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鍛冶屋の息子、MMORPGにはまる  作者: リーフランス
図書館の奥底にあるナンバークエスト
329/626

ナナサカさんとの決闘5連

「よし!」


決闘用のバリアが消えて、ユリはガッツポーズをする。

自分は悔しさで時点に倒れている。


「お疲れ様」

「ーーーー!」


リーダーさんとナナサカさんが声をかけてくるが、ナナサカさんの声が聞こえない。


「リーダーさん、決闘終わったからそろそろナナサカさんへの魔法解除してあげてください…」

「と、デスペル」

「お、治ったよし次は俺とだなー」


フェルの一声で声を取り戻したナナサカさんは早速決闘を要望する。


「あんまり決闘を渇望するな、嫌われるぞ」

「う、それはやだな…」


そんなナナサカさんとリーダーさんの会話を聞いているとフェルが近付いて、心配そうにこちらを見てくる。


「大丈夫ですか?レンナさん」

「あー悔しいだけで怪我はしてないから大丈夫だ」


決闘のルールでMPやHPは全回復している。

それに仮に死亡ありでもリスタート時に全回復してるしな。


ただひたすらに悔しい、跳躍して攻撃しようとしなければ、さっきの魔力の弾丸は回避出来てたし、他にも初手切り札回避されてせいで、MP全て失うという反省点があった。


「ナナサカさん、決闘しましょう」


もうちょっと上手く動けるようになりたいので、ナナサカさんに声を掛ける。


「おお!?あはは!嬉しぞ、お前くらいだ、俺に決闘挑んでくれるの!」


明らかにウキウキの声で刀を取り出すナナサカさん。


「なあ、ユリ…お前の兄は戦闘狂なのか?」

「いや、凝り性なだけだよ…戦闘系のゲームやらせても全然ハマらなかったし…多分今のお兄ちゃんはとにかく上手く立ち回れるようになりたいという一心で動いてるよ」


ユリの声が聞こえる、兄の事がよくわかってるようでちょっと嬉しい。


「フェル、また決闘するから離れて欲しい」

「わかりました…えーと修行は程々にしてくださいね?」

「ああ、わかった、5戦位にしておくよ」


流石にいつぞやの深夜みたいにナナサカさんと長時間つもりはない。


「5戦もやるのか…フェル、美味しいお菓子とお茶を用意しよう、ゆっくりしていくといい、ユリもついでに飲んでいくといい」

「私はついで扱いとか、女性の扱いなってないよリーダー!」


リーダー達はのんびりティータイムをするらしい、それを横目に自分とナナサカさんはそれぞれ武器を構える。


「深夜の時と同じルールでいいよな?ここならリスタートしてもすぐ戻ってこれるし」

「ああ、ルールは同じでいい」


決闘のシステム画面が現れ、それをすぐに受理する。


「さあさあ、上級クラスになった実力見せてくれよ!」

「今回は2撃位の入れて見せる!」

「「決闘!」」


こうしてナナサカさんとの決闘が始まった。


1戦目、双地門を連打してナナサカさんを攻撃してみるが避けられ、20秒辺りでフェイントに釣られた結果、隙を晒して首への突きで倒される。


2戦目、10秒辺りで、強烈な一撃を受け流せず、バッサリと斬られる。


3戦目、制限時間の1分まで生き残るが、一撃すら入れられず終わる、引き分け


4戦目、一撃をなんとか入れようとするが、見切られ、パリィされた後に燕返しのようにスパッと斬られた。


5戦目、50秒まで耐えて、なんとか一撃を入れようとするが、クロスカウンターのように両者の攻撃が入り、こっちは双地門で僅かにダメージを与えたが、代わりにこちらのHPが全損した。




「勝つどころが一撃が限界だ!AI相手とぜんぜん違う!」


無魔技手も使ったが多少ナナサカさんの行動に反応しやすくなっただけで攻撃を防ごうとしたら無理だったし…。


「そりゃあ、スペックでゴリ押しするやつと比べられたら困るよ、本来のだとあいつはスキルメインで戦うAIだったけど、リダの技封じでかなりAIが狂ってたし、ほら、起き上がりな、フェル殿が心配そうに見ているぜ」


地面に寝転がり、ゼーハー息をしていると、ナナサカさんは刀をしまい、こちらに手を差し出してくる。

その手を掴み立ち上がる。


「しかし最後の動きはめちゃくちゃ良かったな、参考にしたいくらいだったよ」


「参考にしないでくれ勝てなくなる…そう言えばナナサカさんは二刀流は使わないの?AI戦の時は使ってきたんだが…」


「個人的に二刀流は苦手なんだよな、一応二刀流のスキルレベルは高めてるけど、もっぱらうんざりするくらい敵が多い時ようだな」


そんな事を言ってるとフェルが話しかけてくる。


「レンナさん大丈夫ですか?」

「あー大丈夫、決闘内なら何度殺られても大丈夫て言ったろ?」

「それでも心配になるんです」


…まあ、フェルからみたら何度致命傷を食らって消えても、さも当然のように復活するから、どうしても不気味に見えるし心配させてしまうか、そうそう慣れる物じゃないか。


「心配させてごめん…」

「こっちもすまない、フェル殿…わびと言っては何だが、なんか力を貸して欲しいなら言ってくれ」


謝るとナナサカさんも謝る、ナナサカさんは謝る必要なくない?


「べ、別にそこまでしなくても…怒ってないので頭に上げてください!?」


「良かったなフェル、一回限りでも、超高難易度の採取から大抵の敵を斬ってくれるお手伝いさんゲットだぞ」

「いや、ゲットと言われましても…倒したい敵も採取したい物は今の所ないですよ」


リーダーさんに言われて困惑するフェル。

まあ、フェルに取って1番倒したい敵は全て倒したからな…。


そんな会話をしていたら、そろそろログアウトしないといけない時間になり、金曜日は終わるのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] ナナサカさんとこうして喜々として決闘してくれる相手は稀ですからね。大事にしないと。
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