デスロードの襲撃
「なんのようですか?」
「俺達の事を忘れたか?」
「知らん…人違いでは?」
言葉からして、圧がある…完全に敵対関係だ。
というか3人の頭上に赤いドクロマーク浮かんでるし…。
「俺達はチームデスロード!貴様を殺すものだ!」
三人パーティ…チームデスロードはそう言うと武器を構えた、チームデスロードの構成は剣使いが1人、斧使いが1人、弓使いが1人だ。
そして弓使いは開戦の幕を切るように早速こっちに向かって矢を撃ってきた!
飛んできた矢を回避するとシステム画面が現われる。
『チーム:デスロードのパーティから攻撃されました、チーム:デスロードに所属しているプレイヤーを攻撃時のペナルティがなくなりました』
システム画面をみてやっと思い出した、デスロードて夏イベントでナナサカさんにちょっかいかけようとしていたチームだ!
「死ねぇ!飛翔斬!」
剣使いが斬撃波を飛ばしてくる!
「風の刃!」
斬撃波を回避しつつ、風の刃で反撃を放つが風の刃は回避される。
「アックスストライク!」
次に斧使いがこちらに急接近して、斧を振り下ろす!それに合わせて弓使いが矢を放ってくる!
「地門!」
飛んでくる矢は地門で生やした大地の針で受け止めて、斧は火光で受け流す。
「アイスランス」「双地門!!」
フェルの魔法に合わせるように双地門の発動を叫び、斧使いと弓使いの足下から大地の針を生やしている攻撃する。
そしてフェルの放った氷の槍は斧使いに殺到する!
「ぐう!?」
「があ!?」
弓使いは太ももに大地の針が突き刺さりダメージを与え、斧使いは大地の針を回避したが氷の槍が首に突き刺さり、クリティカルヒットしたのか、赤いエフェクトを発して消えていった。
「クソが!ガトリングスピア!」
剣使いが多数の突きを放つが、バックステップで簡単に避けれた。
………リーダーさんやナナサカさんという圧倒的に格上と言うか、ほぼ対人戦ツートップ説が出ている2人の攻撃を経験していると生温く感じてしまう。
「トリプルホーミングアロー!」
だが弓使いの放った3本の矢は右左上と拡散するように放たれた矢が3方向から自分に向かって飛んでくる!
「舐めるな!」
気合を入れて、火光、アースキーでそれぞれ1本ずつ叩き落とす、しかし最後の一本はアースキーの防御をすり抜けて、膝に突き刺さる、するとHPバーが3割無くなると同時に敏捷低下と器用低下のデバフが付与されてしまう。
更に視界が霞んで見えたり、揺らいで見えたりと視界異常も発生している
「ははは!デバフとブラインド毒の矢を膝に矢を受けたな!今のうち殺れ!」
「ナイス!死ねぇ!アサルトピアース!」
剣使いの渾身の突きが放たれる!
ギィン!と剣使いの渾身の突きは自分の持つアースキーで受け流す。
その技はユリのスキルで見たことある!たとえあんまり見えなくても!対処できた!
「な、バカな!?アサルトピアースが完全に入ったと思ったのに!」
「でりゃああああああああああ!」
「ライトニング、リジェネレート」
驚く剣使いに気合を入れて火光でぶった切る!更にフェルの攻撃魔法による追撃も叩き込まれる!ついでに持続回復魔法も自分にかけてくれた。
「視界不良でも見え見えだ…くう…」
なるべく余裕を装うが、視界不良の状態異常はなかなかきつくて膝をついてしまう。
「前衛全滅しても、まともに動けないならここから撃ち殺」
「はい、そこまでー、矢を下ろしなさい」
ナナサカさんの声が聞こえる、リーダーさんじゃなくてナナサカさんが来たのか…まあ、さっきまでナナサカさんとリーダーさんが2人で話していたし、リーダーさんから聞いて、ナナサカさんが全速力で来てもおかしくない。
「げ、ナナサカ!」
「あんたら…デスロードの奴らか…なんでこのプレイヤーを襲ってたし…」
「お前の信者を倒せばお前が悔しがるかなと…そしてこいつはあの夏からデスロードの標的だ、殺せば大手柄だ」
視界が正常に戻ると、そこには弓使いの背後から刀を首に添えているナナサカさんがいた。
標的てそういえば夏イベントで指定されたっけ、ナンバークエストで初心者を殺すとかなんとか……全然覚えてない。
「はあー…大手柄が欲しいなら俺を狙えよ、三下が…まあ、見た感じレンナ殿が強くてほぼ返り討ちといった感じか…」
うん、ほぼ返り討ち?ナナサカさんもしかして最初から見ていた?と思っていたら周囲に斧使いと剣使いの武器が落ちている事に気が付いた。
あれ?PKを倒した際はいつも何も落ちなかったけど、今回は落ちたのか…。
「くそ!情報と違う!魔法は使わないと聞いていたのになんで氷の槍を使ってきやがった」
お、フェルの存在に気付いていない、フェルが魔法を使う際に意図的に大声出して聞こえにくくしたかいがあった。
「ふん、落ちてる武器的に格下と思った相手に3人で襲いかかるったのか…本当呆れるぜ、そんなんで俺に勝てると思ってるのか…」
大きなため息をつくナナサカさん、その声は呆れと言うか失望感に満ちていた。
「おい、お前らのボスに伝えろ、そんなに俺を殺したければ何時でも刀神の祭壇から連絡しやがれ、何度でも斬り殺してやる、だから俺のお気に入りに手を出すなと…送罰!」
次の瞬間、弓使いはナナサカさんの一撃で真っ二つになり、赤いエフェクトを纏って消えた。
「おーい、無事だよなレンナ殿、フェル殿」
「助かったよ、ナナサカさん…」
ナナサカさんの手を借りて起き上がる。
「あれ?撃退時のシステム画面が出てこない…」
「ああ、それは送罰の影響だから気にしないでくれ、後そこの剣と斧貰って良い?」
「え、良いけど…売るの?」
「売るというか人質…武器質だな…送罰の効果でチームデスロードにうちの信者狙ったらお前らの武器を壊すし、タダでは済まないよとメッセージ送ったんだよ…多少の牽制にはなるはずだ」
そう言ってチーム:デスロードの武器を拾うナナサカさん…手慣れてるな。
「しかしすまんな、俺の敵のせいで迷惑かけた」
「いや、気にしないでくれ、悪いのは敵だし…ナナサカさん関係なくなんか狙ってる感じもあったし…自分も修行不足だ…3本の誘導矢を捌ききれなかったし」
「あーそれならリダに修行付けてもらえ、遠距離攻撃ならばアイツ専門だ3本でも10本でも誘導攻撃を撃ってくれるぞ、街まで一緒に行こうぜ」
そう言って歩き出すナナサカさん。
予定変更してしまうけどいいかな?とフェルをみたら、色々と察してくれたのかフェルはまた明日フェアリーガーデンに行きましょうと言ったので、自分はナナサカさんと共に街に帰るのだった。