武器の使い方にご用心?
「お疲れ様、レンナ殿、フェル殿…凄い熱波だったな、こっちまでダメージ来るし、声も聞こえなかったぞ、これさっき渡したのと同じ薬だ、熱波でダメージ食らっただろ、回復に使ってくれ」
「ありがとうナナサカさん、所で滅刀斬てなんですか?」
ナナサカさんから薬を受け取りつつ、オメガコアの重刀が言っていた事を聞く。
「え?滅刀斬は刀を犠牲に敵に極大ダメージを与える技だよ」
「それ封印してください、刀がめっちゃ怒ってましたよ」
「え、なんで!?オメガコアの重刀で滅刀斬を使ったこと無いぞ!?」
驚愕するナナサカさん、それをみてリーダーさんはため息を吐いた。
「あのな、例え自分自身には使われなくても同じ刀がポンポン折られてたら、気分は最悪だろう、しかも折れる理由が激戦の果てにじゃなくて、時短だしな…」
「う、わかったよ、基本的に使わないようにしておく…」
リーダーに言われて、渋々封印を決意するナナサカさん。
「もしかして今まで深化がめっちゃ難しかったのはこいつが刀を雑に使ってたせいなのか…?」
「それに関しては深化の経験が少なくてわかんないけど、可能性としてはあると思う」
「ナナサカ…」
「その…ごめん、今後はもう少し扱い気をつける」
リーダーさんに向かって謝るナナサカさん、相当刀使い荒いんだろうなというのがよく分かる…。
ひとまず深化したオメガコアの重刀を確認する。
『オメガコアの重刀
属性:火
ステータス:攻撃力+65、魔法力+25
特殊効果:装備制限(力:350、器用:300)、火耐性(中)、抜刀時ダメージ(特大)、HP持続回復(中)
レンナが命を注いで作った、ゴーレムコアがついた刀、フェルの祈りがこもった再生の力とレンナが込めた生命の火が宿っている、刃に大量のゴーレム素材を圧縮しているため、重く、取り扱える者は少ない。
一回深化して、より一部の猛者しか使えぬものになった』
………なんか性能上がってるけど、抜刀時のダメージや装備条件が悪くなってる!?
「ご、ごめんナナサカさん、武器の性能は上がったけど、抜刀時ダメージが特大になっちゃった!」
「そうなのか…あれか、刀側の抗議みたいなものか、お前も一度身を滅ぼせと…」
やべーどうしよう、装備制限はナナサカさんのステータス的に大丈夫だけど、抜刀時ダメージは使う以上避けられない。
「気にするな、レンナ殿、この深化は俺が刀をポンポン折った結果でもある、甘んじて受け入れて、使いこなすさ」
「まあ、お前はHP低くなると強くなるバフ持ってるからな、問題ないだろ」
リーダーさんの言葉を聞きつつ、オメガコアの重刀を手にするナナサカさん、鞘から引き抜くとダメージが発生したのか、一瞬顔を歪ませるが、刃をみて、笑顔になる。
「何度見ても良い刀だ、次の深化の時にこいつに納得してもらうように頑張るよ、その時はまた深化作業を頼んでいいか?」
「ああ、任せてくれ」
『神託クエスト
頼むよレンナ殿をクリアしました、また信仰ポイントが手に入ったのでメニュー画面に信仰ショップが追加されました』
ナナサカさんからのクエストをクリアしたメッセージが現れる。
「あ、信仰で思い出した、リーダーさん、上級職になる為に名声値を稼ぎ」「やっほー偶像から上級クラスのスーパースターにクラスチェンジしたよー!!」
リーダーさんに質問しようとしたら、ユリ…リオアの大声で消されてしまった…。
「うるせぇユリ、お前の兄の質問が聞こえなかったよ」
「あ、ごめんリーダー、お兄ちゃん」
あの配信の影響かリーダーさんはもうリオアの事をユリと呼んでいる、基本的にユリ呼びなのか?
「えーと、上級クラスになる為に名声値の稼ぎ方を教えて欲しいんだ、今の所二桁しかないから、出来れば4桁稼ぎたいんだ…具体的な数字はわからなかったけど、少なくとも4桁以上必要なんだ」
「え?お兄ちゃんの名声値ならもう5桁になってると思うよ」
「え?」
リオアの言葉に、自分は完全に鳩が豆鉄砲食らったような表情をしていたと思う…。