秘密研究所には大きな情報が沢山?
道中再び巨大なミミズに襲われ、また暴走した自動採掘人形にも襲われたが、四人パーティだったお陰で全く危なげなく撃破していき、秘密研究所の入口まで辿り着くことが出来た。
「と、ここが秘密研究所の入口だ、ここに自然の割れ目みたいに作られたカバーがあるから外して…カードキーを通せば…」
「かなり巧妙に隠しているな…そりゃあ地図でもなきゃ見つからないわ」
「急にファンタジー感消えてるね…つまりはリーダーが大好きな古代系ね…長くなりそうね」
「ど、どういう力で動いているんでしょうか…?」
初回の時のようにドアを開けると、3人それぞれが反応した。
「長くなるといってもここまで来たらアダマグマまでは戦闘は無いと思うぞ、全部見たわけじゃいけど、見たあるのは倉庫と金属加工室、事務室と資料室と仮眠室位だ」
「なら早速資料室の場所を教えてくれ!」
「わ、わかったけど、見た感じ色んな言語で書いてあるから解読大変だよ、資料室はその扉を潜った先だよ」
「よし、ちょっと読み込んでくる、ちょっと待ってくれ、もしもなんかあったら呼んでくれ、すぐに行く」
リーダーさんが食い気味に言ってくるので、場所を教えると、リーダーさんは資料室に入っていった。
「これは1時間コースかな…?」
「そんなにかからないと思うよ?さっきも言ったけど、複数の言語の資料があるから沢山は読めないだろうし」
「お兄ちゃん、リーダーは殆どの言語が分かるスキルを持っているの、後ついでにリアルの方でも完璧じゃないけど最低限意思疎通できる言語を複数持っている人だから…
暫くは資料室から出てこないわよ、リーダーは世界観読み解くのとかアイテムのフレーバーテキストを読むのが大好きだからね」
なんか諦めた顔のユリが凄く珍しく見えた…というか久しぶりに見た気がする…。
「レンナさん、私は金属加工室が気になります!ゼロオーダーの工房と同じ感じですか?」
「全然違うよ、ここの加工室は工業よりだな、プログラムで制御してレーザーで切断したり、研磨したりする感じだな、流石に動かせはしなかったが」
「プログラム…?なんか凄い感じですね」
フェルの口調が完全にわからないから、とりあえず凄い物と認識したようだ。
「お兄ちゃん、ファンタジー世界の妖精に真逆の要素に近い工業知識を教えるのはかなり難易度だと思うよ、それで金属加工室て何処?」
確かにフェルは魔法がメインだから機械関連の話とかちんぷんかんぷんか…ひとまず金属加工室に移動する。
「おーデカい腕があるのね…持って帰って、インゴットに分解すればかなりの量が作れそうだけど…うん、重量的に持てないし、アイテムとして収納出来ないみたいだね」
金属加工室にあったアダマグマの腕(不完全)を持って帰ろうとして無理で諦めるユリ…。
「持ち帰ろうとするなし…」
「えーでも持ち帰れるなら持ち帰ろうよ、どうせ他の人が入ったら根こそぎ持っていかれちゃうよ、ここ再生成されないタイプのユニークダンジョンぽいし」
「そ、そうなのか?でも入るにはカードが必要だからそう簡単には入れないのでは?」
封印された施設で、ユリが言ってた古代というワードからしてかなり時間が経っているはずだ…。
経年劣化とかで、使えるカードの数は少なくなってそうだし施設の関係者?であると思われる小さな鍛冶の意思から貰った自分はともかく他の人が手に入れるなんて出来るのかな?
それにドアはしっかり隠蔽されて、地図を持っているか、出入り見てないと見抜くの困難だし。
「お兄ちゃんの考えは何となく分かるよ、でもこれはゲームの世界だからカードキーは劣化したりしないし…他の人が何処かから入手する可能性は十分にあるし、誰かが見つけてドアをこじ開ける可能性もあるからね」
ユリが読心術を使ってくる、多分身内限定の読心術だろう。
ユリはそう言いながら周囲を物色している。
「ユリ、何かいいものありますか?」
「ないねーペンチや取替用のドリルの先端だけとかどうしろと…」
工業の知識はそんなに無いけど、工業のドリルは基本電動で動き、消耗品である先端のドリルを変えれるのが一般的だが…肝心の電動する部分がないみたいだ…つまりドリルの先端があったとしても、現状釘よりも価値がないものになるだろう。
逆に持ち運びできる電動装置付きのドリルがあるなら、かなり殺傷能力のある武器になりそうだ。
手動ドリルてあるっちゃあるけど、まあ研究施設にはないだろうな、そんな手間のかかる道具。
まあ、ユリが見つけたドリルは多分だけど、大型設備に取り付けて使うタイプのドリルだろう、端っこにそれっぽい装置あるし…一応試しに触ってみたが、電源ボタン的な所と思われる所を押しても動かないからドリルの先端の使い道はないだろう…。
NPCに売る換金アイテムかな?
「毒薬や劇薬なら近くの倉庫にあったけど…回収するならそれ回収したほうがお金になるかも?」
「あ、それならウランにあげればいい薬の調合に使ってくれそう、案内してお兄ちゃん!」
こうして自分は秘密研究所の最深部以外の所を調べ始めるのだった、そして比較的持ち運びが簡単で、金目になりそうな物の殆どのはユリが持っていってた、後で山分けをくれるらしいが、ちょっと後ろめたさがあるな…かなり時間が経過して、もう誰の所有物じゃないとわかっていても…盗掘といえばいいのかそんなことしている気分になるな…。
だがこれはゲームだ、そう思い自分はユリを止めずに各部屋を見て回るのだった。