地魂の遺跡のゴーレム
ツー街から地魂の遺跡まで移動中は、完全にピクニックだった、ちらほら狼とか羊とかの敵が居たけど、こちらを見ても、こちらに戦意がないのを察したのかなにもしてこなかった。
もちろん近づけば戦闘になるだろうから、近寄らずに通り過ぎる。
「レンナさん、戦わないんですか?」
「まあ、確かに目的は戦って強くなることだから、ここで戦ってもいいんだけど、ここで消耗して地魂の遺跡の探索する余裕がなくなったら、後々危険になったりするかもしれないからね」
それにフェルのリジェネレートや回復薬があるといっても、有限なのは間違いない、地魂の遺跡を目指すなら戦わないのがいいだろう。
そんな判断をして敵と戦う他プレイヤーをスルーしつつ、駆け足で移動してたら、すぐに地魂の遺跡にたどり着いた。
大きな石門と地下に続く階段と入口が自分達を出迎える、入口を覗くと、暗いが天井、地面が石製で明らかに人工の手が入っているのがわかる。
「ごめんフェル、明かりの魔法をお願いしていいかな?」
「わかった、ライト!」
頭上に光の塊が浮かび上がり、遺跡を照らす、より詳細に遺跡が見えるようになった。
「フェル、言い忘れてたけど、もしも魔力が無くなりそうになったら、早めに言って欲しい、今日一日で、ゴブリンとかカエルとかヘビとか、かなり補助魔法を使ってたよね、きついのなら言って欲しい」
「大丈夫です、魔力は多少休めばすぐに回復しますので!」
「わかった、でもなんかあったら言って欲しい、無理して進んでも良いことないからな」
そういって、遺跡の探索を進める、階段を降りた先の内部は広く、これリアルで作るとしたら億単位かかりそうだなという感想を抱く。
「レンナさん、石の敵が来ます!」
「早速ゴーレムか!」
シャベルを構える、出てきたゴーレムは大型犬位の大きさの人形ゴーレムだった、目として埋められたと思わしき赤い石が輝き、火の玉を撃ち出してきた!
「危な!?」
横にステップ移動して、回避する…距離があると攻撃が出来ないので、ダッシュで一気に近付き、ゴーレムの胴体に刺突攻撃を繰り出す!
ガン!とシャベルは当たったが、こっちの腕が痺れただけで、ダメージを与えた感じがしない、やばいと思った時には、ゴーレムの目から火の玉が撃ち出される。
「熱いんだよ!!」
火の玉を浴びてダメージを負うが、火傷なんて現実で慣れたものだ、痛みに怯まずにシャベルの面で殴りかかる。
シャベルの一撃はゴインと、ゴーレムの頭部に当たるが手応えは薄い…
「うそ、打撃でも効いてない!?」
「レンナさん!もう一体きます!」
やばい、このままじゃ押し切られる…。
「フェル!補助魔法を!」
「リジェネレート、パワーアップ、スピードアップ!」
「ぬおおお!」
受けた補助魔法と一緒にゴレームの火の玉を浴びつつも、次は赤い石に狙いを定めて突きを放つ、すると赤い石が砕けた数秒後、ピピピピピ!と音がなった後にドカン!と爆発して自分達を吹き飛ばしたと思ったら、赤いエフェクトを撒き散らしながら消えていった…。
「くう…弱点見つけたけど、これじゃあ体力がやばい…」
爆発で壁に叩きつけられ、膝をついた状態で痛みを感じつつ、リジェネレートの持続回復が間に合わなくなり、危険域になった体力を回復薬で回復する。
撃破時に自爆されてたら、こっちの体力が持たない!
立ち上がりシャベルを構える。
「レンナさん、火の玉来ます!」
フェルの言葉にシャベルを盾にして、火の玉を受け止める…幸い火の玉の火力が低めなのが、助かった…そんなに痛くはない。
「くそ、どうにかして自爆させずに倒したい…」
弱点は火の玉を撃つ赤い石…ならば、こうするしかない。
「くらえゴーレム!」
シャベルを赤い石に狙いを定めてぶん投げる、するとシャベルは氷を纏って、ゴーレムの顔面に突き刺さり、自爆させることなく赤いエフェクトを発させて消滅させた。
「あれ、もしかしてここのゴーレムて氷属性が弱点なんか?」
「大丈夫ですか?レンナさん、シャベル拾わないと危ないですよ」
「あ、ああ…」
フェルに言われて慌てて投擲したシャベルを拾う、あのゴーレムの氷属性が弱点がわかったのは良いが、フェルとの共鳴の効果だと発動する属性が安定しないし、これは撤退したほうがいいのかな…?
多少悩んだが、赤い石を砕いた時、自爆するまでの猶予時間が少しあったので、砕いてすぐに逃げれば大丈夫と判断して、自分達は遺跡の奥に向かうことを決めた。