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鍛冶屋の息子、MMORPGにはまる  作者: リーフランス
様々な秋の一幕
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怪しいパーティ

「これからどうしましょうか?」


なんとなくでフォーの街で歩いていると胸ポケットに隠れたフェルが質問を投げかけてくる。


「どうするかなー…現状これ!といった目的はないからなー…」


魔本の図書館のナンバークエストは終わったし、工房でアルゴンから特殊レシピとか確認したり、何か作ろうかなと考えはあったが…リーダーさんとナナサカさんが取込み中でそんな中作業して二人の気を散らすのは申し訳ないし…。


たまに聞く最前線のプレイヤーがいるらしいファイブの街を目指すというのもあるが…またダンジョンを攻略しないといけないし…2人で行くのは心細い。


「それなら魔本の図書館からフェアリーガーデンに行ってみませんか?妖精になれるようになったから、妖精状態のメーチャにみせたらビックリ驚かるかもしれません」

「ビックリさせたいのか…?まあ、フェアリーガーデンなら平和だし飛ぶにもいいかもな」


目的もないので断る理由は全く無い、そう思いフォー街を出て魔本の図書館に向かうのだが…。


「…………」


道中で背後から何かの気配を感じ取り、後ろを振り向く、だがそこにはこちらを気にせずに歩いてるモンスターはいても人は居ない。


「どうしました?」

「なにかつけられているような気がする…?」


だが道中は草原でかなり隠密に不向きの地形だ、大きめな岩とかはあるが、そこに隠れるのは難しいと思われる。


「……オールアップ、なにか感じ取れますか?」


フェルが補助魔法を使ってくれる、オールアップて全体的にステータスを強化する魔法だが、探知とかそういうのも強化されるのか?


そう思いつつ、辺りを見渡すと3人組のパーティが遠くに居るのを見つけたのだが、こちらに向かって移動してきている…。


「うーん?」


ただ自分が3人パーティの目的地の進路上に居るだけなのか、3人パーティが自分達に用があって近づいてきているのからわからないが、後者なら危険で嫌な感じしかしない、そもそも友達が少ない自分が3人パーティと縁があるとは思えない。


「フェル、一旦行く場所変えよう」

「は、はい…」


自意識過剰かもしれないが、こっちはフェルが居る、可能な限り危険性があるものは避けたい。


そう結論を付けて、本来魔本の図書館に行くならば真っ直ぐ進む必要がある道をあえて右に曲がる。


道無き道を移動している中、チラリと遠くにいた6人パーティを見る…遠くにいる3人パーティの詳細はわからないが、僅かに近付いた影響で全員服装や仮面や兜で顔を隠しているのわかった、間違いなく知り合いではない、自分の知り合いに顔を隠すやつは居ない…。


「あ、怪しい…」

「もしかして盗賊ですか?」

「わかんない、でもなんかこっちに向かって移動してきている気がする…」


もしかしてPKか?いや、そんな1人のプレイヤー相手に3人のプレイヤーで叩くなんてクソダサい行為をする人なんて…普通にいるか、イジメなんて言葉があるくらいだしな。


頭の片隅で妖精になって飛んで逃げる、もしくは隠れるという選択肢が過るが飛行はまだ完璧とは言い難い、リスクは高い…。


迎え撃つもリスクが高い、フェルが居るから実質2対3だとしても数の差の不利はバカに出来ない。


街の中に逃げ込めればいいが、フォー街は不審な3人パーティの背後にある、迂回して向かっても、確実に3人パーティに追いつかれるだろう。


「他のプレイヤーは居ないか…」


助けを求めて即席パーティで立ち向かうという手も使えない…。


フレンドのシステムでリーダーさんに助けを求めるにしても走りながらメッセージを入力なんて器用なキーボード入力なんて出来ない。


「くそ、確実に自分達狙いか…」


何度か方向転換して分かった、3人パーティは自分達を追いかけている。


ならばずっと逃げ続けるのは不利だろう、逃げながら地門を撃つとか考えたが、走っている3人パーティに当てられる気がしないので、別の手を取る。


『助けて』


足を止めて、リーダーさんに3文字の言葉と共に、今居るマップデータを添付して送信する。

あんまり強すぎるリーダーさんに頼るのは駄目かもしれないが、フェルの命には変えられない。


「ふう、やっと追いついた」


メッセージを正確に送るために足を止めた結果、3人パーティ追いつかれたみたいだ。


言葉からして完全に自分に用があるみたいだ…自分はアースキーと火光を取り出して構えた。

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― 新着の感想 ―
[一言] PKかはたまたファンになったおっかけですかね?
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