フェルと共にタロットの館へ行く前に
次の日の学校の帰り、自分はTT…高田にイジられていた。
「お前人気だよな…配信者やれそうだな」
「やらねーよ…俺は鍛冶屋だぞ?」
高田はスマホ端末でイラストサイトにアクセスしてリオアとレンナのイラストを確認している。
まあレンナと言っても出演時と同じように黒目でドレスでツインテールのイラストになっているから、あんまりイラストのレンナが自分とかいう感じは低い…。
でもシャベルと剣を持つイラストはかなり自分に見えてくる。
「でも良かったのか?」
「うん?なにが?」
「いや、変装してもシャベルと剣のヘンテコ二刀流なんてお前ぐらいしかいないと思うぞ、知り合いに見られたら変装してても全部バレるんじゃないのか?」
「………まじか」
嫌落ち着け、翌々考えたら別に知り合いにリオアとレンナが兄妹とバレて困る事はないはずだ…。
リーダーさんにウランさん、ナナサカさんみたいにチームゼロオーダーに深く関わりがある人なら、妹がユリとリオアを使い分けているのは知ってそうだし、高田ことTTは妙に線引きをしている、変なことになることはないはずだ。
後フレンドはユキさんとイツキさんとアッシュルさん…。
ユキさんとイツキさんはあんまり合わないけど、仮にバレたとしてその情報をばらまくとは思えない、アッシュルさんも同様な理由で問題はないと思…。
ガン!
「いつー…」
考えすぎて電柱に激突する。
「おーい、大丈夫か?知力が永続減少してない?」
「してねぇよ…普通こういうのて歩きスマホのお前がぶつかるんじゃなかったのか…」
「俺は360度と足回りに警戒してながら歩いてるからな」
ドヤ顔しながら歩く高田、スマホ割らず、怪我しない程度に派手に転べと念じたが転ぶことはなかった。
「まあ、ゲーム内でトラブったら呼んでくれ、出来る限り龍の力を貸してやる」
「頼もしいな…フェルがやばい時は頼らせて貰う」
「フェル最優先か…そうだな、錬那て装備全ロスしてもそんなショック受けなさそうだよなー」
「いや、ショックは受けるけど…もしも装備のロストが装備としての役割を果たした結果ならば引きずるのは武器に失礼だからな」
それに装備とフェルを同じ扱いにするのは失礼だ。
「そう言えばTTは上級クラスになったりしたか?」
「うん?ドラゴングラップラーになったぞ、そっちは?」
「妖精鍛冶匠になった、あと根っからの鍛冶屋という称号貰った」
「あーやっぱりレンナは特化型称号取れたのか」
やっぱり?ということは結構有名な称号なのか…まあ、習得条件が最初から特化型なら満たせるし、鍛冶屋じゃなくて剣士、魔法使い特化系で手に入れる人はそこそこ居るのかもしれない。
「TTは格闘家特化じゃなかったのか?」
「いや、最初は戦士系で武器とか使ってたけどナンバークエストのボス戦で武器を崖から落として、ヤケになって素手と蹴りで倒した結果、格闘家とシナジーある力を得たから格闘家に転職した感じだな」
「素手でボス戦て結構とんでもない状況切り抜けていたんだな…」
戦場が崖の上ならばボスの大きさによっては崖から落として倒すとか出来そうだが…高田の言葉的に武器を落としてから格闘だけで倒したみたいだな…まあ崖から落として倒したら、格闘家とシナジーある力は得られないか。
「今日もファンタジーフリーダムするのか?」
「ああ、今日はフェルと一緒にタロットの館に行く予定だ、フェルが行きたがっていたからな」
「………一応気をつけて行けよ、リオアが利用した後ならば結構混んでいる可能性があるし…場合によってはトラブルとか起きやすいかもしれないからな」
なんか高田が最初眉を潜めたんだが、もしかしたらなんかやばいのか?というかそんな人混み出来るのか?
そんな事を思っていたら、高田と分かれる場所まで来たので高田と別れを告げる。
その頃にはさっきまで考えてた事を忘れて自分は家に帰るのだった。