アルカナクエストの報酬
タロットの館にたどり着くと占い師が出迎えてくれた。
「いらっしゃいませ、どうやらアルカナクエストをこなしてみたいですね」
そう言って占い師が腕を振るうと、自分の眼の前に2枚のタロットカードが現れる、1枚は最初の引いた恋人のアルカナカードともう1枚はアルカナクエストを受けた時に手にしたカードだ、するとクエストを受けた時に貰ったカードは光となって消えて、光は恋人のカードに吸い込まれていった。
『アルカナポイントを1000P手に入れました』
恋人のアルカナカードは再び自分の手元に戻ってきた。
「それじゃあ早速買い物させて!」
リオアの言葉に反応してリオアの眼の前にシステム画面が現われる、それに連動してか自分の前にもショップの画面が現れた。
出来る事はアルカナカードのレベルアップとガチャ、一部消耗品の購入だ。
「リオア、アルカナカードがレベルアップしたらどうなるんだ?」
「お兄ちゃんだと恋人のアルカナカードがレベルアップして…恋人のアルカナはたしか…行動によってNPCに好かれやすく、また嫌われやすくなったりするみたい、後はパーティメンバーを強化する事もあるみたいだよ」
「そうなのか…」
うーん、好感度の振れ幅の上昇はいらないけど、パーティメンバーの強化は魅力的だな、フェルをパワーアップ出来るならありがたい。
ガチャの方は3つのグレードがあり、最高が1000P、真ん中が500P、最低が250Pだ…。
ちなみにアルカナカードのレベルアップは300Pだ、リオアが言うにはレベルアップするほどポイントが高くなるらしい。
消耗品の購入はなんか1日の間運の増加とか色々とあるが…なんかどれも惹かれなかったのでスルーする。
「じゃあアルカナカードのレベルアップと真ん中のガチャに決めた」
「私は最高のガチャ一点狙い!」
こうしてガチャは同時に回すことになり、先にアルカナカードのレベルアップを済ませる。
すると恋人のアルカナカードに異性の味方NPCの補助魔法やスキルを受け取る時にその効果が増大する効果とNPCが嫉妬した場合その感情を増大する場合があるというデメリットが追加された。
「これってレベルアップするたびにピーキーな性能になるの?」
「そうだね、メリットデメリットが追加されていく感じだね、場合によってはデメリットが辛くてリセットする人がいるらしいよ」
「そうなのか…」
まあ、現状問題ないかな?嫉妬を増幅するとあるがフェルが嫉妬する場面て見た事ない気がするし…もしかしたら自分が忘れているかもしれないかもだが…。
『アルカナによるけど強力な物だと魔法攻撃力確率で倍加とかスキルリキャスト半減とかあるよー』
『クソおもデメリットとしてはアイテムで回復不能、1度状態異常になったら戦闘終了まで状態異常からの回復不可とかあったな、レベルアップ時にどんな効果が出るか多少傾向はあるけど、ランダムだからどこまでもアルカナは運ゲー』
そんなコメントを横目にガチャをする為にシステムボタンを操作すると眼の前にデパートとかでよくあるガチャガチャが現われる、リオアの前にもガチャガチャが現われるがリオアの方が豪華な装飾がついている。
「ガチャをする前にえい!」
リオアが抱きついてくる。
「どうした突然!?」
「運を吸ってる、お兄ちゃん運いいから頂戴」
動揺していると構わずに抱きついてくる。
「ファン怒らないかこれ!?」
「兄弟のスキンシップだからセーフセーフ」
チラリとコメント欄を見ると面白いやらテイテイとか他者から運吸うのはあるあると否定的なコメントは流れてこなかった。
「よし、これで勝つる!行くよお兄ちゃん!」
リオアは俺から離れてガチャのレバーを握る、一緒に回すと決めてたので自分もレバーを握る。
「せーの!」
ガチャリとガチャのレバーが一回転して、自分の足元にカプセルが一つ転がり出る、カプセルは銀色に煌めいていた。
「なかなか良さげなのが出てきたな、リオアは…」
リオアは膝をついて、手を地面についていた…リオアの側にはひと目で自分のカプセルよりもレアリティが低いと分かる銅色のカプセルが転がっていた。
「すまねぇ、逆に運を吸っちまったみたいだな…」
「悔しい!もう一回やろう!」
「いや、ポイント使い切ったから無理だよ…というかカプセルの中身見なくていいの?」
「銅は消耗品確定だから開けたところでね…うん、一定時間経験値獲得量を増やすアイテム…」
パカリとあけて露骨にガッカリするリオア…個人的には使えそうなアイテムに見えるが…。
まあ、ひとまず自分のカプセルも開けよう、そう思い、銀色のカプセルを捻って開けたら書物が出てきた。
『エモート書物、揺蕩うタロットカードを手に入れました』