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鍛冶屋の息子、MMORPGにはまる  作者: リーフランス
図書館の奥底にあるナンバークエスト
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刀神の依頼

「協力てなにするんですか?」

「この刀を深化させて欲しいんだ」


ナナサカさんはそういうと、一本の刀を取り出した。


「オメガコアの重刀…私達が作ったやつですね」


昔自分達がお金稼ぎで作った刀だ…重い装備条件がある代わりに、攻撃力は今使ってるアースキーより高い…。


今思うと良く作れたなと思える、余っ程運が良かったかもしれない。


「せっかく作った本人が居るなら、レンナ殿に深化させてもらいたいな」

「無茶言うなナナサカ、レンナさんは中級クラスだ、まだ深化システムは使えない、というか強化の話じゃなかったのか?」


リーダーさんはそういうと、鍛冶設備の近くにデカイインゴットを置いた…何に使うのだろうか…?


「あ、深化ならナンバークエストの報酬で使えるようになってます」

「まじか」

「おお、それなら依頼しようかな」


驚くリーダーさん、ナナサカさんはそう言うと、システム画面を操作したと思ったら、眼の前にシステム画面が現れた。


『神託クエスト

頼むよレンナ殿


成功条件

オメガコアの重刀の深化


失敗条件

深化の失敗及びクエストの放棄


成功報酬

信仰ポイント+1000


失敗ペナルティ

なし』


「なにこれ?神託はなんとなくわかるけど、信仰ポイントてなに?というかプレイヤーてクエスト出せるの?」


「信仰ポイントはそれを消費して、信仰する神様によるけど、色々と恩恵を受けられるんだ、俺の場合は自立して動く刀を召喚して、一時的に援護してもらう消耗品が貰えたり、大量にポイントがあれば、俺のコピーを召喚して援護してもらったりする消耗品が貰えるぞ、流石に俺自身と比べたらコピーだから弱いけどね…クエストを発行できるのは神様だからと納得してくれ」


ナナサカさんが説明してくれる、刀による援護か…結構いいかも知れない、手数が増えるのはシンプルに強い。


それに深化のお試しに丁度いい、ナナサカさんなら、深化してどんな刀になっても、しっかり使ってくれそうだ。


ペナルティはないし、報酬もある、断る理由はない、受けよう。


「クエストを受けてくれたか、早速このオメガコアの重刀をそこのインゴットを素材にして、深化して欲しい」


ナナサカさんが指差したのは、リーダーさんがさっき運んでた、両手で持たないといけないほどデカイインゴットだ、自分では持てそうにない。


『血濡れた巨大インゴット

数多の血の結晶を凝縮して作られたインゴット、数多のプレイヤーキラーを屠った証であり、これで作った武器はプレイヤーキラーに特化しやすくなる』


鑑定眼で見てみたら、血で出来たインゴットで思わず後ずさりしてしまう。


「な、なんですかあのインゴット…一体どれだけの人を斬って出来たんですか?」


同じく鑑定眼で巨大インゴットを見たのか、震えながら聞くフェル。


「40人位かな?1つのPKチームを潰した時に手に入れたドロップ品で錬金術師に委託して作ってもらったんだ、強化にも深化にも使える一品だぞ」


「1人で戦ったの?」


フェルの質問の返答にさらに疑問を投げる。


「いや、他にもPKKが居たから共闘した…最後に決闘して切り捨てたが」

「なんで切り捨てたの…?」


頭狂戦士なの…?


「いや、相手が決闘仕掛けてきたからね、決闘ならキルしてもペナルティないし、それなら斬るしかないでしょ」


共闘した相手は無謀な事をしたのか…共闘したなら、ナナサカさんの力とかわかりそうなのに…それでも挑みたかったのかな?


「そんなことよりレンナ殿の深化作業を見せてくれ」

「わ、わかった…」


そう言って、オメガコアの重刀を渡してくるナナサカさん、それを受け取り、鍛冶設備を調べると製造、強化、修理の項目以外に深化の項目が増えていたので、それを押して深化対象をオメガコアの重刀、素材を血濡れた巨大インゴットに設定して、スタートボタンを押した。




ブーーー!




昨日リオアの配信で聞いたハズレのような音が鳴り響いた、するとシステム画面にはエラーという文字が現れた。


「………なんか良くわからないけど、変な所押して無いのに壊れた…」

「……レンナ殿、この設備最高ランクだから高いぞ、俺でも金策頑張らないと払えない額だぞ…」


ナナサカさんの言葉で背筋が凍る。


「い、一千万でべ、弁償出来ますか?」

「タライガ!」


リーダーさんが言葉を発すると、ナナサカさんの頭上にタライが落ちてきた!


ガン!と派手な音を起こり、ナナサカさんは蹲る…。


「ぐおおお…本気じゃないのに、相変わらず地味にいてぇ…」


「あのな、脅してやるなよ、原因は何となく分かる、なあ、レンナさん、ナンバークエストで深化関連の目的はあるか?武器を1つ深化のさせるとか」


頭を抑えるナナサカさんに冷ややかな目線を送り、こちらに質問してくるリーダーさん。


「あ、ああ…そんなナンバークエストを受けたよ」


「それが原因だな、そのナンバークエストの深化の所だけでも先にクリアしないといけない、ナナサカは他者のナンバークエストにはほぼ干渉できない身だからな、持ち物でも似たようなことが起こるんだろう、今深化したらナンバークエストに貢献してしまうからね」


…そう言えば、ナナサカさんにはそういう重たい制限があって、フェルにも触れられない事を思い出した、オールモスキートを倒した後でも、ナナサカさんは、フェルに触れることは出来なかった事も思い出した。


なんというかナナサカさんの制限はなかなか大変だな…。

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― 新着の感想 ―
[一言] うまい話はないんだね。
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