月曜日、小さな鍛冶の意識への報告後日談
月曜日の夜、自分とフェル、そしてリーダーさんは魔本の図書館6階にいた。
ユリは行きたがっていたが、アイドルの仕事で不参加だ。
「パーティメンバーに入ってれば、一緒に6階に行けるんだな…」
ログイン時にリーダーさんから、もしも小さな鍛冶の意思にアダマグマの事を報告しに行くなら連れて行って欲しいと言われたので、パーティを組んで来たのだがリーダーさん込でもショートカットは問題なく使えて、一気に入口から6階までワープすることが出来た。
「良く来てくれました…根っからの鍛冶屋よ…隣りにいるのはもしかしてアメノカズチを倒した人の相棒ですか?」
「ああ、リダだ…アンタはアルゴンであっているか?」
「な!?何処でその名を!?」
リーダーさんがそう言うと、酷く驚く小さな鍛冶の意思…いやアルゴン?
「所長室のテーブルの引き出しの二重底の隠しスペースにあった秘密の日記に書いてあったよ」
「……うわ、そんな所に日記隠していたのアイツ…肉体捨てる前に日記処分しておいてよかった…」
あ、アルゴンも日記つけてたタイプだったのか、というか言葉のニュアンス的に元は人間だったけど、本になる技術があって、それを使ったという事か?そうだとしたら怖いんだが…。
「と、それよりも鍛冶屋よ、わざわざアメノカズチを倒した者の相棒を連れてきたとゆうことは…これから討伐しにいくのですか?」
「えーと、既に倒しました」
「え!?……もしかして長年封印されてた影響で弱ってましたか?」
本なので表情はわからないが、声が少し困惑しているのを感じ取れる。
実感がわかないのかな?
「研究所の記録ではアルゴンが作り出した封印の鎖に拘束対象を錆びさせる効果を付与したて書いてあったから、経年劣化も伴って、結構弱っていたのかもな」
「そうなのですね…あの兵器技術が役に立って良かったです…」
「よくやるよ、下手したら錆びさせる効果が封印の鎖にも作用してら鎖が錆びた結果、早期に封印が解かれて終末が起こる可能性とかあったかもな、ことによっては古の魔王の手中に落ちてたなんて可能性もあったかもな」
「もしもの話をしても仕方ありません、どちらにせよ私達は賭けに勝ったのですから、全ての厄災は倒された…私の役目はおしまいです」
………やばい、情報不足でついていけない。
終末?魔王?昔に魔王とかいたの?
「フェル、魔王てなに?」
「話からして古の悪い人なのかな…?」
フェルも良くわかってないみたいだ。
ポカーンとリーダーさんとアルゴンの話を聞いているとアルゴンに話しかけられた。
「根っからの鍛冶屋…いや、レンナさん…そして妖精さん…」
「私の名前はフェルです」
「フェルさん…オールモスキートだけじゃなくて、アダマグマを討伐してくれてありがとうございます」
ペコリと本は傾いてお辞儀する。
「お礼になるかはわかりませんが…これを受けとってください」
小さな鍛冶の意思…アルゴンがそう言うと3枚のレシピを渡してくれた。
『特殊レシピ:隔離結界の杖のレシピ
特殊レシピ:真実の鏡のレシピ
特殊レシピ:神結の楔を手に入れました。』
「一度きりの使い捨てのアイテムだけど、レンナさんならきっと使いこなせると信じています」
もしかしてこのレシピて、オールモスキートやアメノカズチ戦を想定して作られた物なのかな?
「ありがとう使わせてもらう」
「ありがとうございます、アルゴンさん」
実際に作るかはわからないが、フェルと一緒にお礼をいう。
「そしてリダさん、貴方は………すみません、アナライズ阻害を解除してもらっていいですか?…」
「え、あーすまない、今解除する」
うん?リーダーさんが解析されている?
「成る程、そのナイフは………ならばこれをあげましょう、危険な力ですが、貴方なら正しい使い方が出来るはずです」
リーダーさんには1冊の本が渡される。
その時一瞬、リーダーさんが危険物を見るかのように真剣な表情をしたように見えた。
「これを使う事が無いことを祈る…というか古代兵器の行き着く先はやっぱりこれなのか…」
「リーダーさん、何をもらったたんですか?」
「うーん、簡単にいうと広域で無差別に即死レベルの攻撃をする道具、本来の使用用途は封印が解かれた厄災を被害度外視で潰す為の物だな」
フェルの質問に答えるリーダーさん、なにそれ怖い、核兵器なの??
「いやー…1度終末クエストで使われたけど、まさかそれが俺の手元に来るとはな…」
「終末クエスト?」
「まあ、その説明は後でな…所でアルゴン、お前の役目は終わったが…どうするんだ?」
「リダさん、リターンソウルを私にかけてくれませんか?」
アルゴンは決意に満ちた声で言った。