アダマグマを討伐せよ!
「ふう、空いた…無事みたいだなレンナさん、フェル…」
MP回復薬を飲みきった辺りで、リーダーさんが話しかけてくる。
「ふう、リーダーさん、あのアダマグマて生きているかわかる?」
「うん?…………凍って動けないみたいだが、生きてるな、そしてHPは残り約3割位だ」
リーダーさんの目の周りに魔法陣が展開されている、魔法でアダマグマの状態を見抜いているみたいだ。
「うーん、なんか拍子抜けだな…オールモスキートみたいに数で圧殺してくるわけじゃないから、てっきりあいつが苦戦したアメノカズチレベルの敵と思ってたんだが…」
少し不満げなリーダーさん、ナナサカさんが苦戦していたレベルとか勘弁してほしいんだが…。
そう思っているとバキリ!とアダマグマからなにか砕ける音が聞こえる、アダマグマに視線を向けるとアダマグマは再び動き出そうとしていた!
しかし無理に動こうとしているからか、アダマグマの背中に大きな亀裂が生じている。
「のんびり話をしている余裕はないみたいだな…というかリオアがゲリラライブしているから、早く終わらせよう」
杖とナイフを構えるリーダーさん。
「どうやら破刃氷爆封撃の影響でマグマが生み出せないみたいだな、チャンスだな」
背負ったアースキーを手にして構える。
「レンナさん、もしもMPが回復しきれてないなら言ってくれ、暫く俺が前に出る」
「大丈夫です!MPはだいたい回復しました!」
「はい、十分に戦えます!」
自分達のMPは火光とネージュフラワーのMPタンク以外はほぼ満タンだ、初手の全力全開のゲートレーザーは使えないが、それでも十分に戦闘は可能だ。
「オールアップ!アイスランス!」
「リーダーさん、自分たちが敵の注目を集めるから、背中の亀裂を狙って欲しいです!」
そう言って、アダマグマに接近して、フェルの放った氷の槍に続くように足下を攻撃して、アダマグマの意識?アダマグマに意識があるかはわからないがとにかく注目を集める。
するとアダマグマは腕を振るい、攻撃してくる!
しかしその動きは鈍く回避は簡単だった。
「マジックハンマー!」
アダマグマの背後を取ったリーダーさんが、魔法で作り出したハンマーでアダマグマの背中をぶっ叩く!
「剥がれやがれ、装甲!」
再びハンマーがアダマグマの背中に突き刺さる!
その瞬間ドカン!とアダマグマの背中が爆発して、リーダーさんが吹き飛ばされて、壁に叩き付けられる!
視界端にあったリーダーさんのHPが危険域までゴリッと減る、リーダーさんは鎧を着ているが、魔法クラスであるので最大HPはそんなに高くないのだろう。
「リーダーさん!?」
「問題ないぞ、フェル!ハイパーヒール!背後にアダマグマのコアがあった!そこを狙うんだ!レンナさん!」
フェルの声に返事をするリーダーさん、あっという間にHPが全回復する。
だが声をハンマーで殴り、大声を出した影響でアダマグマは攻撃対象として、リーダーさんに狙いをさだめる。
その結果アダマグマの背中が見える、そこには赤いコアがテカテカと赤い光を放っていた。
「あれが弱点ですか!アイスランス!」
フェルの放った氷の槍はコアに突き刺さると思ったらジュ!と蒸発した…。
「熱すぎて氷が蒸発するのか…ならフェル、行くぞ!」
「そうですね、もうゲートレーザーしかないですね!」
何回も必殺技を使うのはちょっとカッコつかないけど、どうしても1番火力高い技はゲートレーザーしかない、火光を取り出して構える。
「サポートする、マナチェイン!」
リーダーさんの杖から鎖が放たれ、その鎖はアダマグマを拘束…せず、自分の腕に絡まる。
「リーダー!?何この鎖!?」
「補助の鎖だから気にせず必殺技を使ってくれ!早く!」
アダマグマの攻撃をギリギリで回避するリーダーさん、ひとまず必殺技を使うしかない!
「妖精氷門!」
「妖精火門!」
「「ゲートレーザー!!」」
フェルの声が重なり、初手のゲートレーザーの時と同じような大きさの魔法陣が生成されて、極太ビームが魔法陣から放たれて、アダマグマのコアに直撃した!
「うおおお!?」
「なんで初手のゲートレーザー相当の威力が出るんですか!?」
フェルの悲鳴が聞こえるが、こっちはビームの衝撃に耐えるしか無い。
理由は何となく分かる、リーダーさんのマナチェインだ…マナチェインで自分とリーダーさんがつながった結果、多分リーダーさんのMPもゲートレーザーのリソースとして使われた可能性が高い。
ガッチャアアアン!とアダマグマだ倒れ込む、それと同時にゲートレーザーのビームは無くなり、それと連動するように、アダマグマの体も赤いエフェクトを発しながら消えていった。