも良かったので安全にスリー街周辺の弱い敵を撃破してアルカナクエストをクリアしてきたのだった。
「しかしフェルてランダム要素ある物が好きなのか、ギャンブルとかタロットカードとか好きだよな?」
「そうですね、何が出るかわからない物はドキドキして楽しいです!今回のアルカナクエストは当たりであっているんですよね?」
「そうだな、当たりだな」
制限自体はきついが倒す敵は自由だ、占い師が言うには強い敵を倒すほど多くポイントをもらえるが、今回のアルカナクエストは目標以上に多く敵を倒しても報酬が増えるとのこと。
アルカナクエスト受ける時に出た世界のアルカナカードがめちゃくちゃ当たりだったらしい。
その結果気が済むまで格下の敵を倒しまくてノリノリの状態で街へ帰っているのだ。
「しかしリーダーさんやナナサカさんと特訓した後だとどうしても敵が弱く感じてしまうな…」
「あれと比べるのはどうかと思いますよ」
「まあ、そうなんだが…」
倒せる前提の敵とそうではない2人、比べるのは失礼だ、そんな会話をしながら街まで歩き、タロットの館まで移動する。
タロットの館は初回の帰るときのみ混雑していて今は全然混んでない。
「いらっしゃいませ…どうやらアルカナクエストをクリアしたみたいですね」
「はい、アルカナカードの処理お願いします」
2枚のタロットカードを取り出す、始めて引いた恋人のタロットカードとアルカナクエストを受ける時に貰う制限の切り替えが出来るクエストのタロットカードだ。
クエストのタロットカードは恋人のタロットカードに吸収されて消えていく、そしてアルカナポイントを獲得する。
『アルカナポイントを1500P手に入れました』
前回よりポイントが多いのは多く戦闘をこなしたからだろう。
「ふむふむ、このポイントなら恋人のカードのレベルアップと最高ランクのガチャが一回引けるのか…」
「なら早速レベルアップとガチャしましょう!ガチャを回してみたいです!」
もしかしてガチャしてみたさにアルカナクエスト受けたいと言ったのかな?
まあ、今の所恋人のアルカナカードのデメリットは小さいし、レベルアップしても問題ないだろう。
『恋人のアルカナカードがレベルアップしました』
えーと効果は…メリットが指定した異性とアイテム共有、デメリットは指定した異性以外からの異性の放つ回復魔法、回復スキルが自身にかかる場合、一定確率で無効化してしまう…。
「これは…指定した異性がフェルになってるな」
「レンナさん!レンナさん!これってレンナさんが持ってたやつですよね!?」
声を荒げるフェルの手には夏イベントでナナサカさんから貰った刀神の呼符が握られていた。
勿論だがアイテム一覧にしまい放しで取り出した記憶はない。
「もしかして…」
アイテム一覧を見てみると、そこにはフェルの所持品という一覧が追加されていた。
試しにフェルが持っていた特殊効果もない恋人のタロットカードを取り出すとフェルが驚きの声をだした。
「なるほど、フェルは自分の持ち物を…自分はフェルの持ち物を取り出せるようになったのか…」
「不思議ですね…レンナさんの持ち物が手に取るようにわかります…」
そしてデメリットは簡単にいうとフェル以外の異性から回復魔法を受ける場合、確率で回復しないと…確率がどのくらいかわからず結構重い気もするが、基本的に回復は薬やフェルの魔法に頼るから問題はないのかな?
でもメリット効果がどのくらい当たりかわからないな…フェルが自分のアイテム一覧から自由に攻撃アイテムを取り出してサポートするとか?見た感じフェルの方が持てる物の数に制限あるし…。
「そうだ、レンナさん!ガチャしましょう、ガチャ!」
「うん?ああ、そうだな…回したいだよな」
「はい!」
別に今すぐアイテム共有の有効活用を考える必要はない、フェルに促されて最高ランクのガチャガチャ装置を召喚してフェルがガチャを回す、すると銀色のカプセルが出てきて、開封してみたら、中身はアルカナカード引き直しチケットだった。
占い師が言うには今持つ恋人のアルカナカードを破棄して新たにカードをタダでは引けるチケットみたいだ、勿論レベルの上げた恋人のアルカナカードの効果は失われる。
「外れですね…」
「そうだな、リーダーさんにあげるか…」
今の所恋人のアルカナカードを手放す理由はない。
これは売れるかな…そう思いつつタロットの館を出るのだった。