マグマと帰宅?
少し早くお昼ご飯を食べた後、再び自分はファンタジーフリーダムにログイン、アストロ火山の秘密研究所に戻って来る。
予想通り襲われる事はなかったみたいだ。
「うん、リーダーさんからのメッセージだ」
リダからのメッセージですと書かれた文字をタッチするとリーダーさんからのメッセージが現われる。
『おーい、そろそろ合流しないかー?それともまだアストロ火山にいて、帰るのに時間がかかるならフェルと妹連れて迎えに行こうか?』
妹?リーダーさんに妹いたの!?
『リーダーさんにも妹いたんだ!?いや、とりあえず対ボス用兵器のレシピ貰ったし…先に工房に戻って作りたい』
『妹は妹でもリオア…レンナさんの妹だよ、しかし対ボス用兵器か…気になるな、それならフェルとついでにリオアと共に工房にいるぞ』
メッセージのやり取りを終える…そう言えば、ずっとログインしてそうだし、お昼ご飯食べなくて大丈夫なのかな?そんな事を思いながら探索を切り上げて、チームゼロオーダーの工房に向かった…。
秘密研究所から出て、工房に向かったのだが、アストロ火山の道中で、すぐ近くのマグマ溜まりから自分の全身を握り潰せそうなくらいデカいマグマの手が急に飛び出して、こちらを殴ってくる!
「ぐう!?あつ!?」
アースキーで攻撃を受け止めようとするが、凄まじい衝撃で体は吹き飛ばされて、大地から切り離される。
「あ…」
体が回転して、落下地点と自分を吹き飛ばしたマグマの手が見えた…。
落下地点はマグマの上、もう助からない…そんな確信があるせいか、全てがスローモーションに見える。
吹き飛ばしてきたマグマの手は握りこぶし状態で親指を上に立ててグットラック!な表現をしたかとおもったら、手を回転させて親指を下に下げて、挑発的な表現をしてきた。
「くそ!」
油断してた訳では無い…と言いたいが、詰んだ以上自分の負けだ。
「次はもうあつっっう!?」
次はもうやられない!そう言おうとしたが、体はマグマに浸かり、マグマで遊泳出来ない体はあっという間にHPが0になり、ユリのマイホームまで送られて、リスタートする羽目になった。
因みにマグマに落ちた時の感触は最初は熱い!となるけど長時間入るのはきついけど、火傷とかの問題はない熱いお風呂に入ったと煮た…似た感覚だった。
マグマで煮られるのはもう勘弁だ。
「あ、おかえりレンナさん、早いですね」
フェルが真っ先に出迎えてくれる。
「おや、お早いお帰りで……マグマ風呂はどうだった?お兄ちゃん」
ユリのマイホームから工房に移動すると、帰って来る速さか、フレンドよりもより深い情報の共有等が出来るハイフレンドシステムで死亡通知とかあったのか、リーダーさんから色々と聞いたのか、ユリがにこやかに質問してくる。
「フェルには浸かって欲しくない位に熱かったよ」
「まあ、あの火山に行った殆どのプレイヤーが浸かる熱々マグマの秘湯だからねー」
「そんな秘湯滅んでしまえ…」
というか秘密の湯ではなく体が燃える的な意味で火湯と表現したほうがいい気がする。
「あの、マグマはお風呂じゃないと思いますよ、ユリ」
「はいはい、マグマ談義はいいから色々と教えて欲しいぜ、どんなレシピを手に入れて、秘密研究所は見つかったのか?」
ちょっと引いてるような感じのフェルとレシピに興味津々なリーダーさん。
ひとまず自分は秘密研究所を見つけた事と中に色んな資料があった事を話して、皆に見えるように小さな鍛冶の意思から貰った、レシピ:投擲用アブソリュートアイスボムスピアを見せた。
「当てた先で全てを凍らせる爆発を起こす投げ槍…かなり危険な槍ですね、投げるのをミスして足下に落としたら、私達まで凍らせてきそうです」
「オリハルコンインゴットに特大の氷の結晶、雪女の涙にバンシーの悲鳴玉に無限氷塊、アイスドラゴンの逆鱗…うーん、逆鱗以外はうちの倉庫にあるけどリーダー逆鱗持ってない?」
「王逆鱗じゃなければかなり余らせてる、材料は問題なく集まりそうだな」
槍の感想を口にするフェルと材料をササッと用意するユリとリーダーさん…。
「あの、ちょっと?そんなポンポン用意出来るものなの?というかそんなどれも凄そうな素材を買う金はあるっちゃあるが…」
リオアの配信でガッツリお金はあるが、使い捨てと思われる投げ槍にそんな大金はかけたくない。
「え、別にタダでいいぞ、代わりに秘密研究所まで同行させてもらえればいいし…絶対に美味しい情報や資料がありそうだし」
「私も別にファンからの貰い物だし、お金は取れないよ、それに私は鍛冶スキル無いから有効活用してもらえたほうがいいからね…でも可能なら私も秘密研究所に連れて行ってよね?誰も踏み入れたことのないエリアとか気になるし!」
二人共タダの代わりに秘密研究所への同行を求めてくる。
2人が居れば大きなミミズに襲いかかられてもなんとかなりそうだし、アダマグマと戦うことになっても強力な戦力になるはずだ、下手すればアダマグマ戦がかなりイージーになりそうだが、断る理由はない。
というかメリットしかなくて、ちょっと怖いくらいだ、妹が居なければ受けるのに悩むレベルだ。
「わかった、投げ槍を作ったら四人で秘密研究所にいこう」
自分は2人の提案を受け入れて、投げ槍を作る準備に移るのだった。