小さな鍛冶の意思に報告と特殊なレシピ
「…そんな、アダマグマ以外やられているなんて、今の時代の人間強すぎませんか…私の努力はいったい…」
魔本の図書館6階、小さな鍛冶の意思にリーダーさんから聞いた事を話すと物凄くショックを受けていた。
「ま、まあもしかしたら封印されている間に弱体化していた可能性もあるからその…元気出して」
「もしそうなら、封印部門の人達の努力が報われるのでそうであって欲しいです」
封印部門…なんか知らない用語が出てきたな…。
「封印部門…なあ、どうやってオールモスキートとかやばいやつを封印してきたんだ?」
「それはわかりません、私は封印技術に関しては専門外ですから…きっと今じゃロストテクノロジーになっている可能性が高いです」
ロストテクノロジー、なんか男心くすぐるワードが出てきたな。
「なるほど、じゃあアストロ火山の秘密研究所の場所を教えてくれないか?凄い情報網を持つ人に聞いても場所がわからなくて…」
「まさか行くつもりですか!?駄目です、例えオールモスキートに勝ったとしても、貴方の武装とアダマグマでは相性最悪です!火と土の武器ではアダマグマに絶対に勝てません!!」
声を荒げて止めに入る小さな鍛冶の意思…まあ、確かにアダマグマ…名前からしてマグマ纏ってそうだし、そもそも熱い火山に居る敵は火に強そうだ、そう考えたら火光はほぼ役に立たないかもしれない、フェルがいれば妖精火門と妖精氷門の合体技のパーツとして役に立つとおもうが…。
「あー別に今すぐアダマグマを倒そうとは考えてないよ、先に秘密研究所の場所を知ろうとしてただけだし、後でアメノカズチを倒した強い人の相棒と行動するから安心してくれ」
実際の所今のリーダーさんとナナサカさんの関係がどういう物かはわからないが、少なくとも2人居ないと使えないスキルを持っていたり、なんやかんや言い合ってても仲良くしている以上相棒と表現していいはずだ?
「なんと…もしかして貴方は鍛冶よりも人脈を作る方が得意な人だったのですか?」
「いや、人脈は妹の物だ…それで何処にあるんだ秘密研究所?」
「………まあ、それほど強い人の相棒ならばきっと強いのでしょう、わかりました、教えましょう、これを受け取ってください」
そう言って、1枚の地図と、赤色と青色の2枚のカードキーが渡される。
「その地図に記されている所に向かえば秘密研究所にたどり着けるはずです、青いカードキーが入口の扉を開くカードキー、赤色が最深部へ行くためのカードキーです、そしてこれも持っていってください」
『特殊レシピ:投擲用アブソリュートアイスボムスピアのレシピを手に入れました』
「これが自分に作って欲しいと言っていた武器か?」
レシピを見た感じ何度も使える武器というより一発限りの消耗品、兵器で言うグレネードなどの投擲爆発物にカテゴライズされると思うのだが…使い回せるのかこの投げ槍?
まあ投げ槍型の爆弾も立派な武器か…。
「はい、これを使えばアダマグマの力を大きく削ることが出来ます、と言っても試作品故に」
「なるほど……………………………………いやまて、よくよく考えたら、鍛冶で爆弾は作れねぇよ!?」
爆弾て科学系だよな!?爆薬という言葉的に薬学…どっちかと言うと錬金術師カテゴリだよな。
アイスと書いてあるし液体窒素でも撒き散らすのか?
「大丈夫です、槍を作る腕さえあれば、後はレシピの力で自動的に作れるはずです…このレシピを作った時にはその腕を持つ者は皆死んでしまったのです…」
「そ、そうなのか、とりあえず貰っておこう」
まあ、水着とか鍛冶で作れたし、深く考えたらだめな気がしてきた。
「それじゃあちょっと火山に行ってくる」
「そう言えば胸ポケットにいた妖精が居ませんがどうかしたのですか?」
「情報を教えた後、火山に行く予定だったからお留守番してもらってるんだよ、火山は熱くて危険と、さっき言ってたアメノカズチを倒した人の相棒に教えてもらったからな」
「なるほど確かに小さな体だとあの熱さは酷かもしれません…わかりました、気をつけていってください」
こうして特殊なレシピを貰った自分は魔本の図書館から出て、地図を頼りに火山に向かって移動し始めた。