アダマグマ第二形態
アダマグマは腕を振り回し、周囲にマグマをまき散らす、撒き散らしたマグマの弾速は遅くて回避は簡単だったが、地面に落ちたマグマは消える気配はない。
「うそー…長期戦になったらマグマで足場なくなって終わる…?」
「アイスランス!」
フェルが地面に落ちたマグマに氷の槍を打ち込むと、1部分だけ相殺するようにマグマが消えた。
「マグマは氷魔法で消せるみたいです!アイスランス!」
再びアイスランスで地面のマグマを相殺するフェル…だがアダマグマの腕からは絶え間なくマグマが染み出るように溢れ出ている。
「だとしても効率が悪いし…ジリ貧になるな!だりゃあ!」
再びアースキーを投げて、アダマグマの頭部にぶつける、ガン!とアダマグマの頭部に傷が1つ増えるがダメージを与えている感じはしない。
妖精の祝福の効果で手元に戻ってきたアースキーをキャッチしつつ、アダマグマから距離を取る。
「マグマを吹き出してきたのか…フェル!アイスガードを使って、マジックリフレクトの準備をしてくれ、あと資料室で知ったが、やつの胴体から砲台が出てきたら全力で射線から離れるように逃げろ!広範囲に爆発する爆弾を撃ってくるぞ!」
リーダーさんの声が聞こえる、アイスガードて耐寒付与だよな、リーダーさんはなにするつもりなんだ!?いや、何となく分かる、強力な氷の魔法を使うつもりなのか。
というか資料室でアダマグマの情報手に入れてたのか。
「わかりました!アイスガード!」
自分のHPバーの下に熱い状況に合わない耐寒のアイコンが現われる。
「お兄ちゃん、暫く耐えて!ハイパーエール!」
「わかった!地門!」
ユリからの強化を受け取りつつ、地門で足下を攻撃しつつアダマグマの注意を引く。
だが大地の針は、アダマグマの装甲を貫けない。
「くそ、硬すぎないかこいつ…」
自分の攻撃力が低いせいかなかなかつらい、いや、合体技のですら胴体を大きく焦げ付かせる位しかなってないあたり、アダマグマが硬すぎるのか…。
アダマグマはこちらに向かって腕を振るい、マグマを飛ばしてくる。
「アッツ!?」
回避を試みるが、飛び跳ねたマグマの一滴が顔にかかる。
熱さに怯んであると、アダマグマはこちらを向いて胴体をガタガタ言わせ始めた!
「やば!?」
リーダーさんが言ってた砲台が来ると思っていたら、黒く焦げた胴体から砲台を出して爆弾を撃ち込んだり、ミサイルを撃ってくることなく、再び腕を振って、マグマを飛ばしてくる。
「もしかして動作不良?」
ダッシュでマグマを回避する、頭の中で浮かぶのはゲートレーザーによって、胴体の部品がおかしくなって、胴体の砲台が出せなくなったのかな?
すると再び胴体をガタガタ言わせ始める。
「チャンスですね!アイスメテオ!」
フェルとアダマグマが動作不良になっているのを見抜いたのか、アイスメテオを放つ、氷の塊がアダマグマに直撃する。
「フェル、お兄ちゃん!アダマグマから離れるだけ離れて!リーダーの大魔法が発動するよ!」
ユリの声が聞こえて、できる限りアダマグマから距離を取る、というか壁際まで移動して結構回避が不利になる状態になってしまった。
「時よ凍れ、七式の氷!」
リーダーさんの声によって、ドアの穴から突き出たリーダーさんの杖から小さな青い光が放たれたる、アダマグマの側で停止したと思ったら、青い光から大量の氷の刃が四方八方無差別に放たれ始めた!
氷の刃はアダマグマだけではなく、こちらにまで降り注ぐ!
「マジックリフレクト!」
だがフェルの魔法反射のバリアによって、氷の刃は跳ね返されて、壁や天井、アダマグマに突き刺さる。
勿論だが青い光に近いアダマグマは大量の氷の刃でハリネズミみたいだ…そう思った時、天井、壁、アダマグマ突き刺さったし氷の刃は爆発して、爆風によって、バリアの外が真っ白になる、フェルの魔法反射バリアのおかげでダメージはない…。
ひとまず自分はMP回復薬を飲む、まだ倒せない場合、MPはあったほうがいいからな。
「凄いです…私もあんな魔法を使えるようになりたいです、きゃあ!?」
バリアが消えて、冷たい風が自分達に押し寄せてくる、冷たさにフェルが驚くがダメージはない。
また爆風で見えなかった、アダマグマが見えるようになる、アダマグマは至る所が氷に包まれてて、完全に停止している。
だけど、停止しているだけで撃破はしていない…はずだ?どうなんだ?敵は撃破時に赤いエフェクトになって消えるけど、こいつは人工物だ、消えたりしない場合もあるかも?
そう思っていると、アダマグマはガタガタと動き始め、体に付いている氷を砕き、再び動き始める!
それどころか腕だけじゃなくて足、頭までもマグマを染み出すように生み出して、ほぼ全身にマグマを纏っている、胴体だけマグマを吹き出してないのは…ゲートレーザーのダメージのせいか?だが頭部から溢れ出たマグマが胴体を伝うように流れているので、実質全身でマグマを纏っている。
「レンナさん、フェル、無事かー?」
「無事だ!けどアダマグマの全身にマグマを纏ってめっちゃやばい!」
リーダーさんの声に返事をする。
さっきまではリーダーさんの氷魔法で寒かったが、もう部屋の温度は上がって熱い…。
だが、わざわざ段階的にマグマを出しているという事はあと少しか…?
全身にマグマ吹き出しているし、もしかしたら氷爆槍を使うタイミングか…?