ツー街の観光
「ツー街にたどり着いたぞ!」
「あ、レンナさん、あそこにマップと魔法陣がありますよ」
ジテン山を下山してたどり着いた街、まずはフェルが教えてくれた魔法陣とマップを確認する。
マップには街の名前が書いてあったが、リーダーの言う通り30文字以上あって、長かったのでツー街と呼ばせてもらおう。
『魔法陣の登録が完了しました、今後は以前行った事のある街と行き来可能になりました。』
魔法陣の近くにいくと、システムのウィンドウが流れる、これで最初の街と簡単に行き来出来るようになるのか…。
あ、ユリのチームの工房やユリのマイホームにもここから行けるのか、便利だ。
マップを確認すると闘技場や転職神殿、カジノと前の街にはなかった施設が書かれていて、色々と気になる場所があるが…まずは…店だなジテン山で手に入れた、いらない物を売りたい。
「ありがとうございましたー!」
時間をかけて、ショップで毒ヘビの牙や毒カエルの肉を売り払い、初期の所持金より多くのお金を財布に収める事が出来た。
「フェル、なんか欲しいのある?」
「お腹すいたので何か…あの肉まんが食べたいです!」
「わかった」
肉まんを2つ買い、ユリのホームで一緒に食べる。
このゲームだと食べ物は強化アイテムで、かなりの長い時間ステータスを微強化してくれるアイテムだ、まあ味は薄味で食べた気がしない…。
妹が言うには、味覚を強く反映しすぎると、お腹が膨れた気になって、良くないとかあるらしい、まあゲームだし、そんなもんだと割り切る。
「とっても美味しいですね、レンナさん!」
「そうだなー早くなれる味だな」
敏捷アップ(微小)の効果を得つつ、再びツー街の観光をする、まずたどり着いたのは闘技場、説明を見る感じ、対人戦や大会に参加したり出来るらしい…。
大会に優勝とかすれば大金をもらえるらしいが…小銭を払い、一試合観戦してみると…。
「テンペストブレイド!」「インフェルノ!」「ライトニングブレイド!」「アイスランス!」「グランブレイド!」「パリィ!からのダークエンド!!」
「す、すごいですね…レンナさんもあのくらい強くなるんですか?」
「いや無理」
高速で行われる、魔法を纏った剣技と多彩な魔法のぶつかり合い、最後には黒い塊が弾けて、魔法剣士が消し飛んだ、戦闘の流れが早すぎて把握しきれない…。
一目見ただけでわかる、ここで戦うなんて100年早いという、上級者施設だった。
魔法も使えずに、シャベルで刺したり、殴打しか出来ない自分が来るところじゃないなと思い、次は闘技場の隣にあるカジノに向かう。
カジノではスロットやポーカー、ブラックジャック、ルーレットなど多彩なギャンブルがあった。
景品一覧には強そうな武器や防具、後バニースーツが並び、バニースーツを来た美女達が接客をしていたりしていた。
「うわ、凄くセクシーな人達ですね」
「そうだな、カジノでは伝統的な服なんだよ、幸運を呼び込むとかなんとか」
「うわああああああああああ!」
そうフェルと会話していると、ルーレットをしていた、お客さんが叫びをあげる。
叫んだ人は膝をついている、その知り合いと思われる人はゲラゲラと笑っている。
「何事ですか!?レンナさん!?」
「あー爆死したんだろう…カジノだと、どんな叫び声をあげた人がいても、そっとしといてあげるのがマナーだよフェル」
「わ、わかりました、レンナさん」
というか爆死した人に関わるなんて、絶対に良いことなんて起きる気がしないので、そうフェルに教えておく。
取り敢えず今は所持金に余裕があるわけでもないので、そのまま冷やかし気味にカジノを出た。
残りで気になる施設は転職神殿か…転職に関してはユリから聞いている、お金がかかるなら今行くことは無いだろう。
なら次に行くのは、地魂の遺跡だな。
「フェル、街で他に行きたい所はある?」
「いえ、特にないですね…それよりも地魂の遺跡に行きましょう!」
街の観光をさっくりと終わらせた自分達は街を出て地魂の遺跡を目指した。