投擲用アブソリュートアイスボムスピアの作成
「ほい、これが材料だ」
「失敗しても素材はあるから気軽にやってね」
リーダーさんとユリからのアブソリュートアイスボムスピア…長いので略称氷爆槍を制作するための素材をもらう。
「因みにこの材料自分が自前で集めるとしたら、どれだけ時間かかるの?」
「うーん、ドロップ運があるから何とも言えないないけど…どれもこれもクセが強いし、レンナさんの力で安全に行くなら多分1ヶ月半位はかかるんじゃないか?特に逆鱗は人によっては出にくいものだからな…」
結構時間かかるな…上位クラスになったから多少危険な所でも問題なく行けるかなと思ったが…いやもしかしたら学校の時間とかで遊べない時間とかそういうの込みで言っているのかな?
まあ、どちらにせよ時間がかかる素材集めをしなくて済むのはありがたい。
「フェル、準備はいいか?」
「はい!………所でこの武器も作成時に寒くなったりするんでしょうか?」
フェルの準備はオッケーみたいだが、それはそれとして疑問の声をだす。
「…フェル、一応念の為防寒着に着替えてくれ、市販の薬で防げるかな?」
耐寒の薬なら夏イベントの雪山の時の余り持っているが…ネージュフラワー作成時に効果ないと言われたからな…。
「レンナさん、私が防寒の魔法を使える事を忘れてますね、アイスガード!」
一瞬で防寒着にフェルの魔法で体に青いエフェクトに包まれる。
「あ、すまない、忘れてた…」
「魔法は沢山ありますからね、忘れてしまうのは仕方ありません」
フェルに忘れてた事を謝る、うっかりしていた…気をつけないと。
「それじゃあ行くぞ、フェル!」
「はい!」
呪血鍛冶による特殊コマンド、血を注ぐは使わないで、スタートボタンを押すと自分の大量のMPを吸って鍛冶設備が動き始め、金床に先端が太いが、そこ以外は細身の槍が流れてくる、部屋の温度は熱い…。
「寒くなるわけじゃないんですね」
「警戒しすぎたか…熱くないか、フェル?」
「大丈夫です、すぐに着替えてサポートします」
そう言って防具であるジャケットに着替えて補助魔法を使い始めるフェル。
「鍛冶で寒さを警戒するなんてこの2人くらいだぞ…」
「いずれ雷属性による感電や光による盲目、闇による…なんだろう精神ダメージとかも備えそうだね」
背後からリーダーさんとユリの声が聞こえる…出来れば感電とかはしたくないんだが…と集中せねば…。
カンカンとまずは持ち手を叩いてから、先端部分を叩く…すると槍の先端から一気に冷気が吹き出してきた!!
「うおー!?なにこれ!?いっ…」
急な温度変化で体が驚いたのか、温度変化に適応出来てないのかダメージが入る。
「フェル、大丈夫!?」
「私は大丈夫です!」
フェルは冷気の噴出で少し吹き飛ばされたがすぐに復帰してくる。
これ先端叩いたら冷気が吹き出してくるのか!?
「レンナさんが鍛冶すると色々と変化がすごいから見てて飽きないな」
「熱くしたり、冷たくなったりサウナみたいだね、整いそう」
外野であるリーダーさん達の声が聞こえるが、こっちはそれどころではない。
冷気を発した事で色々と槍に変化が生じる、金属の温度が低くなり、明らかに失敗の流れになってきている。
「えっと、加熱ボタン!」
今まで1回熱したら冷える前に完成させてたので押した事の無い加熱ボタンを押すと、残ってたMPのほぼ全てが奪われて金床に魔法陣が現れて、槍を真っ赤に再加熱してくれる。
「これどうすれば…先端叩くと槍が一気に冷えてしまう…かと言って叩かないと完成しない!」
叩くたびに再加熱?再加熱に必要なMPがさっき加熱でゼロになったよ!
「大丈夫ですか、レンナさん?」
「大丈夫、なんとかする!先端は最後に一気に仕上げればなんとか…!」
カンカンとハンマーを振るい、持ち手を仕上げてから全力全開のフルスロットルでハンマーを振るう!
ガン!ガン!ガン!と槍の先端を全力全速力で叩き、仕上げていく!冷気が吹きすさび、手が急激に冷えて凍って来たが、冷え切る前に仕上げボタンが現れたのでなんとか押して、完成まで漕ぎ着けることが出来た…。
叩くと一気に冷える金属とか本当ファンタジーだな…そう思いながら、自分はギンギンに冷えて一部が凍った手を首に当てて、手を温めつつ、疲労で尻もちをついて、荒れた呼吸を整えるのだった。