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鍛冶屋の息子、MMORPGにはまる  作者: リーフランス
図書館の奥底にあるナンバークエスト
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秘密研究所の最奥へ

「大体見て回れたね」


15分かけて最深部以外の部屋を見て回ることが出来た、一部ユリが持てない量の資料とか出てきたが、それは資料室にいるリーダーが持つ事となった。


金属加工室以外にも小さな娯楽室や薬品研究室個室、また研究室の長が使ってそうな部屋もあった。


「後は最深部だけだな、あそこだけカードキー要求されそうだし…リーダーさんと一緒に通りたい」


長い一本道の最奥にあるデカい扉の側にはカードリーダー…入り口にもあったカードキーを読み込ませる機械が設置している。


「じゃあちょっとリーダーを資料室から引きずり出してくる」

「ああ、行ってらっしゃい」


ユリが資料室に入っていく、一応最深部のドアを調べる為にドアに近付く。


『ピー、カードキーとオールモスキートを撃破した因子のみを確認しました、ゲートを開放します』

「え?」


ドアからシステム音声が聞こえたと思ったら、ゴゴゴと自動的に最深部へのドアが開く。


「どういうことですか!?カードキーというのを使わないと開かないのでは!?」

「わ、わかんない!ユリ!リーダー!早く来てくれ!」


声を荒げるがユリには届いてないのか出てくる気配はない…ああ、そうか凄く騒音出るはずの金属加工室があるのに、近くに仮眠室があるということはドアを隔てれば防音対策バッチリなのか!?


『各職員の安全の為に候補者のみ最深部にお送りします、各職員は離れるようにしてください』


ふわりとまるで魔法のように体が浮き上がる、浮き上がった体は勝手にドアの向こう側に移動していく。


「くそ!強制移動か!?」


このままじゃ不味いと確信した自分はアイテム一覧から二枚のカードキーを取り出して2人がいる資料室の入口に向かって投擲した!


カードキーは回転して資料室の入口にコテンと落下して…地面を滑り、資料室の隣のドア前に止まった、これじゃあ気付き難い!


「テレキネシス!」


するとフェルの魔法で二枚のカードキーはフワリと浮いて資料室の前まで移動した。

これならドアをあければすぐ見えるはずだ。


「ナイスフェル!」


フェルを褒めると同時に、ゴゴゴとドアが締まり、自分とフェルはリーダーさんとユリと分断されてしまった…カードキーは置いてきたから気付いても貰えたらすぐに合流できるはずだ。


なんならユリに助けてとだけ記したSOSメールを送ってすぐに気付いてもらおうとしたが、背後からの圧に思わず視線をドアから背後の何か…いや、状況的に背後の何かは想像ついてた…。


自分の背後には茶色…いや錆色の巨大なゴーレム…アダマグマがいた。


部屋の広さも巨大なゴーレムが暴れられるように想定したのか、かなり広い…。


アダマグマは巨大な鎖で雁字搦めに封印されている、だが鑑定眼で見ればその封印の鎖はかなり劣化が進んでいる事がわかるし…鑑定眼なしでもサビ具合からしてかなり劣化が進んでるのはわかる。


というか少しでも早く気づいてもらえるように今のうちにメールを…と思った時、更にさっき聞こえたシステム音声が聞こえてくる。


『良く来てくれた…倒すべき厄災に挑む者よ…まさかオールモスキートを倒した存在が来てくれるとは思わなかったよ、念の為に予めこの音声を取ってて良かった』


予め取っていた音声ということはいくらこちらが声を上げたとしても伝わることは無いのか。


『オールモスキートを倒してかつカードキーを持っているということは全ての事情を知っている前提で話させてもらうよ、意味がわからないというのなら…ただ、眼の前のゴーレムを倒して欲しい、オールモスキートを倒したのなら倒せる可能性はあるはずだ…』


『本当は制作者自らの手で破壊したかったが…封印が限界だった…頼む…どうかこいつを破壊してくれ…きっとこいつは初手の一撃を加えたら起動して…きっと封印の鎖を引き千切り襲いかかってくるはずだ…よろしく頼んだぞ強者よ…アイツラのせいで狂ったこいつを眠らせてくれ』


ぷつんとアダマグマの制作者らしいメッセージは途絶える。


……自分は小さな鍛冶の意思やアダマグマの制作者に何があって、こうなったか、ほとんど理解していない…下手したら資料室で色々と読み込んでいるリーダーさんの方が知っていそうだ。


少なくともわかるのはアダマグマは誰かの手によって狂わされて…本来の役割を果たせずに封印されているということだ…。


そっとユリには資料室の前にカードキーおいた、最深部に居る、すぐに来てとメッセージを送り、自分は火光を構えた。


「フェル、ゲートレーザーを使うぞ」

「え?ユリやリーダーさんを呼んだりしないんですか?」


「既に呼んでる、そして…今仕掛けないとこいつは動き出すぞ!そうなる前にデカい一撃を入れたい!」


ゴキ!とアダマグマを拘束している鎖から金属として限界を知らせる悲鳴が聞こえる。


ドアを開けた衝撃か、ゲーム的運命か、はたまた他の要因かはわからないが、少なくとも言えるのは…何もしなくてもアダマグマは封印から開放されそうだ。


ならば初手氷爆槍を叩き込むべきかと思ったが、あれは1本しかなく、本来の使用方法で投げて使えば大破確定の消耗品…初手で使うのは不味いと判断、なら使うべきなのはそれ以外で最大攻撃になるフェルとの合体技と自分は判断した。


「わかりました!オールアップ!エレメントブースト!」


フェルが補助魔法をかけてくれる。


「妖精氷門!」

「妖精火門!」


自分達の声が重なる、自分達と武器に蓄えられた全てのMPを使う最大の一撃、使用後は確定MP0の諸刃の剣。


2つの巨大な魔法陣がアダマグマの頭上で重なり…。


「「ゲートレーザー!!」」


合体した魔法陣から極太ビームが放たれた!

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― 新着の感想 ―
[一言] いきなり転移はキツイ! 早く二人とも気づいて来てくれ!もうMPがないから!
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