タスカ墓地には撮れ高は…なし?
リオアと会話しながら移動していると、あっという間にタスカ墓地にたどり着いた、一応人に聞かれてもいい程度の会話のネタとして、リア友(TT)に配信に出てたのがバレて、女装されそうになったことを話したら、コメントがwまみれになった…。
『おま、よく話の種に出来たな!?』
フレンドメッセージでTTから苦情?が来たがスルーした。
「はい、ここがタスカ墓地だよお兄ちゃん、ここに来たことはないよね?」
「ああ、ない…て、ゾンビきたぞ、ゾンビだけじゃなくてスケルトンも!?」
辺りを見渡すと墓地がたくさんあったのだが…。
50メートル先にいた武器を持ったゾンビやスケルトンが自分達…いや、リオアに向かって突撃してくる。
もしかしなくてもアルカナクエストでリオアのヘイトが凄く集まってしまう影響だろう。
「ゴメンお兄ちゃん、結構な消耗戦になるかも!ワイドスラッシュ!」
「そんな気はしていた!火光!燃えろ!」
ゾンビの背後を火光で攻撃すると一撃で燃え上り、赤いエフェクトに変えるのだが…。
ガン!とスケルトンには火は効果を今一つで何度火光で攻撃しても倒せない。
『スケルトンには聖属性だよ!』
『後はハンマーとかの打撃で砕け!』
視界の端のコメントからアドバイスが飛んでくる。
「アースキー!」
幸いゾンビもスケルトンもリオアを攻撃しているのでアースキーを取り出す余裕はある。
シャベルであるアースキーの平べったい先端でスケルトンを全力で2回殴ったら、大きく吹き飛んで粉々になった!だけどフルスイングで2回殴らないといけないから大変だ…うまく攻撃しないとスケルトンを3回叩く必要が出てくる。
「リオア生きてる!?」
「なんとか!ゾンビお願い!」
リオアは猛攻を回避しつつスケルトンに薬瓶をぶつけると、スケルトンは苦しみつつ赤いエフェクトを散らして消えていった。
「硫酸?エゲツねぇ」
「ウランさんお手製の聖水だよ!?硫酸だと飛び散ってお兄ちゃんまでダメージ入る可能性あるし!」
自分の言葉に突っ込める程度にはまだ余裕そうだ。
こうして自分はソンビ、リオアが回避しつつ、隙を見てスケルトンを攻撃していったらあっさりと殲滅することが出来た。
自分の怪我はない、リオアばかり狙われていたからな。
リオアもほぼダメージはないみたいだ…10体くらいから攻撃されてたのに凄いものだ。
『しかし悲鳴の1つもないな』
『この兄妹ホラー耐性高いな』
『ゲーム画面なら大丈夫でもフルダイブだとホラー無理という人も結構いるんだけどな』
コメントがなんかがったりしているが、自分はともかく、妹が怖がる物は殆どない…唯一あるとしたら…怒った親くらいか?
「お兄ちゃんはともかく、私に悲鳴を上げさせるのはゲームのセーブデータが消えた時くらいだよ!」
そう胸張ってリオアが言うと二体のゾンビとスケルトンがこちらに気付いて襲いかかってきた!
「リオア!これ早くボスまで行ったほうが良くないか!?」
「確かに話している暇ないね!」
1体1体は強くないが、リオアの持っているスケルトンには効果抜群の聖水も自分のMPも有限だ、今の自分のMPは戦闘中じゃなければ薬を飲んで回復できるが…こうも立て続けに戦闘が発生していたら回復する暇が無い!
奥に向かって移動し始めると、ゾンビやスケルトン以外にもぼやけていて、幽霊ぽいやつも現れて、リオアに魔力の塊をぶつけようとしてくる。
「お兄ちゃん!眼の前にゴーストが来てるけど、あいつは物理攻撃が効かないから火光で攻撃して!」
「わかった!」
リオアが敵の注意を集めまくってるお陰で誰にも邪魔されずにゴーストに接近出来た自分はゴーストを一刀両断する!
だがゴーストは1体だけじゃなくて複数体いる、このタスカ墓地がどれだけ広いかわからないけど、このままじゃMPが尽きそうだ…。
もしも逃げられないボス戦時にMPが尽きて、ボスが物理無効とかだったらつむぞ…そんな不安が頭をよぎる中、自分は移動しながらもリオアに近寄る敵を切っていくのだった。