夏休み前の学校にて、高田との会話
月曜日の学校、結構な学生が休み明けの気怠さを抱くだろうが、夏休み前の魔力か、気怠さよりも浮足立っている。
「おーい、錬那!夏休み遊びに行こうぜー」
「お前はまず宿題を終わらせろ」
朝の学校で、自分に話しかけて来た小学生からの友人…高田を冷たく突き放す。
なぜなら話しかけてきた友人は、何時も夏休みの宿題を最後までためては、こちらに助けを求めるから、夏休みは冷たく突き放す。
「おいおい、夏休み間近なんだから宿題なんて考えなくても…」
「しょうがないだろ、こればかりは先にやる派とやらない派との違いだし…というかそういう考えで毎回馬鹿見ているやつを見ていると、必然と先に終わらせる派になるんだよ」
この高田は何故かプログラミングの資格とか事務の資格とか持ってる有能なのに、肝心な事を後回しにして、それを溜め込み自爆?するのが最大の弱点だ、やる気があれば有能なのに…。
「なあなあ、今年の夏はどこ行くよ!」
「うーん…さあな、家族旅行もすり合わせしないといけないし…まあ、取り敢えず最初にお前の姉と一緒にお前を缶詰して、宿題をやらせるという予定でもいいな」
「おい、冗談でもやめろよそれは!?」
宿題やその他大事な事を後回しにしがちな性格のせいで、トラブルを起こしては、何時も姉に助けられてるせいで、高田は姉に尻に敷かれて、逆らえないのだ、まあ、姉の気が強くて圧に負けるという点もあるが…。
「全く、家では鍛冶屋の修行か勉強か家事手伝いしかしないなら、多少は遊んでくれてもいいじゃないか…」
「別にその3つ以外の事もしてるからな、妹に進められたゲームとか」
「お前ゲームするの!?!?生真面目を体現したお前が!?いた!?」
「驚きすぎだ、心が傷付くぞ」
「こっちは物理的に傷付いたが!?」
驚きすぎる高田にちょっと衝動的にデコピンを食らわせる、その後先生が入ってきて、会話が中断されて、学校の授業が始まった。
昼休み、お母さんが作ってくれたお弁当を食べてたら、朝話してた高田が話しかけてくる。
「なあなあ、なんのゲームやってるんだ?あのお淑やかな妹さんが勧めるゲームて相当だと思うけど」
「まあ、そうだな、ゲームをするのは知ってたけど、わざわざ誕生日の日にやって欲しいと言われたのは初めてだよ」
「ほうほう…でなんという名前のゲーム?」
「…………お前の夏休みの宿題を終えたら、教えてやるよ」
「それ教えてくれないパターンじゃん!?」
教えたら、ファンタジーフリーダムで遊んで、夏休みの宿題を溜め込む未来を予知したので教えない。
「いいじゃんか、ケチ!」
「日頃溜め込む習性のツケがまわったんだよ、諦めて今年の夏は宿題をすぐに終わらせるんだな」
………というか仮に教えて、ファンタジーフリーダムを高田がやり始めたら自分の事を探すよな…。
自分の姿はランダムで決めた結果、女の子だからそうそうバレる事はないだろうが、バレたらおちょくってくるのは間違いない…絶対に教えないようにしよう。
そんな事を考えながら学校の午後の時間を過ごしていった。
木曜日から始まる夏休みを楽しみにしながら。