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鍛冶屋の息子、MMORPGにはまる  作者: リーフランス
図書館の奥底にあるナンバークエスト
323/626

オメガコアの重刀の深化

『ナンバークエストの攻撃力+45以上か魔法力+45以上の武器を作る、武器を深化させる目標を達成しました。

全ての目標をクリアしました、小さな鍛冶の意思に報告してください。』


アースキーの深化が終わり、一息つく、セカンドクエストの全ての目的をクリア出来たみたいだ。


身構えていたが、苦戦すること無く、あっさり終った為、肩透かし食らった感じがする。


「お疲れ様だ、レンナさん、フェル、無事に深化出来たみたいだな」

「凄いな、リダの時とは全く違う、リダの時は何時もの波動が迸ってて危なっかしいのに!」


リーダーさんと、ナナサカさんが労いの言葉をかけてくれる。


「リーダーさん、武器て喋るの?」


気になった事を真っ先に聞く。


「え?ああ!2人の作業中なにも聞こえなかったが、レアイベント引いたみたいだな、深化時に武器の声が聞こえるとかあるらしい、俺は聞いたことないけど、専門家なら聞こえやすいのかな、それとも武器の愛用度かな?レンナさんアースキーずっと使い続けてるし」


「その言い方だと、俺の武器が愛用してないみたいじゃないか…」


「ポンポン刀折ってる時点で愛用してねーぞ、米一つ一つに神様宿ってると言うらしいから、まずお前は刀に土下座する必要あると思うぞ」


リーダーさんの説明を聞いて、抗議の声を上げるが、バッサリ斬り捨てられる刀神ことナナサカさん。


成る程と納得しつつ、自分はアースキーに鑑定眼を使う。


『アースキー

属性:地

ステータス:攻撃力+46、魔法力+46

特殊効果:HP吸収(中)、ガード範囲増加(中)、身代わり(フェル)、底力(大)、装備制限:呪血鍛冶、レンナ

特殊スキル:地門、地双門、妖精の祝福

レンナとフェルが力を合わせて作った戦闘用のシャベル、妖精と地の力に満ちていて、振るえば、どんな地面も掘り返せるだろう、また大地を操作する力もある、それは妖精の力の模倣であるがもはや妖精の力との違いは殆ど無い。

1回深化してさらなる可能性を得た』


ステータスは要望を通り45以上になっていている、大きく変わったのは特殊効果とスキルだ。


刺突強化と作業効率化が無くなり、攻撃した時にHPを敵から奪うHP吸収とアースキーで攻撃を防ぐ時、見た目以上に攻撃を防いでくれるようになるガード範囲増加が付いたみたいだ。


まじで要望聞いて生存しやすいように防御よりの性能になって、叶えてくれたんだな…。


そしてスキルに地双門というのが追加されている、これは視界内で二箇所の地面から大地の針を生やすスキルみたいだ、その分消費MPが地門の2倍プラスアルファと重めだが、何度も地門と叫ぶ回数が減るから便利かもしれない。


「ありがとうなアースキー、これからもよろしく頼む」


声は帰ってこない、深化時の言葉からして普段は喋れないのだろう、それでも聞いてくれているのかなと思い、声をかけてからアースキーをしまった。


「それじゃあ次はゴーレムコアの重刀の深化を頼む!ナンバークエストクリアした今ならさっきみたいなエラーは出ないはずだ!あ、これ回復薬ね」

「ありがとう、ナナサカさん」


ナナサカさんがHPとMPが回復する薬を2つ渡してくれた、もう片方はフェル用だろう。


依頼と引き受けたので、オメガコアの重刀の深化も当然やるつもりだ、フェルと一緒に薬を飲み干して、鍛冶設備を操作する。


セッティング時に血も注ぐかと聞かれたが、こちらはオフにした、これ以上呪血鍛冶の効果で最大HPを減らしたくない。


さっきエラーが出た時も同じように操作すると、次は正常に機能して、赤黒くねっされたオメガコアの重刀の形をした金属が金床に流れてくる。


「行くよフェル!」

「はい、レンナさん!」


フェルの補助魔法を受け取りつつ、ハンマーを振り下ろす。


ガン!と重めな音と共にアースキーとは違って、刀から赤いエフェクトが迸り、体全体が熱波に晒される!


「なんかさっきと違う!?あっつ!?フェルは無事か!?」

「だ、大丈夫です…熱いけど10分位なら耐えれます!」


熱さにダメージを受け、フェルの安全を確認していると、刀から声が聞こえる、荒々しい男の声だった。


「おい!聞こえてるか!聞こえてるよな!」

「あ、ああ…聞こえてるからこの熱波なんとかして欲しい…」

「よっしゃ!なら要望は一つ、あの馬鹿神様に滅刀斬を封印させろ!!じゃねぇと絶対俺は深化しないぞ!」


耳が痛くなるような大きな声で要望を伝えてくる、しかも拒否ったら深化を拒否されて作業が失敗してしまいそうだ。


「わ、わかった!なんとか伝えるから静まってくれ!こっちの身が持たない!」


リジェネレートをかけて貰ったのに、ジリジリとHPが減ってくる…熱波によるダメージの方が大きい…。


「あ、わ、わりぃ親父…親父に当っても意味ないのに八つ当たりしてしまった」

「お、親父!?」


刀から親父呼びされて動揺した自分は、ハンマーを振るう手がブレて、叩く予定の無い所をゴン!と叩いてしまう!


「いってぇ!?」

「あ、すまん!?フェル、リジェネレートを!」

「無機物にリジェネレートはききませんよレンナさん!」


刀の悲鳴で思わず回復をお願いするが、意味ないのか!


「いてて…全く…まあ、今回は親父とお袋に免じて深化やってやる!兄に遅れを取るわけにはいかないからな!」

「お、お袋て私のことですか…?兄はアースキーですか?」

「ああ、当然だが?あ、やべ時間がね」


フェルが恐る恐る質問すると、あっさり肯定した…どういう事なの…?


というか途中で言葉がぶつんと聞こえなくなり、完成ボタンが現れた……時間切れなのかな?と思い、自分は完成ボタンを押した、このまま押さないままだと質が悪くなりそうだからね。


深化は成功できたけど、なんか濃い会話をしたせいで思わず思考が停止して、天を見上げてしまった。


親父てどういう事なの…。

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[一言] 個性豊かすぎる!
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